オオイタさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

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心に深く刻みこまれても、その辛さから2度と観たくない作品のことをトラウマ映画と呼ぶが、本作はまさにそれだった。音楽をやってる身として、こんな恐ろしいことがあるのか、と。ただ本作は音楽をもう2度と聴けな>>続きを読む

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

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キャストの豪華さと使い方が反比例しているような映画は大抵好きなのだけれど、この映画も例にもれず好きだった。監督は絶対いろんなことを考えまくってるだろうにそれを煙に巻くようなカラフルな映画を撮ってしまう>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

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会話劇のその会話の部分がしっかりとパンチラインの連続で、加えて主演2人のバディっぷりがとてもよかった(清原果耶はこんな役もできるのか...と感動、成田凌はイケメンだけど冴えない役の最高峰)ので、それだ>>続きを読む

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

いやまじで、これはやられました。最初はとんでもない始まり方から、自身のポルノが流出してしまった主人公が街中を歩き回る様子が、なんとなく『5時から7時までのクレオ』みたいだけれど全くおしゃれさはなく、コ>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

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新宿の歌舞伎町をあれだけリアルにそしてファンタジックに描いたのだから、「天気の子」とかいうセカイ系に逃げず等身大の青春物語にした方が何倍も魅力的になったのではないか?と思うのは僕だけですか....>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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女性殺し屋を描くならバディという連帯を描くだろうし、殺しと実続き生活も描くだろうしという発想そのものが良くて、それだけであっという間の90分。思うところはあるけど、ディテールで好きなところは何個もあっ>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

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みんなが悪さしてる中でなぜか自分だけ先生に叱られた経験を思い出した。大人への不信感(年齢という意味ではなく)というものを忘れずに生きていていきたい。子育てをしていて子供が言うことを聞いてくれないとむか>>続きを読む

あこがれ(1958年製作の映画)

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あこがれとにくしみが表裏一体であることがとても良い。

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

5.0

何歳になっても人は未熟で、だからこそ他者を理解したいと願い、対話し続けることをやめない。そんな未熟な5人がひとつの時期同じ場所にいた、それだけをこんなに魅力的に描いてしまうのだから(おまけに2時間で)>>続きを読む

プリテンダーズ(2021年製作の映画)

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前半は正直、日本の礼儀や規律重視社会批判がセリフで明示されすぎていて、ちょっと食傷気味だったけれど、後半がとにかく圧巻だった。これは間違いなく怪作だ!(配信だと途中で観るのをやめてただろうからそこ含め>>続きを読む

ハピネス(1998年製作の映画)

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なんとも言えない居心地の悪さ....マグノリアを露悪的にさせた感じ。幸せの定義が法や常識の範囲内で治れば、それを心置きなく追求できるのだろうけど、もしそれから逸れてしまった場合に人々はどう生きてけばい>>続きを読む

ジオラマボーイ・パノラマガール(2020年製作の映画)

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結局岡崎京子原作の実写は(一抹の望みを持って)毎回観てるんだけど、その度にああ....ってなる。前にそのことをバ先の先輩に伝えたら「だから岡崎京子信者は嫌なんだよね」ってディスられたことを思い出した。

アドベンチャーランドへようこそ(2009年製作の映画)

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ジェシー・アイゼンバーグ × クリステン・スチュワート×ビル・ヘイダー×ライアン・レイノルズという今見るとめっちゃ豪華なキャスト。アイゼンバーグはいつもナードな青年役やってるけど、ゆえに毎回美味しい思>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

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鑑賞中、多様性をバンド内に取り入れたスライの先見性(もちろん音楽そのものも)の事ばかり考えていた。ドラマー(グレッグ・エリコ)が白人なことに、周囲にバカにされてたけど実際出てきたらバカうまなの最高。>>続きを読む

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

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また高校生最強映画の傑作が生まれてしまった...原作の良いところを掬い上げて(例えばアニメによる繋がりをより前面化させる)、実写にはできないことは切り捨てる理想の実写化。全編人間の分かり合えなさと分か>>続きを読む

波の数だけ抱きしめて(1991年製作の映画)

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全員が日焼けすぎててまずウケる。それで流し見してたらミポリンがNed Doheny流し始めて、これはまさかと思ったら全編ヨットロックが流れる最高のミュージック映画だった!(ラストはTOTO『Rosan>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

5.0

カットとセリフが洗礼されすぎ。車内で高知と京都と東京のどこが一番便利かみたいな話、実生活で絶対するのに創作物として描けたのすごい。共感できないとの声が多いけれどむしろ共感ベースじゃないところが本作の魅>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

