オオイタさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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映画として描くべきシーンを一切省いたことで、映像の美しさを極限まで際立たせるというある種の暴挙。90年代のJ-POPを映像化したらこんな感じ(PVと言う意味ではなく)なのだろうと思わせる2021年の問>>続きを読む

今年の恋(1962年製作の映画)

4.5

人間の可笑しさが詰まったロマンティック・コメディの傑作!多分、坂元裕二作品が好きな人はハマるはず!

若き日の田村正和(イケメンすぎる)が冒頭で複数の同級生から言い寄られて、「憂鬱なんだから話しかけな
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

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フローレンス・ピューとデヴィッド・ハーバーが良すぎる....!「海へ魚を釣りに行ったら手を水面に浸してしまい、凍傷しかけた瞬間父親が放尿してくれたおかげで難を免れた。父親とはそういうものだ。」って割と>>続きを読む

コミック雑誌なんかいらない!(1986年製作の映画)

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ゆうて今も昔も変わってないメディアの体質。話の内容より昭和の有名人が出まくりで楽しい。

特にふっくらしてた頃の片岡鶴太郎が、今と見た目が全く変わらない片桐はいりとNo.1ホステス郷ひろみの前で『哀愁
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ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

本作の強度(というか日本ヤクザ映画)はPTSDやトラウマの描写を一切入れることなく、「今ここ」で起きたことを淡々と描写している点だろう。だから90分という短時間で死の匂いを十分に漂わせつつ、最後の夏休>>続きを読む

ラフ・ナイト 史上最悪! ?の独身さよならパーティー(2016年製作の映画)

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ありがちな海外コメディの要素を前半にぎゅっと入れて、後半はサスペンス要素を交えることで変調させた意欲作。もちろん全編笑えます。

あと5年くらいしたら今仲良くしてる人たちとも向かってる方向性全然変わっ
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

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正直に告白すると、ジャームッシュ作品は何作か観ていて嫌いではないけど、多くの人が熱狂する理由までは計りかねていた。

そんな時に観た本作と、今喫茶店で読んでいるパンフレット。早くも次のジャームッシュ作
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

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若者と大人の青春が等しく描かれる。
未熟が故の悩みと成熟が故の悩みも同じく。

困ったら行くプールサイド、初期衝動で組むバンド、それを彩る食事。

最後サニーデイ・サービス『甲州街道の十二月』が流れた
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PASSION(2008年製作の映画)

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あの本音ゲームで本音が話せるくらいならみんな苦労しないよね...

クレールの膝(1970年製作の映画)

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ひっどい話。だけど自分がいかに変態かというか非難されるべきことをしているのに、周りにいる人たち(大人)が特に諭すこともなくある程度肯定される。結果、勘違いを起こしてしまうことは第三者から見れば滑稽だけ>>続きを読む

紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

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Duke Jordan『Flight To Denmark』のジャケットのように雪景色をバックに黒ずくめの出立ちが良すぎて、なんなら室内に入らないまま話していて欲しかった。そしたらステーキ食してからの>>続きを読む

就職戦線異状なし(1991年製作の映画)

5.0

バブル期の売り手市場の就活とやらを観てやろうと軽い気持ちで観たら傑作すぎて....

この時代だったら軽くおふざけのように作ってた箇所が、今は全く笑えない状況(本質は何も変わってない)になりつつ、それ
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

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ナードな青年からはじまり、マンハッタンの夜、無意味なダンス、海、拳銃、そこにイカれた友達。好きなものが詰まっていた映画。退屈になるかならないのとこで意外と矢継ぎ早な展開になる編集の妙を感じたり。ジャー>>続きを読む

フィオーリ、フィオーリ、フィオーリ!(2020年製作の映画)

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ルカ・グァダニーノ監督が思ってたより明るい雰囲気だったのと、脚本家の言葉、切り取る世界が垣間みえたのが印象的。

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(2021年製作の映画)

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「映像が前衛」「シュルレアリスム映画」などの言葉で、流石にアニメを観てこなかった自分でも気になって予習した上で鑑賞したが、自分はとことんアニメオンチでノレなかった。観賞後はなんだか悲しくなった....

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

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オチはこうなって欲しいと思った、その通りになったからとても満足。途中まで流れてた実験音楽的な雑音(主人公の混沌とした心内描写か)と、後半微妙なメロディを奏でるサックスの音色が混じり合って、それがNYな>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

5.0

久しぶりにずっと偏愛したいと強く感じる作品に出会えた!

