coroさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)

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あれだけ目を背けていたのに、ついに触れてしまった。すべてが破綻している。しかも、こんな大作なのに98分という商業主義の香りもまた哀しい

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)

3.8

歌を忘れた女(リラ・カッセン)と夢を忘れた女(ヴィオレタ)。抽象的で遠い目をした秘密の歌声は、ふたりが抱えた心の闇を仄暗く照らしてはまた消え去っていく。

波打ち際にポツンと置かれた自由になれないハイ
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ファイ 悪魔に育てられた少年(2013年製作の映画)

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5人の暗殺者に誘拐された子供(ファイ)。そのままファイは見知らぬ5人(+1人)の愛を受けながら成長していく、独創的というか、ちょっと受け入れ難いアプローチ。

伊坂幸太郎の"オー!ファザー"と同じよう
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

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同監督の "あの頃、君を追いかけた"とは対極に位置するように見えて、非して似たるもの。パク・チャヌクの"渇き"のように、中島哲也の"渇き。"のように、終始渇きは止まらないけれど、似て非なる新世界の渇き>>続きを読む

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

3.5

主人公は下層に生きる冴えない中年男(エンツォ)。とあることから不思議な力を得た彼は、父親を亡くした少女(アレッシア)を助ける羽目に。
少女に触れて少女に染まり目覚めた父性(良心)が彼の不思議な力を呼び
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父の秘密(2012年製作の映画)

3.8

最愛の妻(母)を交通事故で失い、その悲しみを埋めようと寄り添いながら生きていく親娘。父親に迷惑をかけないよう、イジメられていることを隠しながら日々を過ごす健気な娘。そんな秘密を父親が知り… >>続きを読む

恋とボルバキア(2017年製作の映画)

3.5

カラフルにトランスする恋とか愛だとかのドキュメンタリーというキャッチコピーからも分かるように、ちょっとした疑念を抱くほど着飾ったドキュメンタリー。

不思議な浮遊感のあるメロディに乗って、夜咲くセクシ
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search/サーチ(2018年製作の映画)

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SNSを頼りに行方不明の娘を探す父親の姿をたどる旅。追いつかない精神が迷い込んでいく。映像や言葉の細かいニュアンスを汲み取っていけばいくほどハマっていく巧妙な脚本

楽しい思い出も悲しい思い出も詰まっ
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ブランカニエベス(2013年製作の映画)

3.5

数奇な運命をたどる女性闘牛士の物語。モノクロ・サイレント、言葉がない分思いがダイレクトに伝わってくる。
タイトルのブランカニエベスとはスペイン語で白雪姫。ディズニーはもちろん、原作よりもある意味グリム
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ディセント2(2009年製作の映画)

3.2

過去鑑賞記録 (これもついでに)

続編は得てして大味なもの

ディセント(2005年製作の映画)

3.7

過去鑑賞記録 (ついでに)

洞窟内に巣くう地底人たちの(目に焼き付いて離れない)造形が無駄なく異様。刺激に対する反応や歪な動きは洞窟に特化したヒトのようにも見えて、単純で、それが更なる恐怖心を煽る。

ディープ・サンクタム(2014年製作の映画)

3.0

バカンスに訪れていた男女が、興味本位で足を踏み入れた洞窟内で迷い帰路を見失ってしまう。数日も経つと、閉塞感に押し潰され精神は徐々に破壊されていく。

同じ洞窟内のサバイバルを描いた作品「ディセント」と
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ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(2017年製作の映画)

3.7

主人公はパキスタン出身のスタンダップコメディアン、クメイル。ふとしたきっかけから大学院生のエミリーと知り合い一夜を過ごす。一夜限りの関係だと言うその目がもうすでに恋をしている(笑)。もう会わないと言い>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

1939年、日本統治下の朝鮮半島。莫大な財産を持つ令嬢秀子をめぐる物語。

日本名を与えられた韓国人や日本人など、すべての役を韓国の役者さんたちが演じているせいか、江戸川乱歩的な変態描写のせいか、いつ
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最低。(2017年製作の映画)

3.7

行く先もなく帰る場所さえ失いかけている3人の女性とその家族が織りなす群像劇。

小さな出来事に、足りない愛が幾重に重なり哀しみが積もっていく。皆がどこかで愛の介在しない世界と繋がっているという特異な設
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.6

2014年に中国で実際に起きた大規模なカンニング事件をモチーフにしたタイ映画。タイと言えば真っ先に目に浮かぶのが「チョコレートファイター」。カメラワークや構図やリアリズム、すべてが対極に位置する作品な>>続きを読む

幸福の罪(2011年製作の映画)

3.4

爽やかなBGMに包まれひとつのレンズに収まる幸せそうな家族。目を凝らしてみるとそこに零れる笑みはひとつだけ

湖畔に浮かぶ遊覧船。振り向きたくなる衝動を抑えるかのように虚空を見つめるひとりの女性。でも
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あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)

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突然父親になったプレイボーイ(今でもこんな言葉を使うのかな)と、彼に一目惚れしたゲイ。この結構能天気なふたりの父親に愛されながら健やかに成長していく少女(グロリア)の物語。

