監督・脚本のシェーン・ブラックの鬼畜さ、というか特に女性への加虐癖(死への非情さ)みたいなものが垣間見える瞬間が何度かあってそれが個人的に辛かった。
そういえばシェーン監督がかつて脚本を手がけた「リー>>続きを読む
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全体的には茶番でしかないが、清水富美加(この人は良かったので、やっぱり戻って来てほしい)がコストコや生姜焼き等世間一般的な凡庸な幸せに浸る憧れのひと(というかある種の共犯者?)に失望・嫌悪する瞬間だけ>>続きを読む
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数年前にこの脚本がブラックリスト入りしたという記事を雑誌で読んだ時に、「孤独に耐えかねた男が女を冷凍睡眠から故意に起こす」というプロットがガッツリ書いてあって、随分攻めた話だなと記憶に残っていた。
「>>続きを読む
全てが絶妙。最初から最後まで、全てのシーンで絶妙なラインをキープし続けている。
重すぎず軽すぎず。終始ユーモラスに、しかし締める所はしっかり締める。
リブートのやり方も見事。
今回は都会を飛び回る>>続きを読む
主人公の大きな眼は彼女自身の喜怒哀楽を観客にダイレクトに叩きつけてくる。そんな彼女の眼に映る感情を監督もカメラも一切逃さずクローズアップで捉えて、映画に最大限に活かしている。
障碍を抱えた主人公の女>>続きを読む
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いくら夢見がちな小学生でもラブホが性的な所だという事はなんとなく分かるのではないか。小学生じゃなくて幼稚園児の発想に思える。日本アニメの性なのか、主人公の女の子の内面が最初から成長後まで終始幼すぎるの>>続きを読む
二階堂ふみが圧倒的に力強い。彼女がこの映画の強い芯になっている。
彼女の良き理解者である門脇麦も良い。
少女漫画だろうが「ストロボエッジ」と同じく廣木監督のスタイルはいつも通りで、演出やカメラワーク>>続きを読む
11年前にライアン・ゴズリングが主演し、アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされた作品が長い時を経て遂に日本上陸。もう完全に日本で観られる事を諦めていた幻の作品だったので、こうして普通に観られるように>>続きを読む
開巻間も無くの場面、自転車通学の神木君が走り去った後にカメラがクレーンアップしていくとスクリーン目一杯にどこからどう見ても日本ではないスペインの街並みが広がり、そこに神木君の「ここは杜王町」というナレ>>続きを読む
混沌というか混迷、それも狂気じみた混迷。とりあえずみんな一旦休もう、と作り手達に言ってあげたくなる。
前作のような娯楽要素の二郎系マシマシ感ではなく、マイケル・ベイの人でなし感が表出してきている・・
「もしドラ」(誰かあの映画の事を覚えているのか)に似たベストセラーからの無理矢理の便乗企画だと思っていたら、驚くべき事に現代日本映画の秀作だった。馬鹿にしてごめんなさい。
多くの日本映画が陥る無邪気な>>続きを読む
『正反対の2人が反発しあいながらも共に問題に向き合う内に、互いを理解し合っていく』という映画の王道を堅実に丁寧にやり抜いた作品。
多少の強引さはあれど脚本はしっかりと破綻無くできていて、それをスタッフ>>続きを読む
ひねくれ者で友達の少ない女の子の人生に起こる変化は側から見ると些細な事だが本人からすると大問題で(彼女の気持ちはよく分かる)、そんな彼女の滑稽でグチャグチャな七転び八起きをこの映画は彼女の視点にぴたり>>続きを読む
「スガラムルディの魔女」の監督の新作という事と、冒頭の微生物の気持ち悪いタイトルバックから長回しで登場人物達を紹介していく一連の流れで期待したのだけど、正直凡作だったと思う。怪作密室劇「ダークレイン」>>続きを読む
パッケージや邦題のイメージから敬遠する方が多そうだが、これは精神的DVをリアルに描いた作品で、ポルノ的な物とは全く違う。
少しでも映画ファンが食いつきやすい事を書くと、レベッカ・ファーガソンが重要な役>>続きを読む
