『囚われた国家』を見たので。戦争映画ともテロリズム映画とも違う何か。意外にも今年のアサイヤス新作にも通じてるかもと思った。
アンナ・ボーデンとライアン・フレックのコンビは信頼できる。これに関してはかなりデビュー作感が強く、しかし平坦なドラマながら見どころはしっかりある。
パームバックが天才であると確信した最初の作品。実は『フランシス・ハ』よりもこっち派。みっともなさ、中身のなさ、才能のなさ。後半にかけての批評性がこちらを抉ってくる。
ルパート・ワイアットのレジスタンス映画。全編にわたって説明を排し、情感を排し、ただただ画面と状況で情報を語る。レコード、配線、マッチ。その映画的ダイナミズム。夜と音楽がカッコいい映画でもあったので劇場>>続きを読む
面白い。マンブルコア的な作風の中で、今作は一応のわかりやすいプロットがあり、ストーリードラマになっている。ジェイク・ジョンソンの情けなさが最高。エンディングが少々唐突で、もう少し話を続けて欲しかった感>>続きを読む
あまり面白くない。少女が歌うラップの活かし方、設定の黒人の貧困地域でのドラッグ問題のメタファー、やりたいことはわかるが全て中途半端。というか、『ブライト』の時も思ったけどこんな雑なファンタジー設定でス>>続きを読む
ものすごく楽しんだ。正直全体的にはどうしても『スーパーパッド』の個々のエピソードを薄めた感じは拭えないんだけど、それを補って余るほど主人公2人と脇のキャラクターたちが魅力的。確かにジョン・ヒューズが撮>>続きを読む
瀬々敬久新作。あまりのオールスターっぷりと、撮影のゴージャスさに圧倒されるが、脚本があまりよろしくない。ただ、見せるところは回想なしでしっかり映像でイメージとして回収するところは、流石だなと思った。『>>続きを読む
設定、企画は最高に面白いが、そこで面白さが止まっている感じがあり。具体的にはあまり撮影がいいとは思わなかった。自然光を取り入れた光の演出、質感は良かったが。シャイア・ラブーフとノア・ジュプのやり取りは>>続きを読む
何も考えないで見てられるが、結構笑わせられた。前半のミッシーが完全にシチュエーションホラー。バニラアイス久々に見たな。
マジでかっこいい。完璧に仕上げられた色調、色あせた照明の中で行われる視線の交差がロマンティック。クールで殺伐とした暴力の世界の中で、冷酷なまでにロマンティック。
恥ずかしながら初めて。ここまでしておいて、ずば抜けてテンポが良いことに恐れ入る。凄まじい大名作。
これは傑作。基本的に男女4人の会話劇が中心なんだけど、マンブルコア的なアドリブ劇になっていて、その「生の会話」が心地良い。キャスティングも絶妙。言葉だと伝えきれない感情やニュアンスを再現している。あと>>続きを読む
マンブルコア出身の人たちの作品は追いつつ、マンブルコア作品自体は全然見れてなかったことに気づき。ジョー・スワンバーグ監督作は初めて。二つの並行するエピソードで、それぞれの会話が次のカットに重なりオーバ>>続きを読む
キャット・スティーヴンスは永遠。ハル・アシュビー個人的にはやはり編集の人なんだなと。『800万の死に様』まで、そのタイトでバッサリ切って次にいく編集がいつも良い。因みにドキュメンタリー『Hal』は日本>>続きを読む
何気初見。めちゃめちゃ不気味な映画だった。人が死ぬ、或いは殺される場面で、人物のリアクションからまず捉えるところとか、一貫性があるし心得てるなと。
フィルム欠落10分間のみ。傑作ショットの数々。このくらいの長さがむしろ丁度いい。
大傑作。殺人シーンの恐ろしさはラングの右に出るものはいない。ドアの開閉で魅せる空間演出。ラスト、主人公にとり憑く呪いはイメージとしても、声としても纏わり付く。
60年代末の時代感、カルチャーが詰め込まれた記録映画。挟み込まれるゴダールの政治パート、ブラックパワー、黒人音楽、ベトナム戦争、ジャーナリズム、ロック。ゴダールなりのカルチャー批評、カルチャーと政治は>>続きを読む
正に『荒野のストレンジャー』の裏表として機能するイーストウッド映画。人の死に際を捉えるショットを外さない。
ノア・ホーリーの長編映画。どんなに評価低くても自分だけは擁護してやるというくらいに期待してみたんだけどこれは…。とりあえず撮影は面白いと思った。けどギミックを使い始めると途端に目的が定まらない演出にな>>続きを読む
素晴らしき傑作『人生は小説よりも奇なり』の美しいラストカットに映りこむ、1日の終焉を意味するあの光が今作のラストカットにも。ただ今作は全体的に、ドキュメンタリー的な生々しく揺れるカメラはほとんど無く、>>続きを読む
凄いな。郵便局の彼女と出会うところの主観ショット、カフェでのピント術、目があった瞬間の高速切り返し。撮影と編集で、心理的に引き寄せあっていく視線の交差が切り取られる。愛し合う場面のモンタージュ、亡骸の>>続きを読む
自身もゲイを公表しているグレッグ・バーランティー監督が、ウエストハリウッドのゲイコミュニティの人々の日常を描く。ある種『LOVE サイモン』の源流にある映画だとも思うし、彼自身の友人たちをモデルとした>>続きを読む
徹底して競技としてのレースを映す。スプリットスクリーンの多用、情報量の過多。ラストの苦い後味まで劇渋な傑作。
面白い。病院の廊下の向こうから人が歩いてくるショットの異様さが忘れ難い。ちょっと長い感じはする。
長門裕之の小チンピラ感が素晴らしい。今村昌平の中でもかなりコミカル。最初の街の写し方とかめっちゃいいなと思ったが、それが豚に埋まるクライマックスが待っていて最高。所々で垣間見せるアイロニーもブラックで>>続きを読む
全然覚えてなかったから見直してたけど、やっぱリンチの中では普通だと思う。
冷たいウディ・アレン映画。その漂白さと静寂はアレン映画の中では確かに新鮮ではある。『マンハッタン』でキートンに過大評価と言わせてたベルイマンを意識した作品だが、その意識はもうちょっと薄くても良かったと>>続きを読む
撮影がとにかく美しい。『アンダー・ザ・シルバーレイク』ってヒッチコック文脈のリンチ、デ・パルマって言われがちだけど、それは表層のオマージュだけで実は、アントニオーニ文脈のリンチ、デ・パルマなのではって>>続きを読む
家族が家に到着してからはほぼホラー。登場の時点でなぜか血塗れのライオンが怖すぎる。絶対裏でなんかあっただろ。