遺伝子操作で飛行能力をもった新種の肉食魚が、
多くの観光客が訪れているカリブ海のリゾートに現れ、
次々に人間に襲い掛かってくる。
この本筋の中に、適当な人物のエピソードを混ぜ込んでお話は進行するが、>>続きを読む
誰が何と言おうと、私の007シリーズの№1は本作なんです。
まずオープニングに流れる、カーリーサイモンの歌う“Nobody does it better”が最高にいい。
雪山のアクションシーンから、>>続きを読む
60年代の若者たちは怒っていた。
70年代に入って怒れる若者たちは挫折していき、歪んだ衝動を内に秘めていった。
80年代に入って若者は怒ることを忘れ、築き上げたものではない好景気に酔いしれて次第に>>続きを読む
いたずらに性欲を煽る作品ばかりではなく、こんな傑作も埋もれているから、日活ロマンポルノは油断できない。
昼間はガソリンスタンドの店員、夜は新宿歌舞伎町のぼったくりピンクサロンの店員として働いている二>>続きを読む
黒澤明監督の痛快娯楽時代劇がリメイクされていたのは知っていた。
未見でしたが、今回配信サービスで本作を発見、鑑賞してみたのだが、こんなに怒りがこみあげてくるほど酷い作品は久しぶりだ。
オリジナルの改悪>>続きを読む
怪談の定番である化け猫と風俗の定番であったトルコ風呂(説明不要だと思いますが現在のソープランドね)を合体させてヒットを狙った東映ポルノの一篇です。
東映ポルノなので、5分に1回くらいのペースで濡れ場>>続きを読む
『シェルブールの雨傘』(1964)の、ジャック・ドゥミ監督、カトリーヌ・ドヌーブコンビによる、男性が妊娠してしまうというナンセンス・ロマンティックコメディです。
ドヌーブの相手役で妊夫役をマルチェ>>続きを読む
名作の誉れ高い作品でも、若いころにはピンとこず、いまいち理解できなかった作品ってありますよね。
私にとっては、本作がまさにそうで、アカデミー作品賞受賞の感動作ということで、公開当時、期待値をMAX>>続きを読む
ニューヨークに実在する芸能専門学校をモデルに、そこに通う人種・学歴・貧富様々な若者たちの情熱を描いたアラン・パーカー監督の傑作。
数百もの学生の中から、Fame(名声)を得ることができるのはほんのわず>>続きを読む
当時、人気絶頂だった小泉今日子主演のアイドル映画。
ライブシーンもあるのだが、
ストーリーはありふれた難病もので、出来栄えは感心できるところまでいかない。
でも、
「人間は泣きながら生まれてきて泣きな>>続きを読む
はじまりはありふれた夫婦喧嘩。
離婚騒動に発展し、夫婦二人とも邸宅に残ったために、中では本当に戦争状態になってしまうというブラック・コメディ。
狭い空間でのやり取りをあの手この手で見せていくあたりは、>>続きを読む
ウォルター・ヒル監督の敵中突破物の佳作。
ストリートギャングたちのリーダーを殺したという濡れ衣を着せられたウォリアーズの面々が、夜のニューヨークを逃亡する。
公開当時、本作に触発された若者たちが実際に>>続きを読む
陪審員を題材にした作品では、
『十二人の怒れる男』(1954)が有名で名作ではあるのですが、
『十二人~』のラストが割とスッキリと終わるのに対して、
こちらの方はモヤモヤが残り、
鑑賞後により深く考え>>続きを読む
面白い!
