クリストフォルーさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

クリストフォルー

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レディ・ソルジャー(2014年製作の映画)

3.8

本作に出てくるのは、アメリカ軍がキューバ湾に設けた“グアンタナモ収容キャンプ”という“対テロ対策の強制収容所(その内の一時収容施設)”なのだが、2016年のBBCによる『なぜ日本は難民をほとんど受け入>>続きを読む

きょうのキラ君(2017年製作の映画)

3.7

公開が同時期になってしまった「暗黒女子」での、“清水富美加の出家騒動”に気を取られ、本作を劇場スルーしてしまい、あとで後悔した。
「暗黒女子」のカリスマお嬢様は、典型的な平たい顔族の飯豊では、さすがに
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TUBE チューブ(2003年製作の映画)

3.6

よくも悪くも、“香港(ノワール?)映画”の影響を感じさせるアクションとスタイリッシュさが面映いのだが、「シュリ」を経て、独自の“韓流ノワール映画”の作風が確立する過渡期の作品と思えば、ごった煮な展開も>>続きを読む

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

4.2

“高石ともやとザ・ナターシャ・セブン”のライブ演奏で聴く以前から、ブルーグラスの名曲“♪フォギー・マウンテン・ブレイクダウン”には聴き憶えがあった。最初は、昭和の地上波で放映されていた『じゃじゃ馬億万>>続きを読む

バラ色の選択(1993年製作の映画)

4.1

「BTTF」以外のMJF映画もよく観たが、なかなかハマルものがなかった。本作は「摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に 」をさらにテンポアップさせた感じだが、今見返すと、マイケル版「有頂天ホテル」というとこ>>続きを読む

タイム・チェイサー(2013年製作の映画)

3.3

『アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬 』で主演したルーファス・シーウェルが好かったので、こちらも観る気になった。本作の主演は、名子役だった
ハーレイ・ジョエル・オスメント。日本でも、子役出身の俳優の活躍
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牛泥棒(1943年製作の映画)

3.7

“西部劇”にも、いわゆるチャンバラ映画的なところから一歩踏み出し、社会性・倫理性を盛り込んだ作品があるのは不思議ではないが、この映画が、第二次大戦の最中に撮られていたというのには、やはり驚いてしまう。>>続きを読む

Presents 合い鍵(2006年製作の映画)

3.5

CMデビュー後の一年で、日本を席巻する“ヒロスエ・ブーム”を起こした美少女は、2000年代前半の結婚・出産(&離婚)を経て、本格的に女優の道を歩みだす。もちろん、最初のうちは美少女の殻を脱ぎきれなかっ>>続きを読む

オールウェイズ(1989年製作の映画)

3.8

1989年の公開当時は、主演のドレイファスはともかく、ホリー・ハンターやグッドマンはまだ有名ではなかったし、スピルバーグ作品としても、「最後の聖戦」のあとでは地味に思えた。なによりも、半年後に公開され>>続きを読む

小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)

5.0

初見は70年代、地元にあった“二番館〈死語か?)”で、授業をサボってリピートした。当時は「(ゼフィレッリ版)ロミオとジュリエット」や「フレンズ~ポールとミシェル」「フォロー・ミー」「ブラザー・サン シ>>続きを読む

ニューヨークの恋人(2001年製作の映画)

3.4

恋を描くなら、パリ、ロンドン、そしてニューヨーク。東京やソウルが悪いわけじゃないけど、画になるという点では敵わない。本作も〈メグ・ライアンの高額なギャラで予算がタイトなせいか)、意外とピンポイントなロ>>続きを読む

アルフィー(1966年製作の映画)

3.8

監督のルイス・ギルバートは、私にとっては(007映画ではなく)、あの「フレンズ/ポールとミシェル(続編も込み)」の人なので、こんな映画を撮っていたとしても納得できる。同じイギリス映画だと「土曜の夜と日>>続きを読む

追想(1975年製作の映画)

4.1

“復讐もの”として名高い作品だが、映画の主題は、邦題どおりの“追想”だ。しかも、この映画の真価は、思いだされるのが甘い愛の記憶ばかりではないことだ。主人公に心地よい記憶だけでは、本当の愛した時間にはな>>続きを読む

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳(2014年製作の映画)

3.5

今期の月9のように、綾瀬はるかがやたらとクレバーな役をやっていると、どうしても違和ってくるのだが、『天国と地獄~』同様、本作も、その点を設定で上手く逃げている。そういえば、桃李くんは綾瀬より年下だった>>続きを読む

ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年製作の映画)

3.5

美女の出てこない(ジュリアン・ムーアは出てくるが)「キングコング」もどきの展開は、確かにインパクトに欠け、肝心の恐竜までもサファリの猛獣あつかいでは、いくらCGがリアルでも、「もののけ姫」のセル画の迫>>続きを読む

激流(1994年製作の映画)

4.1

これも、劇場公開時(1995年)に観にいけず、あとで大きなスクリーンで観たかったと後悔したウィルダネス映画。
何故、ヒロイン(メリル・ストリープ)がCODA(父親がろう者)の設定なのか疑問だったのだが
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.3

日本映画における母親役女優というと、旧くは田中絹代や高峰秀子、母ものの代名詞のような三益愛子や望月優子、近くは八千草薫や吉永小百合、風吹ジュン、原田美枝子、もちろん、大竹しのぶに田中裕子もはずせない。>>続きを読む

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.2

昭和のテレビ放映で観ていたかもしれないが、ちゃんと観たといえるのは、パブリックドメインの廉価版DVDの時代になってからだろうか。いくらモノクロとはいえ、(天使が出てくるのに)クリスマス映画としては全体>>続きを読む