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しょっぱなのバスシーンからアクション気合入ってんなと思ってたら、そんなの序の口で後半訳わかんないほどスケールがデカくなって笑った。みんなが好きな要素全部詰め込みました、みたいな安直さがいいし、笑えるシ>>続きを読む

つぐみ(1990年製作の映画)

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全編流れてる音楽と過剰なほど説明的な語りが止んだ時に大事なことがやってくる。牧瀬里穂と中島朋子、真田広之の顔が完璧すぎていくらアップになっても完璧なままで、記録としての映画の素晴らしさを何度も体験した>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

観てから1週間経ったけど上手く言葉に言い表せない。ただこの作品を観たということが心の支えになっていることは間違いないし、これからもそれが自分にとって大事なことになっていくのだろう。とりあえず免許取りた>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

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事実がたとえ存在していなかったとしても、事実があるように演出して自らを稼働させるというのは健忘症に限らず、多かれ少なかれ人間である以上無意識に行なっているという点で記憶や時間に魅せられてきたノーランの>>続きを読む

摩天楼はバラ色に(1986年製作の映画)

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マイケル・J・フォックス×デヴィッド・フォスターによる溢れんばかりの80年代感!王道なサクセスストーリーなのだけれど、夜寝静まってから各々の部屋に行く(電話がない時代だからこそ)下りとエレベーターを強>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

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ワクチンを打った副作用で朦朧とした意識の中で鑑賞すると余計に狂って見えるし、ラストのグロテスクなまでの恍惚さはモノクロだからこそできた表現。鏡の使い方など細かいカット割の良さに酔いながら、ここまで意地>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

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ゲーム的世界観だからハマれないな...と決めつけていたけれど、途中「Make Your Own Kind of Music」が流れるシーンとラスト格闘からの走りまくるシーンの詰め込み感と溢れ出る多幸感>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

5.0

最近忘れかけてきた高校生時代が劇中リフレインしてきて、大事なものを取り戻した気がする。松本壮史監督の作品は虚構のキャラクターだとしても、説得力というか実際にいる感じがするので、他の人が指摘するようなポ>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

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ドキュメンタリータッチで淡々と描写するからこそ、過去の回想などない分余白の部分を色々想像してしまうし、かといって本編だけで十分の強度を持った作品。原題の意味を知った時、かなりの衝撃が。

めぞん一刻 完結篇(1988年製作の映画)

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作画がなぜかアニメ版とは異なるリアリズム寄りで最初は全く馴染めなかったけど、圧倒的脚本の良さに最後はやっぱめぞん一刻は最高だ....と大円団。エンディングで九条→八神→七尾からはじまって最後は音無(0>>続きを読む

ハニーレモンソーダ(2021年製作の映画)

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捻った感想考えようとして24時間経ったのだけれど、えーなんでしょうか、江の島とみなとみらい私も好きです。

彼女が水着にきがえたら(1989年製作の映画)

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まさかのやりたい放題冒険アドベンチャーで笑った。セリフの古さ、曲の古さ(劇中歌のフュージョン)はひどいにも程があるのだけれど、サザンの名曲がフルでしっかり聞けるのとバブル期特有の後半に多幸感詰め込みま>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

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めぞん一刻みたあとだったせいか、原節子のキャラクターが完全に音無響子で、五代くんと響子さんが結婚するまでの年数(惣一郎さんが亡くなってからの年数)と、本作で原節子が夫を亡くした年数が同じ8年じゃないか>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

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文化系大学生のありきたりな日常である酒、古本、文化祭、恋愛を限りなくノルタルジックにロマンティックに表現したらこうなるのだろう、という1つの最適解。最後、先輩が風邪をひきながら自我と闘う様子が急にテイ>>続きを読む

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

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ちょうど今読んでる本に「和田誠はポストモダンの象徴であるから、一定の世代の人はみんな彼に憧れた」といった文章があって、なるほどこれは憧れたくなる...と感じる一作。脇キャラがあまりにも魅力的すぎて、結>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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目まぐるしい展開はさながらサスペンスだし、笑えるシーンは特にあるわけではないけれどおしゃれな構図が今のコメディっぽい(というか中盤とラストがあまりにもロマンティック・コメディ)。かと言って、詰め込んで>>続きを読む

サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

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泣かせ方がずるい...と思いつつまんまとやられてしまった。音楽好きは喰らいます。

昔のドラマや映画を観て、電話をかけるシーンや入れ違って街中を探し合うシーンなどに(世代でないが故に)憧れを感じるが、
>>続きを読む

走り来る男(1989年製作の映画)

5.0

最初の牛のカットがあまりにも不穏で、これはホラーサスペンスでも観にきたのかと不穏な気分になった(加えてバスに乗ってる時窓から赤い血のようなものが垂れていたし)けれど、最終的にあまりに完璧な路チューシー>>続きを読む