グロリアがとにかく可愛く
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.1

終わってる。知ってる。ずっと前から知ってる。

心に病を抱え過眠症で引きこもり気味のヤスコ。恋人のツナキと同棲をしているけれど、感情の針はいつも振り切れているか下限以下。そんな不器用なヤスコをそっと見
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テルマ(2017年製作の映画)

3.7

神に背く許されぬ初恋は、封印されたはずの恐ろしい力を呼び起こす。

イノセント・ガーデンを想起させる幼少期の衝撃的なプロローグや、覚醒の序章とも言うべき図書室での一連のシークエンスは圧巻。落ち着いたタ
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太陽の墓場(1960年製作の映画)

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澱んだ街を見下すように照りつける太陽。そんな太陽に照らされているとはいえ、やたらとクローズアップされる額の汗やバラック小屋で暮らす人々の姿態など、若干のあざとさを感じてしまうリアリズム。そして太陽のよ>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

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スタイリッシュなモノクロの映像美。無機質で曖昧な背景描写。シンメトリーな構図。既存のヤクザ映画とは一線を画す、夜に咲く白昼夢のような作品。

あどけない容姿をしながら、気まぐれで刹那的な享楽に溺れる加
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映画の妖精 フィルとムー(2017年製作の映画)

3.5

映画の妖精、フィルとムーの旅を描いたストップモーションアニメ。とにかく可愛い♡
映画を見られる環境にない世界中の子どもたちのために作られたという、移動図書館のようなコンセプトも素敵。
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.4

暗がりの中を慌ただしく動き回るカメラ。次々と発見される家族の死体。地下室から一家とは無関係な半身土に埋まった死体が発見される。この身元不明の女性の死体は、検死官の父と息子が営む遺体安置所へと送られる。>>続きを読む

デモン・シード(1977年製作の映画)

3.5

夫(博士)の夢であり妻の悪夢であるスーパーコンピュータ"プロテウス4"が完成する。思春期を迎えた(そう見える)プロテウス4はいつしか博士の妻に恋をし、自我が暴走し始めていく。










以下
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ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.3

原作はアリス・マンロー♡

マドリードでひとり暮らすジュリエッタ。思い出を捨ててしまおうしたその日、12年前に突然姿を消したひとり娘の消息を耳にする。そこから始まる回想。ふとした出来事に揺さぶられる人
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フィギュアなあなた(2013年製作の映画)

2.9

喧嘩騒ぎを起こしてしまった青年が、逃げ込んだ廃墟ビルの一室で生きているように精巧な等身大のフィギュアを発見する。危機が迫っているというのにフィギュアに魅せられた青年は滑らかな丘陵を巡りはじめる。薄っす>>続きを読む

静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.1

1989年12月6日、モントリオールの大学で実際に起きた銃乱射事件をもとに描かれた作品。








以下ネタバレ

犯行前のモノローグや幾度となくクローズアップされる無表情な視線。そこから犯人の
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BLUE ブルー(1993年製作の映画)

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青一色しか投影されない画面を見つめ、そこから漏れ出る随想や詩など青にまつわる色とりどりの言葉を、只ただ聴き続けていく…
独創的といえば独創的

みちていく(2014年製作の映画)

3.1

年の離れた恋人に身体を噛んでもらうことでしか満たされない女子高生みちる。似たような秘密を持つ部活の女の子と、互いの秘密を共有したことで惹かれあっていく。

ニセモノの笑顔を街中に貼ってみても、いくら噛
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心と体と(2017年製作の映画)

4.4

瞼を閉じると見えてくる、不自由な心と不自由な体を結ぶ静謐なひととき。
柔らかな音色の雫がぽつりぽつりと零れ落ちてきて、孤独な人を目覚めさせる。そんな閑けさが心に沁みるオープニング。

心と体を遮られ、
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死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

3.7

1977年ロンドン北部の町エンフィールドで起きた事件をモチーフとした作品。科学や人知の及ばないポルターガイスト現象に挑むウォーレン夫妻(心霊研究家)が主人公。演じているのがパトリック・ウィルソンとヴェ>>続きを読む

インシディアス 序章(2015年製作の映画)

3.5

息のできない男が通気口に住んでいる
夕べあんたの名前を呼んでた
そのうち会うよ

前2作の前日譚に当たり、亡き母との霊界交流を求める女子高生(クイン)が奇妙な現象に見舞われ、霊媒師のもとを訪れる…
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インシディアス 第2章(2013年製作の映画)

3.6

悲しみに暮れた前作のエンディングから2年が経ち、私的には、此岸を離れた霊媒師エリーズを探しに行く旅。死を超えた領域に長く滞在していたとはいえ、心が騒ぐ。








以下ネタバレ

天使のエンジェ
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女の子ものがたり(2009年製作の映画)

3.4

たまたま再視聴。
不安だらけで、ただ幸せになりたいと願った3人の女の子の物語。
主人公はナツミ。東京でひとり暮らしをしている。もちろん独身で、漫画を生業としているが不本意な絵を画かされ続けてスランプに
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

3.6

身体のあちらこちらを拘束された馬が砂埃の中を、何かをほのめかすようにゆっくりと歩いている。その先に居るのはわずかばかりの人と水と灯りと食料。無駄なものの一切ない静穏な世界。日常の何気ないシーンでさえも>>続きを読む