いなくなれ、群青(2019年製作の映画)

3.6

『(朝ドラ)まれ』と「暗黒少女」のせいばかりではないのだろうが、(ヒロイン役も含め)出演作が多いのにもかかわらず、いまひとつ抜け出せない感じなイイトヨさん。ガッキー似なんていわれなくても、スタイルの良>>続きを読む

半世界(2018年製作の映画)

4.1

「大鹿村騒動記」を観たときに、阪本順治ってこういう世界が好きなのかもと思った。監督と同世代で、同じ関西にに生まれ育った私も、地方(田舎)のせせこましくない暮らしのなかで、地縁を保ちつつ、適度な距離感で>>続きを読む

嵐ケ丘/嵐が丘(1939年製作の映画)

3.9

サマセット・モームの選出した『世界の十大小説』は、若い時分に何とか読破したが、皆見事に後々のさまざまな物語の元になっている。エミリー・ブロンテの『嵐が丘』も、フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー>>続きを読む

若草物語(1994年製作の映画)

3.9

日本での公開時期(1995年7月)が悪かったのか、映画館では観ていなかった。しかし、後々にビデオで観て、やっぱり『若草物語』って好いわぁと思った。オルコットの小説“LITTLE WOMEN”に、この邦>>続きを読む

レナードの朝(1990年製作の映画)

3.9

劇場公開時に、これって、ダニエル・キースのSF小説『アルジャーノンに花束を』みたいだと思ったのだが、後に、名画座で「まごころを君に(1968年の映画化作)」を観たときに、さらにその思いが強くなった。>>続きを読む

ホット・ロック(1971年製作の映画)

4.2

レッドフォードを映画館で観始めたのは、確か「スティング」あたりからだと思うので、この「ホット・ロック」はテレビの『○○洋画劇場』が最初で、なんともドジな奴らのコメディ映画だと思っていた。
ただ、アニメ
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.1

日本に生まれ育ち、漫画やテレビで海外や日本のSF(特撮)ドラマやアニメが容易に観られる時代をすごし、内外のSF小説を文庫で読める環境があったせいで、かえって、ヒロイックやファンタジーではない、本格的な>>続きを読む

王宮の夜鬼(2018年製作の映画)

4.0

朝鮮(王朝)時代劇定番の陰謀展開に、新 感染なゾンビ(夜鬼)パニックを合体させることで、ますますやりたい放題な世界に突入している韓国映画だが、荒唐無稽をそうと感じさせないのは、やはり、観る者を惹きつけ>>続きを読む

ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009年製作の映画)

3.8

果たして、レビューなど書いていいもんだろうか?

もてない男にとって、好かれるためには、とてつもない努力と幸運が要るが、嫌われるのは、呆気ないほどの一転びで済んでしまう。

そうなってからは、もうジ
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突破口!(1973年製作の映画)

4.4

昭和の地上波テレビでの吹替え・カット版放映では掴みきれなかった、本作のカルト的な魅力に気づけたのは、ようやくレンタルビデオの時代になってからだったが、ひさしぶりに観ても、本当に面白いから困る。
ウォル
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帰郷(2004年製作の映画)

3.8

中井貴一などと共通するノーブルな存在感で、つい使いたくなってしまう役者のひとりなのだろうが、アイドル(イケメン)売りを拒否って、わが道を行きだした頃の西島君の振り幅の拡げ方は面白かった。2010年代の>>続きを読む

ルームロンダリング(2018年製作の映画)

4.0

うっかり、元ネタ(本作)があることに気づかずに、テレビドラマ(MBSドラマイズム版)を観てたので、あわてて映画も観かえした。監督のオリジナル原案らしいが、わたしの好きな「MAKOTO(2005)」に似>>続きを読む

好きだ、(2005年製作の映画)

3.7

劇場で「ペタルダンス(2013)」を観た後に、すぐに本作のDVDをレンタルしたはずだが、10年ぶりに観なおすと、やはり感じ方が変わる。
瑛太から西島へのブリッジは微妙だが、宮崎あおいから永作博美への移
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帰らざる河(1954年製作の映画)

4.0

タイトルから並び立つ二大スターに目を奪われがちだが、ゴールドラッシュや先住民(ネイティブ・アメリカン)に向き合い、未開の大自然と格闘しながら生きようとする父と子の物語(「仔鹿物語」や「シェーン」にも通>>続きを読む

アメリカン・メルトダウン(2004年製作の映画)

3.6

2001年のアメリカ同時多発テロ事件(911)以降の世情を反映したテレビ映画(TVM)だが、監督が、あのジェレマイア・S・チェチック(1998年の「アベンジャーズ」でラジー賞の最低リメイク・続編賞を獲>>続きを読む

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)

4.2

本作は、単に、製作者カヴェンディッシュ氏自身の家族の歴史というだけではない。“ポリオ”というウイルス疾患、人工呼吸器の進化、障害者の社会的自立など、さまざまな視点を呼び起こしてくれる映画だ。
昭和世代
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幸せのありか(2013年製作の映画)

4.1

観る前に観客に先入観を持たれたくないという思いもあるのでしょうが、この邦題で見逃されてしまうのはあまりにモッタイナイと思ってしまうほど、本作は、出来る限り多くの人の目に触れてほしいと思える秀作です。>>続きを読む

セッションズ(2012年製作の映画)

4.0

本作が、ポリオによる全身麻痺という障害を抱えながら、ジャーナリスト、詩人として活動した実在の人物の体験記事を映画化したものだというのにも驚いたが、喜劇的に描き出されたその内容は、特に男子には、障害など>>続きを読む