時代を鮮やかに切り取った、
華麗なる喜劇。
赤線洲崎のバス停でバスを降りる一組の男女。
人生お先真っ暗の二人が、
それぞれ別々に自立しようとするが、
結局二人はまたもどってしまう。
男と>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
巷では割と評判が高かった、ジェラード・ジョンストン監督によるSFホラー作品ですが、私にはあまりにも既視感が強く、のめりこめない作品でした。
高度に発達した人工知能が人間に反乱を起こすというテーマは、>>続きを読む
クスリと吹き出したり、ニヤニヤしたことは数えきれないほどありますが、映画館で声を出しておなかがよじれるくらい笑ったのは、エディ・マーフィーやチャップリン、ましてやバスター・キートンでもなく、ジョン・ベ>>続きを読む
日本映画でもタブーなしのこんなに毒のあるコメディ作品があったんだという驚き。
映画的には不器用ながら、他の作品にはないオリジナリティがあります。
原作は筒井康隆の小説とのこと。
映画化は絶対に不>>続きを読む
監督がオウム真理教のドキュメンタリー『A』(1997)などを作った森達也だから、メッセージ性が強くなるのは当然だろう。
そこにあるのは、天皇陛下偶像化の破壊、社会主義思想弾圧への批判、被差別部落問題>>続きを読む
生体実験をした医師たちの行為は、
果たして悪であるのか。
米軍による、非戦闘員に対して行われた、
無差別殺戮である爆撃行為は罪に問われないのであろうか。
物語は実に深い部分まで切り込んでいきます。>>続きを読む
ヴィスコンティ監督でしか撮れない耽美的破滅映画の傑作。
夢の中で見た永遠の美が目の前に現れ、
触れたら壊れてしまう輝きを胸に抱いたまま神と魂の交換をする老教授。
奥行きのあるすべての構図は限りある人生>>続きを読む
ニューヨークを舞台にした、
とても素敵な佳品です。
リチャードとポーラ。
喧嘩ばかりしている二人だけど、
雨の屋上で二人だけのパーティーで心を通わせる場面が、
とてもいい。
翌朝、その幸せに不安に>>続きを読む
『E.T.』や『インディー・ジョーンズ』で商業的大ヒットを飛ばしたあとに制作された本作に、
批評家たちは、「娯楽系作品から感動系作品を撮って賞狙いが見え透いていてあざとい」と感じていたとかいう。
ま>>続きを読む
このタイトルを聞いて、
♪ウォンチュ~と条件反射的に口ずさんでしまう人は、
少なくとも40代後半から50代以上だと思う。
それほど一度聞いたら忘れられないメロディとタイトルであります。
いかにも80>>続きを読む
多国籍都市となった1990年の新宿歌舞伎町を舞台にした、全共闘世代への挽歌ともいうべき若松孝二監督の一篇です。
全共闘時代には体制側と戦った面々も、今や公務員や出版社社員、予備校の講師などとして、>>続きを読む
70年代後半、
一瞬の輝きを放った女子プロレスのスター“ビューティー・ペア”。
彼女たちの青春時代からプロレス入りのきっかけから、
ビューティー・ペアとしてタッグを組み、怪我などのアクシデントに見舞>>続きを読む
本作は、主人公ハナを演じる田中裕子の演技が凄い。
ハナはいわゆる売春婦なのですが、少年の小野寺に見せる微笑みは天女のそれです。
彼女の何気ない仕草に、少年は心が高ぶります。
優しい目つき、タバコ>>続きを読む
意外と点数が高いなと思われる方もおられるかもしれません。
ストーリーは単純でも、変な混じりっ気がなく健全な作りが私はとても気に入ったのです。
ローラースケーターが集まるアメリカ西海岸ヴェニス・ビーチ>>続きを読む
舞台は基地の街横須賀。
戦後の混乱期、まだGHQが徘徊しているころ。
この街にうごめく欲まみれの小悪党たち、
そんな人間の姿を赤裸々にコミカルに描いた、
今村監督が言うところの重喜劇。
ひとりの女性の>>続きを読む
とにかく、イザベル・アジャーニが綺麗。
物語の序盤では、
いかにも良家の娘、小奇麗な装いだが、
後半、下宿を出た後、次第に狂気じみていくところがすごい。
焦点の合わない目つきで、
中尉との最後の再>>続きを読む
本作は、ディレクターカット版や特別完全版などいろんなバージョンが存在し、いずれのバージョンも劇場観賞していますが、その中でも1980年の春に観賞した“不”完全版が一番好きだ。
いろんなトラブルに見舞わ>>続きを読む
ジェンダーの観点から最近では禁句になりつつある「男らしさ」。
この意味をこの作品は教えてくれる。
決してマッチョの強い肉体だけが男らしさの象徴ではないし、
かたや、知識をひけらかしているだけでもいけ>>続きを読む
制作された年が1970年。
ヒッピーにバイク。
そして、邦題タイトル。
どう好意的に受け止めようとしても、
あのアメリカンニューシネマの先駆けであり名作と言われる、
『イージー・ライダー』(1969>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
当時東映の社長だった岡田茂が、
ニューヨークで、ウォルター・ヒル監督の『ウォリアーズ』を鑑賞して触発され、日本でもそのような先駆的な若者映画を作ろうと思い立って出来上がったのが本作です。
いやあ、こ>>続きを読む
90年代女子高校生の生態を風俗的興味で描く、庵野秀明監督作品。
12万円の指輪を買うために援助交際をすることに対する自問自答を描いています。
手持ちカメラを多用したブレの大きい画作りは、女子高生心理の>>続きを読む
『明日に向かって撃て』で壮絶に散ってしまった、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの前日壇。
『HELP』などのビートルズ映画でおなじみのリチャード・レスターが、優れた映像感覚を見せる。
雪の中、血>>続きを読む
リメイク作品の宿命。
オリジナル(七人の侍・黒澤明監督)とどうしても比べてしまいます。
本作は軽快で爽快であるが、オリジナルにある心に響く感動はない。
七人のガンマンたちと七人の侍たちの背負っている>>続きを読む