それぞれ悩みを抱えた作家家族の恋愛模様を描いた佳作。
これくらいの佳作をたまに見ると落ち着きます。
リリー・コリンズとジェニファー・コネリーが母娘というのは完璧なキャスティング。リリーさん可愛いです>>続きを読む
アウトローを気取る事とアウトローである事は違う。この映画はどちらかというと前者の方だと思う。
パパラッチや週刊誌になんとかヒロイズムを求めるのは偽善的かつ無意味で、やるなら「ナイトクローラー」のように>>続きを読む
30年代、天才黒人陸上選手が国内での人種差別を跳ね除け、さらにナチ政権下でのオリンピックに挑む。走る事で陸上競技だけでなく差別とも闘い抜く様を、手堅く、時に野心的に描く。
主人公の女性問題や、スポー>>続きを読む
久しぶりに出会った、『クセはあるけど誰が何と言おうが俺は好き』タイプの映画(「スイートリトルライズ」「東京公園」などをこのカテゴリに入れている)。
野性味を寡黙さで抑えている青木崇高は個人的にはこれ>>続きを読む
親の尊厳死という選択を受け入れるかどうか、という誰にでも起こりうる深刻な事態を、真摯に誠実に描いた作品。
少ない登場人物達それぞれの立場の描き分けが見事。監督の才覚が優れているのは明らかで、人間への想>>続きを読む
単なる東映戦隊モノの実写化と思いきや、下敷きになっているのは「ブレックファスト・クラブ」で、あの映画に出てきそうなはみ出し者の若者達が最終的に戦隊ヒーローになって大活躍する、という所にこの映画の面白さ>>続きを読む
フライトアテンダントになる事を夢見ながら、フランクフルト空港で清掃員として働くインド人女性のニーシャ。一方、空港内の不法入国者収容施設に収容されていたロシア人青年のアレクセイは施設を脱走し、空港の地下>>続きを読む
シンプルな事をスマートに物語る良さが前作にはあったが、残念ながら今作にはその良さはほとんど残っていない。
推進力を失ったドラマは無意味で野暮ったく、アクションの振り付けは進化したが撮り方が後退した。>>続きを読む
亜流「エイリアン」みたいな感じかと観る前は正直ナメていたが、冒頭シーンの擬似長回しショットで尋常ではない野心と実力を感じて驚いた。
登場人物達のバックボーンを隙なくさり気なく提示して展開に説得力を持た>>続きを読む
あまりにも無意味に複雑すぎて関心を抱きづらいストーリーが、原作ゲームに倣った故なのかそれとも映画独自のアレンジを試みた末の失敗なのかは分からないが、とにかくつまらないという事ははっきり言える。
アク>>続きを読む
若者の焦燥・苛立ちと迷走。人妻の倦怠。登場人物の誰もがみっともなくて人間臭くて良い。
大人になる為の失敗の味は苦い。
ゴア・ヴァービンスキー監督の活劇への変態じみた執念が炸裂した1〜3作目、もう何も覚えていない4作目を経てのシリーズ第5弾。
特筆すべきはヒロイン(というか実質主人公)・カリーナの人物造形。優秀な天>>続きを読む
何というかうまく言葉にできないけど、凄く良かった。
田舎のめんどくさいオヤジ(冒頭から提示される、こういうやり方しかできない事の可笑しさと切なさ)も都会の仕事に疲れた娘も、両方の悪い所をフェアに描きつ>>続きを読む
祝DVDレンタル開始、というわけでユーロスペースで観て以来の再見。
一般レベルの修羅場の中に恋愛モンスターが乱入し、全てを台無しにする様をクールに見つめる恋愛悲喜劇。
一見さらりと自然体ながら、高度>>続きを読む
本当に待望の、ポン・ジュノ監督最新作。
前半の血湧き肉躍る素っ頓狂な活劇から、後半の重く苦い味を噛みしめるドラマへと推移していくのがとてもポン・ジュノ作品らしい。圧倒的な演出力に痺れるばかり。
主役>>続きを読む
映画史に残ると言っても過言ではないくらいの傑作「彼女が消えた浜辺」「別離」のアスガー・ファルハディ監督最新作。この人の映画は本当に完璧。
フランスで撮った前作「ある過去の行方」を経て再び母国イランに戻>>続きを読む
東京の狭いアパートで一人暮らしをしている29歳のOL・クミコ(菊地凛子)。人付き合いが苦手で友人もおらず、唯一心を開けるのはペットのウサギのみ(名前はブンゾー)。
勤め先の社長はクミコにお茶淹れ等の雑>>続きを読む