新鮮なセンス溢れる快作!今まで黒人を扱った映画で見られなかった、新たな人物造形。
小松菜奈をこれでもかと徹底的に美しく撮った撮影・照明に拍手を。
整合性も何もなく押さえたいツボもよく分からない無茶なファンタジーを、「君の名は。」のように強引に魅せ切る馬力はこの映画にはなかった。
このレビューはネタバレを含みます
観終わった今でもこのタイトルの意味はよく分からないのだけど、映画自体はとても誠実に作られた恋愛会話劇で、好感を持った。
もうこの手の作品のお約束というか案の定ヒロインが病気になるのだけど、死に至る難病>>続きを読む
これは思わぬ拾い物!
ガール・ミーツ・ボーイ青春活劇の最新アップデート版。SkypeやFacebookを上手く使って主人公の人柄や現状を描写する冒頭から、デイヴ・フランコが登場してからの主役2人>>続きを読む
人のこころは難しい。感情と行動のジグザグ走行。
この監督の新作「マンチェスター・バイ・ザ・シー」は今年のオスカー有力候補。
女性の中で目覚める野性を、何かのメタファーやら計算といった事に囚われる事は全く無く、ひたすら野放図に自由に直感的に描いていく。女の恋の冒険と解放を愉しみました。
「彼」の捕獲や初キスなどの節目で、い>>続きを読む
これまでのテレンス作品以上に、自分にとって違う宗教の映画。いつかは分かるようになるのだろうけど。
ただ合わないというだけでなくて明らかに散漫ではあると思うが、そんな批判を封じる狡さもある。
輝く女優>>続きを読む
たまに無性に観たくなって、観ると凄くホッとする映画の一本。
俺にも血の繋がらない間宮兄弟のような友人がいる。
少し懐かしい感じがするアメリカのお伽噺。
森の光へのこだわりに監督の個性を感じる。
「夢と希望を信じる」というディズニーのモットーが活きた後半に特に惹かれた。
アイデアやガジェットも特に活きずに上映時間がただ過ぎ去っていく。特に苦痛なのが主人公の五月蝿さ。
こういうB級になりそうな題材でも、今の韓国映画界の実力ならここまでしっかりハイクオリティな作品に仕上げてくる。登場人物達の視線とその先にあるものの描写、主人公の感情表現の巧さ。
主演の女の子、どこかで>>続きを読む
ひとつひとつの日常を丁寧に、慈しみを持って描いていく事で、その生活を奪い去っていく戦争の哀しみとそれに負けない人間の生命力を描出する。
新しい世代の「火垂るの墓」。
リンさんのパートと、あの旗の事を>>続きを読む
シンプルなギャングものかと思いきや、意外な複雑さを抱いた作品。
双子を巧みに演じ分けたトム・ハーディはお見事!
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死で引き裂かれた姉妹と霊感のある冴えない男による対話と視線のセラピー劇。あっけらかんとユーモラスで、時に鋭く哀しく。劇中では描かれない長い時間を想像できる余白もあって、いやこれは素晴らしい短編。大傑作>>続きを読む
天才の所業。
人物の動きの偏執的なまでの細かさに宿る生命力。小さな奇跡の連続。クリスマス活劇。
「ソーローなんてくだらない」の頃から一貫して、この監督は女ではなく男を描く時にこそ活き活きとする。
赤裸々で事前も事後も翌朝の会話まで生々しいセックス描写を通して描かれるのは情けなくてしょーもない男へ>>続きを読む
レイプされまくる内に女がその男を愛するようになるという概念が根本的に生理的に受け入れられないのと、最終的に辿り着く結末が少し単純すぎるように思えたのが残念だった。あくまで個人の好みなのだけど。
それ以>>続きを読む
滑稽な人達の滑稽な行動をただ嗤うのではなく、表層の滑稽さの裏にある彼女達が大事にしていたものにスポットライトを当てる作品。滑稽だけど人生の苦しみに耐えてきた真摯な可愛らしい夫人と、彼女を愛して仕えて人>>続きを読む
凄く清々しくて面白かった!
神代オマージュから始まり、西部劇の香りもさせながら、アクションの連続によって性愛をあっけらかんと活写していく。女と男が肉体をぶつけ合って対話していく、まさに「ラブバトル」的>>続きを読む
「暴力」をもっともらしく生っぽく描く事がアナーキーであるとか何かへの反抗になるとかいう考え方っていつ消えるんだろう。しかも大体その「暴力」が向かう先は権力ではなく弱い者や市井の者で。
そのチープなしょ>>続きを読む
この監督の性なのか、「ゴジラ」の時と同じく恐ろしく雑。その雑さでエモーションが寸断されてしまう。手持ち撮影もジョン・ウィリアムズを意識しすぎた音楽も功を奏さず。「フォースの覚醒」のJJとの実力の差がは>>続きを読む
実は優れた映画作りの腕前を持っているのに、いつもB級映画に流れてしまうアダム・ウィンガード監督最新作。
恐怖演出が大音量で驚かせるコケ脅しばかりで、結局の所前作の焼き直しでしかないのも残念。しかしとて>>続きを読む
思わぬ所から現れた、ハリウッド映画の文法と日本エンタメのケレン味の幸福な融合。
少しずつ関連し合う短編5本によるオムニバス。
2本目の「Shadows」が段違いに良かった。短編だからできる感情の描き方があった。主演の中澤梓佐さんが印象深い。他の作品からのバトンの受け取り方・繋ぎ方>>続きを読む
奇妙奇天烈なMVやCMを作ってきた奇才監督コンビ・ダニエルズの初長編映画は想像以上の怪作。
ポップにぶっ飛びつつも意外と真っ当にエモーショナルな所に落ち着くのかと思いきや、観る側の内側を抉るような境地>>続きを読む
地味な小品と思いきや、これが実はかなり凄い傑作だった。まず脚本が良くて、さらにスタッフ・キャストが皆良い仕事をしている。
「チェイサー」「哀しき獣」のナ・ホンジン監督最新作。
前作までとは打って変わって、まさかのオカルト・ホラー!これまでの作品のジメッとした陰惨さとは違い、今回はユーモアを交えながらのあっけらかんとした陰>>続きを読む