いつバラバラになってもおかしくない家族をふわふわ繋ぎ止めている、ちょっとだけ天然の彼女(母親)がすべての道標。
ディザスタームービーも、日本が舞台だと(身勝手だけど)こんな感じの描き方が多分ベストじ>>続きを読む
冒頭の看護師と女性患者の画から一瞬アルモドバルのトークトゥハーが頭をよぎるが、そんな心配も早々杞憂に終わる。
患者の記憶を手繰り寄せ、身も心もすべてを委ねられる彼と、不自由な心と身体のすべてを彼に託>>続きを読む
まるでサバイバルホラーゲーム。グリム兄弟が現代を生きていれば、きっとこういうテイストの作品を作っていたんじゃないかなんて思う。
オープニングのポップアップ絵本が欲しい。
朝起きると妻にキスをして、時間通りに家を出かけてはバスを走らせる。車窓を流れるいつもと変わらない景色や窓に反射するバス(自分)を見ながら時折悩んだりもするが、家にたどり着くと安心してまた時の流れに身を>>続きを読む
イスラエルとパレスチナ。こんなに近くて遠いふたつの国の狭間で生まれた手違いをきっかけに融合していくふたつの家族の姿が、何世紀にもわたり対立し続けてきたふたつの民族に、暗闇から光を差し伸べているかのよう>>続きを読む
思う気持ちがつい顔に出てしまう主人公の表情が豊かで個性的。それがこの映画の最大の魅力。
彼女は走る。どんな嫌なことがあっても、どんなに辛いことがあっても走る。つまずいても、転んでも、血が流れても走り>>続きを読む
パトリック・ウィルソンの姿を見かけた瞬間ウォーレン夫妻⁉︎って思ってしまうほど死霊館の印象が強く残っているが、この作品が先で彼がウォーレン博士を演じるのは3年後だと後で知る。
遥か遠くにありながら近>>続きを読む
紛争の絶えないイスラエルとパレスチナ。両国の架け橋であるテルアビブ郊外の病院で骨髄移植が必要なパレスチナ人の子供を救うため、民族や宗教を越えて手を差し伸べる人たちの姿が眩しい。
作者の問いに、死は日>>続きを読む
オーディションに遅れてやってくる女優と帰り支度をしていた監督ふたりきりの妄想劇場。
会話しているとお互いが混乱してくる様や、お互いを求めているのにお互いを相殺し合っているふたりの、逆転していく主従関>>続きを読む
詩人の夫とその妻をハビエル・バルデムとジェニファー・ローレンスが演じる。もうそれだけで充分妖しいのに、不審な訪問者が次々と夫婦の元を訪れてくる。やがて土足で踏み荒らされた心はバランスを失い、神さえもそ>>続きを読む
斧で車を解体していく姿がどこかアーティスティックな鉄くず拾いの人。
山村で貧しいながらも幸せに暮らしている家族。ある日身重の妻が腹痛を訴え病院に連れて行くと、流産していることが分かる。手術をしないと>>続きを読む
トラウマを抱え、あと一歩前に踏み出すことの出来ない盲目のピアニストと夢を諦めかけている女性。
いつも光を探しているようにくるくる動く瞳の奥に潜む純粋さに導かれて、彼女の閉ざしていたものに光が射し込んで>>続きを読む
彼氏に言わせると世界で一番変わっていて美しい、過去にトラウマを持つ主人公が、どこか家庭に問題があり心を閉ざした子供たちの傷を癒しながら、共に自身も癒されていく再生の物語。
主人公と共に働く、過ぎ去って>>続きを読む
大自然に囲まれたキルギスの小村を舞台に、兵役を目前に控えた少年のかたわらを流れる日常を淡々と綴った物語。
寡黙な主人公の指の隙間からひとつひとつ零れ落ちていく哀しみの深さを推し量るとこは出来ないが、>>続きを読む
過去鑑賞記録
みじかくも美しく燃えを鑑賞してみて、同じように実話を題材にして作られた、幻想的で美しいこの作品を思い出してみる
アイボリーの帽子にアイボリーの服を羽織りアイボリーの蝶々と戯れる。未来の見えない人生とはうらはらに、森に浮かぶサーカスの娘が美しい。
描き方次第でサスペンスにも純文学にも変化していく題材を最高の形で表>>続きを読む
