ふかいさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.4

子供の取り違え、クィアの文脈と墓を掘り返すという歴史継承的なテーマが自分の中で全く噛み合わず困った。

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

序盤と終盤の故郷パートがいくら何でもつまらなすぎ(自分がコスチューム劇苦手なだけ?)
バリーコーガンが出てきたあたりから画面も引き締まっていき、「雨月物語」さながらの川沿いの撮影とオカルト精霊パートは
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

3.7

「演技をすること」についての主題を追求した劇映画としての究極形「トスカーナの贋作」を先に見てしまっているからか、こちらで描かれているのはよりリアルであるにもかかわらずあまり響かなかった。ただ試みとして>>続きを読む

ワイルドツアー(2018年製作の映画)

4.3

素晴らしい。。iphoneで撮ったブレブレの映像とフィックスショットが混在し、リアリズムとフィクションが融合していく。「きみ鳥」と同じ男2女1構造で、3人でわちゃわちゃしているところの現実感と幸福感が>>続きを読む

水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

4.4

口に水を含んで親友とビズ(頬と頬を寄せ合う挨拶)の真似事をするあの空間、好きな人に変な服を着せられてキャッキャしているあの空間には男性は存在しない。「燃ゆる女の肖像」における召使の堕胎、「秘密の森のそ>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.2

ヒロインのキョドり演技がリアルすぎて凄まじい。5,6人で喋ってて会話の輪に入れないので隣の人に小声で話しかけるけど軽くあしらわれるとかリアルすぎ~皆が値踏みしあって他人をどこかで見下そうとする社会なん>>続きを読む

ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

レズビアンとゲイの二人組の表象は良かった が結局女性の方が男性と付き合って丸く収まるという構図は危険性を孕んでもいるかなとも思う バイセクシャルだとしたら何も言えないが

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

4.1

誰もがあっと驚く10分にわたる長回し(長泳ぎ)はユニークだが、随所にアジア映画へのリスペクトが見受けられる。借金取りがレストランに乗り込んで行くところは侯孝賢「ナイルの娘」、賭博場でのヌルッとしたカメ>>続きを読む

his(2020年製作の映画)

2.3

宮沢氷魚が村民の前でカムアウトする場面をわざわざ描いた加害性…と思ってしまった、「そばかす」もそうだけどこの脚本家人物の描き方が一面的すぎる、薄っぺらい
今泉力哉は監督というよりシナリオライターとして
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.2

悪趣味要素が先行していてこれは好きじゃない。ここから「ロブスター」までに凄い円熟したのだなあ

娘・妻・母(1960年製作の映画)

3.4

小津の登場人物が他人の結婚相手ばかり考えている一方、こちらは遺産のことしか頭にないドライな家族。成瀬の中だとこの辛辣さは「稲妻」に近いか。豪華すぎる俳優陣をいまいち活かしきれてない感。団礼子の明るさと>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.2

「イニシェリン」のコリンファレルとバリーコーガンコンビを見てたらやはり見返したくなった本作。主題については特に語る気も起きないがやはりこちらも映画として見たことないものを見せようという気概が十分に伝わ>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

素晴らしい。どこに連れてかれるかわからないワクワク感。長年の友達から急に無視されるようになった主人公、その理由は明かされないまま話が進み、ようやく口を開いたかと思えば「お前は退屈だから話したくない」と>>続きを読む

秋日和(1960年製作の映画)

4.8

あらゆる構図と色使いが完璧すぎて目がとろける。複数人がこちらに向かって歩いてくるだけでなぜこんなに画になる?ハイキングの3カットは凄すぎて目眩が。紺碧の空歌ってウザがられる娘、屋上から見える無数の赤い>>続きを読む

山の音(1954年製作の映画)

3.7

山村聰の老けメイクの手の凝りよう。終始「ニコニコ」を強いられる原節子は「東京物語」ほど感情を抑制せず、上原謙を見つめる顔などモロ仏頂面で素晴らしい(山村聰が「緒ずれ」のつまらない話を延々に聞かせるとこ>>続きを読む

(1953年製作の映画)

3.7

外国かぶれの美術家?を演じる三國連太郎が効いてる。常に「旅行したいなぁ~」「フランス行きたいなぁ~」などとダラダラ呟きながら、実は上原謙の浮気現場を目撃してそれを妻に告げ口するなどという姑息な真似をし>>続きを読む

スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

4.3

8年ぶりくらいに見返したら印象180度変わってて驚いた。当時よりホモソ映画への耐性は無くなってるはずなのにとても好意的に見れたのは、女性を客体化して蔑むことは主人公達の近すぎる関係をギリギリ友達のまま>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

脚本の精度は言うまでもなく、名女優達の演技合戦として観ても素晴らしい。相手弁護士の悪人とは言い切れないまでも潜在的なミソジニーが溢れ出ちゃうところとかキツいよなあ。AppleTV「ザモーニングショー」>>続きを読む

流れる(1956年製作の映画)

3.2

成瀬の世間で言われている代表作はやはりあまり好みではないのかも。トップクラスの女優揃い踏みなのにそれを活かしきれてない感。杉村春子が泥酔して舞を踊っているところと、田中絹代が隣の家から蕎麦を受け取るシ>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

4.3

冒頭の遠くに見える灯台、手前に置いてある瓶という遠近感のある構図から手の凝りようが物凄く、単なる風景ショットでも手を抜かないどころかむしろそこにこそ力を入れているのではないかと思わせる。
老人だらけの
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.8

道行く先で出会うのは古くからの知り合いや、その場で出会った人などそれぞれ。
「俺は何を言ってるんだ」と我に帰るまで一方的な言葉を発し続ける彼らと、聞き手に回るヒロインの存在。そんな彼女が唯一身を預け、
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モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.1

モノクロの雪景色が物凄く美しい。モードと一緒に過ごす夜は「街の上で」にもう少し性的な匂いを足した感じか。フランソワーズの当惑した顔で全てを解らせる安心感。ここでも男がモノガミーに拘るのに対し、女は「愛>>続きを読む

ロミーとミッシェルの場合(1997年製作の映画)

4.3

こんな感じの設定だったら一生観れる的映画。冴えない学生生活で誰からも注目されてないと自分達は思っていても、他者の思い出の中にしっかり自分達は存在していたんだと再確認する展開がとても素晴らしい。「ブック>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.8

正直2年前劇場で見た時は、主題的にも形式的にもパッとしない映画だな~と言う風に感じていたのだが、見返してみたら今の自分にとって究極の精神浄化映画になってしまって驚いた(映画の見方も思想もこの2年で大き>>続きを読む

殺人捜査線(1958年製作の映画)

3.9

冒頭のタクシー激突以降は静かな展開が続くのでやや退屈だが、スチームサウナの件からサスペンスが増していき、執事殺しの撮り方の美しさと、日本人形にヘロインを塗りたくるという予期せぬ行動のおかしさと、車椅子>>続きを読む

やくたたず(2010年製作の映画)

3.7

3人がわちゃわちゃしてる後ろで電車がバーっと通るショットとかもろ「ケイコ」に受け継がれてるし、集合写真のセルフタイマーがうまくいかないところも同じ(元を辿れば「東京物語」の構図)
車を奪われたところか
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.3

高校生ぶりの再見、劇場は初。
坂本龍一のクッキリ二重が劇場で見ると倍すごい。たけしのクローズアップで始まり終わる円環構造。
裁判のところの坂本龍一とデヴィッドボウイの切り返しから俳優の顔力が物凄い。
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クレールの膝(1970年製作の映画)

3.8

映画の中盤までクレールを出さずに会話の中でだけ登場させる焦らし構成が上手い。ここでも男は「道徳に反する」とか何とか口にしてた。元カノへのマウンティングをしてるつもりが自分が欲に踊らされるだけだったとい>>続きを読む

愛の昼下がり(1972年製作の映画)

3.6

こちらもポリアモリー研究として惹かれる主題。例によって男性側が「一夫多妻制は野蛮」「今の社会ではこうする(妻だけを愛する)しかない」とambiguousなルールに縛られている一方で女性側は「寝たい人と>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

3.8

同じロメールでも撮影によってこうもルックが変わるのか。丁寧なフィックスショットと壮観なロケーションで繋いでいく上質な作品。
ポリアモリー研究を自主的に行なっている身としてはアイデの言動は興味深い。男側
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モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

3.6

後期ロメールとはやはり異なるカメラのダイナミックな動き、ジャンプカット、ズームの多用が若々しい