正統派SFだし、シュールなコント(小ネタが異常に秀逸)だし、なのにちゃんとしっかりとたしかに人間ドラマだし。

真面目でバカバカしい作品はいつ
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逃げた女(2019年製作の映画)

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正直楽しめたとは言えない(ホン・サンスは観れば観るほどハマるとよく言われるがハマりきる日は果たして来るのかと不安)けれど、微妙にずっと不穏で良かった。ある先輩にはコーヒー美味しいですと言って、(より気>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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観た人によって各々心揺さぶられる、音楽LIVEと映画の良いところを掛け合わせた大傑作。

ある人は箱庭的な治療として、彼らに"救い"のようなものを求めるだろう。またある人は終盤、客席にクロースアップし
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小悪魔はなぜモテる?!(2010年製作の映画)

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この映画が10年前に公開されたことが信じられない!まさに今観るべき映画じゃないか!改めてエマ・ストーンの出演する作品の卓抜したセンスに度肝を抜かれた。

邦画とポスターのせいでB級学園コメディにしか見
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クルエラ(2021年製作の映画)

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祝シネコン再開とのことで、グランドシネマサンシャイン朝一で鑑賞。よくよく考えると洋楽エンタメ大作を映画館で観たのは『TENET』以来かもしれない。作品の出来は置いておいて、それくらい華やかさを帯びた作>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年製作の映画)

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あまりにも完璧なオープニングだった結果、残りの2時間30分はオープニングの補足映像としか思えなかった、もちろん良い意味で。拳銃と蒸気機関のロマンスに魅せられる気持ちが痛いほどよく分かったし、顔で演技す>>続きを読む

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K 完全無修正版(1975年製作の映画)

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真剣に観たつもりで、観賞後はかなり疲れたけど、えじゃあ結局なんですかと問われたら、なんだろう、となってしまった。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

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お金なんてなくても友達がいれば人生は最高におもしろい(たとえそれが8割話が噛み合わないやつだとしても)という古典的な教訓、それはどうしても大人になればなるほど忘れかけてしまうもの、を思い出させてくれる>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

5.0

ゴダールの成熟とその中にある余裕までも見せつける傑作。全編流れる音楽とセリフが映像とズレることでもたらす緊張と快楽。なによりそれを支える構図がきまりまくってるので目を離す隙を与えない。

余談だが海の
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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

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父親を許すか許さないの2択ではなく、許してしまうに帰着させるまでの葛藤が淡々と描かれ、随所にクスッと笑えるシーンもあり、上質なドラマだった。弟が2種類の薬を差し出し、「片方が気分が上がってもう片方は下>>続きを読む

ダーティ・ダンシング(1987年製作の映画)

5.0

映画館にはいつも素敵な作品を観せてくれてありがとう....と思ってるのですが、本作のリヴァイバル上映は+🥺😭🙏ってくらいの感謝です、本当に。多分家で観てたら「ストーリーベタだけど音楽いいしまあまあかな>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

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神聖化もヤバいけど、同化の強度ってハンパないな。たまたまだけど昨日図書館で映画本を物色してたら『崇拝からレイプヘ―映画の女性史』というタイトルを見つけて、字面の強さが脳内残ってたけど、まさに本作のこと>>続きを読む

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

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村上春樹の短編を完璧に実写化したらこんな感じだと思ったら、村上が自身のラジオで本作を紹介していたらしく、非常に説得力しかない。ナードな大学生が好きな子とすれ違うために毎昼散歩して、昼食を同時に取ろうと>>続きを読む

ベレニス(1954年製作の映画)

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ロメール作品にもこんな暗い作品があるのかと新鮮だった。

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

5.0

結末に近づくごとに沢田研二が「悪」ではなく、「もうひとつの正義」として描かれ、「決断すること」から「決めないこと」へと変わる社会を予言した奇跡の一作。

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

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ゴールデン用のアンパイなメロドラマを作ってる最中に酒を飲み始めて「もしかして俺って無敵?」と思いながら書き進めた脚本をそのまま映像化した感じ。つまり最高。

猿とオウム出したのは、檻に入れる際に「Sh
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老人Z(1991年製作の映画)

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お気楽ギャグアニメかと思ったら、傑作すぎてビビりました....先日観た庵野秀明のドキュメンタリーで繰り返し「映像として面白いものを」と言っていたが、本作はストーリー云々の前に映像として、圧倒的に面白か>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

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非情な暴力を引きで撮るやばさ!!本当の恐怖や不条理は物語的ではなく、そして身近に潜んでる。とても怖い作品だった。

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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みんなを楽しませるようなエンタメ映画ももちろん好きだが、自分のかすかで確かな記憶を手繰り寄せるようなパーソナルな映画にも心惹かれてしまう。

特に何も起こらない風景でも、高級車でひたすら回るだけのファ
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