オープニングの虚をつくバレエシーンから始まり以降誰ひとりとして本音の見えない緊迫した展開が続いていく。それにリアルすぎる拷問シーンが度々付加されていくので見ていてこちらも息苦しくなってくる。
やや強引>>続きを読む
同じ北欧の「ぼくのエリ」と同じテイストの作品。
凪ぐことのない海風やモノクロのような曇り空に取り囲まれて、いつも霞がかってみえる北欧の漁村。そんなセルキーでも現れてきそうな風景の宿る世界に冒頭から引>>続きを読む
夫(父親)を自殺で失った親娘。母親の愛情が足りず、それが原因で父親を失ってしまったと思い込んでいる少女は、父の影を追い求める余り、死を身近に感じられ同時に生の尊さも感じらることの出来る、祖父ともいえる>>続きを読む
恋の数だけ傷つき、それを払拭することの出来ない心優しいフランシスと、ヴィンテージをこよなく愛するマリー(知能指数の高さが運命を否定する)。古くからの親友ふたりが同時に運命を感じるひとりの男性に出会って>>続きを読む
短すぎるスカートの足もとばかりを映し出すオープニングにはちょっと引いてしまったけれど、ソーダキャラメル風にアレンジされた世界に浸っていく。
歯がゆくて、もどかしくて、それが可愛い部長らしくない部長を囲>>続きを読む
光を帯びて限りなく澄み切った景色や囁きかけるように降り注ぐ雨が、囁くように語る主人公たちより際立って見える。
見ているものの感性に委ねられる、最重要なシーンを彩る歌に、君の名はや秒速5センチメートルが>>続きを読む
余りにも評価が低いので再視聴。
古き良き時代のアメリカ映画のようなエンディングも含めて、やっぱり好き。
ロシア語をキャンディのように転がすNキッドマンが魅力的。彼女にだったら騙されてもいい…
過去鑑賞記録
ニューシネマ以前大量に作られたB級感満載のドラキュラ映画も好きだけれど、これは全く別物。既成概念に囚われない、けれどらしさも残したドラキュラ。
見終えたあと長く余韻の残る、行方不明な愛>>続きを読む
再視聴
初見時は、このゴシックな雰囲気とコッポラらしい精緻で凝った映像に魅せられた記憶…
改めて見ると、影の演出やシーンの転換場面など創り過ぎているように感じた。
今回はクセの強いヴァン・ヘルシン>>続きを読む
ちょっと根暗だけれど純粋な思春期の悩める男の子が主人公。家族と上手く過ごすことの出来ない彼は、避暑地の海が目の前にあるというのにイージーライダーを彷彿させる(笑)ピンク色の自転車にまたがりプールサイド>>続きを読む
これが実話でなければ荒唐無稽すぎてついていけない、ウソのようなホントのお話。
三浦貴大のあの声で、諦めなければゴールは待っている。なんて言われると(まるでオビ=ワン・ケノビにマインドトリックをかけら>>続きを読む
祖国を愛しながらも、生活のためドイツに移り住んだトルコ移民の3世代に渡る家族の物語。
ふたつの国のふたつの時代の頭で見えるものが、ひとつに結ばれていくまでをおとぎ話のように描いている。
おじいちゃんの>>続きを読む
過去を捨て別の世界へ浮上することを夢見ている主人公。感情の自制が効かず問題の絶えない彼女が、モーツァルトに出会って以来少しづつコントロール出来るようになっていく。と自分では思っている…
終始クラシッ>>続きを読む
話にかなり無理があるけれど、それがキム・ギドク。捉えどころの無いように見える単純さが良い。
『悪い男』で虜になり『弓』までのキム・ギドクファン。それ以降私の中では落ち始め『絶対の愛』『ブレス』『レッド>>続きを読む
あるきっかけを元に出会う老詩人とその弟子と女子高生。光を浴びた老詩人の、めくるめく妄想の中から生まれた居どころのない小説を巡り、3人それぞれの純粋な愛は行き場を失って行く。
多分、この作品に接する年代>>続きを読む
芽生え始めた性や恋の淡さの中に、行く末を暗示させる不穏な描写を巧妙に織り交ぜながら紡がれていく。
残酷さを知らない成熟な子供と、残酷さを知っているはずの未熟な大人の、ひと夏の秘めごとを描いたオレンジ色>>続きを読む