このレビューはネタバレを含みます
こういう映画だったのか。割と期待はしていた。今作は、その結末がわかっていても、それをしてしまう、という行動原理、そしてそれすらもできないことがどれだけ辛く痛々しいことかを描く。それは映画の構成もそうで>>続きを読む
成瀬巳喜男が撮る男女2人が横並びで歩く図のヤバさはなんなんだ。ラスト、死にゆく女を見て回想する男の頭の中の映像。『乱れる』では、自分を好きだった男が死んだのを知った女の表情を映していたが、その残酷な対>>続きを読む
ほぼモンスターホラーなのだが、『オーメン』と同じ運命を辿りそうになる父親の行動の読めなさ、不穏さが緊張感を保ち続ける。ラストの暗闇とかカッコいい。
デイモン・リンデロフ脚本作。仕事としては『ウォッチメン』の前か。完全に片手間で書いてこのクオリティを出せる余裕っぷりを感じる。近年の映画だと正に『US』とかを連想するテーマだが、視点が常に移り変わって>>続きを読む
ジャーロ映画らしい雰囲気から(60年代にアルジェントのジャーロ映画でスコアをつけていた)モリコーネのスコアが効いている。ぶっちゃけサスペンスの面白味はあまりないが、ベルモントの体を張ったアクションだけ>>続きを読む
テーマソングが頭から離れない。プールの件、花火の件がくどすぎるくらいコント喜劇すぎて凄い。ベルモントの身体性、動きが完全にルパン三世で納得する。クライマックスの真っ二つになる車、自由の女神も。
ジョー・ジョンストン。『キャプテンアメリカ』のプロトタイプのような作品だが、かなり面白い。全編アイデアと活劇性に満ちていて、ハリウッド映画史を覗き見る映画にもなっている。
これはかなりイマイチだが、後のルッソ兄弟作品はドラマシリーズも含めて片っ端から面白い。悪いソダーバーグ制作作品という感じ。
名作とされ過ぎていて見てなかったシリーズ。ぶっちゃけキューカー映画の中でもイマイチなのでは。ヘップバーンの演技がわりときついとも思ってしまった。ミュージカルシーンはしっかりしてるし、女優のドレスアップ>>続きを読む
基本的にはあんまり面白いと思わなかったんだけど、ヒロインに風車(?)のおもちゃ渡すところとか、バイクのシーンとか、所々良いシーンはあった。長回しはいいけど、あのやたらにブレるカメラはわざとなのか。正直>>続きを読む
バカ面白い。籠城ものの傑作。ゼメキスとボブ・ゲイルの細部を生かした脚本が冴える。キューブとアイスTの主題歌もかっこいい。
先々に青山真治の作品苦手と言っておいてなんだけど、これはとても良かった。独特な撮影と編集で不気味さを超えて幻想的な領域に入っている。視線の捉え方も、主題が故にしっかり撮られてて良い。モノローグも予測不>>続きを読む
これ意外にも『セックスエデュケーション』の源流にある感じがした。当時としては恐らく一番参考にしてるのは『天才マックスの世界』。題材に対しかなり軽い映画ではある。
再見。アメリカンコメディのお手本的な面白さが詰まった映画だと思う。セス・ローゲンとザック・エフロン、デイヴ・フランコがあちらこちらで青春の対比、大人になりきれない大人の対比になっていて素晴らしい。その>>続きを読む
まあまあ良かったけど、街映画として、もう少し魅力的なショットが撮れたのではという疑問は残る。スローになったり、ズームになったりするたびに映画の時間が止まる。『ラヴクラフトカントリー』でお馴染みのジョナ>>続きを読む
青山真司、『東京公園』みたいな感じかなと思っていたが(あれは青山作品の中ではいい方だと思う)全然違ったな。正直相変わらず良さがさっぱりわからない。全ての演出が、うまくいってないわけではないが、驚きもオ>>続きを読む
所々面白い場面もあるが、基本的には「北野武の方が100倍魅力的に撮れる」場面で構成された映画。
この映画のウォーレン・ベイティ、ボージャックホースマン感あるな。ゴールディ・ホーンも最高。ハル・アシュビーにしてはカットつなぎとか、随分落ち着いている印象。でも傑作。ところで俺は1968年が舞台の映画>>続きを読む
まるで初期のサイレント活劇のような身体性を発揮する柄本佑。モブの社員たちの動線。
こんなリアルタイム性ある映画=ジャーナリズムをやった人いるのだろうか。相変わらず品はないが知性と現実に溢れている。やっぱりドキュメンタリー性の方が強くなってるのかと思いきや、前作と同じくらいドラマも盛>>続きを読む
話が面白い。出鱈目でどうしようもない人間が、右往左往し、絶望したり一発かましたりする話は大抵好き。
面白かった。主人公の元消防士のヒットマンは身体障害者であるが、人生の全盛期が過ぎた落ちぶれた中年男の悲哀としても素晴らしい。身体障害者の描写の描き込みは徹底していて誠実。エンタメに落とし込む絶妙なリア>>続きを読む
超絶。面白すぎる。痙攣した。これと『お早う』と『大人はわかってくれない』と『リオブラボー』と『甘い生活』と『最高殊勲夫人』と『悲しみは空の彼方に』がある1959年っていう年やばいな。
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4時間で圧倒されるが、テレビで見てれば凄いと思っただろうな。多分今作の浮世は『寝ても覚めても』の朝子に近くて、彼女と他の者たちはいつでも鏡像関係になり、いつでも誰かにとっての正体不明の人になる可能性が>>続きを読む
良い映画だと思った。スパイク・リーからの影響がすごいけど。『シーズハヴガッタイット』に全編溢れてる。モノクロの質感がめちゃ良く、撮影が丁寧。彼女の人生が色づいていくラストまで、オフビートに笑わせてくれ>>続きを読む
オットー・プレミンジャー面白い。『バニーレークは行方不明』同様、クライマックスのあげ方が抜群。死んだ女に恋をする刑事、無意識で邪悪ではないファムファタール。
もうこれ以外何もいらないほど傑作。退屈が表現されるスローな身体表現(ブリッジ、踊り、体操)の素晴らしさ。街からの脱出ゲートを通るための小銭すらない。気怠さ=カッコよさは正に自分の中でのオルタナインディ>>続きを読む
全然よくできてると思うけど、流石に長かった。いくつか要らないエピソードはあり。少年の視点で、基本的に描かれていくが、彼が立ち会っていない場面でも、ユダヤ人に対する虐殺行為はしっかり写し、その場面だけは>>続きを読む
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実はやってることは『CURE』と同じ。イメージが伝染していき、社会から外れていくのは、世界が狂っているから。今作のイメージはまさに映画(フィルム)そのものである。今作の高橋一生は、まさに『CURE』に>>続きを読む
劇伴やらロバート・ショウやらは良い感じだけど、トニスコの方が倍は面白いな。
強烈なショットの連続だが、終盤にかけては完全にホラー的な演出を放棄していて、抽象的なムードに吹っ切ってるあたり逆に異質。猿がすごい。
終盤ボギーがある選択をするところの演技の不穏さは、彼の真骨頂って感じ。常に暴力的な空気を纏っていて、いつ発動されるかわからない。映画としてはヒロインのキャラクターが弱いのが致命的だと思う。