オオイタさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

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ゴールデン用のアンパイなメロドラマを作ってる最中に酒を飲み始めて「もしかして俺って無敵?」と思いながら書き進めた脚本をそのまま映像化した感じ。つまり最高。

猿とオウム出したのは、檻に入れる際に「Sh
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老人Z(1991年製作の映画)

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お気楽ギャグアニメかと思ったら、傑作すぎてビビりました....先日観た庵野秀明のドキュメンタリーで繰り返し「映像として面白いものを」と言っていたが、本作はストーリー云々の前に映像として、圧倒的に面白か>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

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非情な暴力を引きで撮るやばさ!!本当の恐怖や不条理は物語的ではなく、そして身近に潜んでる。とても怖い作品だった。

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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みんなを楽しませるようなエンタメ映画ももちろん好きだが、自分のかすかで確かな記憶を手繰り寄せるようなパーソナルな映画にも心惹かれてしまう。

特に何も起こらない風景でも、高級車でひたすら回るだけのファ
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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各々の街で各々の夜があること。が今考えにくい世の中なのが悲しいけれど、出てくる人の歪なコミュニケーションに癒される。

2つ目のオムニバスでの素晴らしい景色のNYと、乗客を降ろした後の恐ろしげな景色の
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ボーイズ・ステイト(2020年製作の映画)

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本作の一番恐ろしくも魅力的な点は、政治に興味を持った若者たちの行動が、そのまま現在のリアルな政治を再提示しているところだろう。例えば、綱領作成の時にウケを狙らって「宇宙人対策をやろう!」と言うシーン。>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

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ルドガー・ハウアーのかっこよさだけで観られるスリラー。主人公が居眠り運転してたことで、居眠り防止対策委員長が出てきた趣で、何があっても眠らせない!と思うと途端にいい奴に見えてきて、なおかつメタ的に映画>>続きを読む

クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

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途中までこれは設定やギミック重視で中身がないタイプの映画だと思っていたけれど、ラスト夜ヴォーンとの衝突から最後のカットまで"確かさ"が感じられて、なるほどこの映画は強い意志で生まれたのだと理解できた。>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

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今の声絶対筒井康隆だと思ったら、エンドロールでやっぱりそうで嬉しかった。あとバーテンが大竹まことときたろうだとか、そんくらい頭空っぽにして観た。

現実に蹴りをつけるみたいな主題にどうしようもなく魅せ
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ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

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ははーーーん、って感じでずっと観てた。

全然関係ないけど最初の緊急事態宣言出た時、1週間連続で死ぬオチの夢を見たから、なんとなくドニー・ダーコに感情移入できる、とか思ってたけど、やっぱそうでもなかっ
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

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タイムリープの本質を捉えた作品。

何度でもやり直せるということは、現実は一回限りのものであることを同時に強く観客に喚起させる役割がある。また根強く残る黒人差別が時代ごとに様々な運動が発生しても、その
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

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問題提起そのものは現代的で、最も重要な課題の1つであることは間違いない。が、映画である以上、ある種のクライマックスやカタルシスを観客が求めてしまうのは必然で、でもそれを求めることは本作の主題と真逆をい>>続きを読む

ブックセラーズ(2019年製作の映画)

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こういった穏やかなドキュメンタリーを平日の朝イチで鑑賞して、途中でうとうとすることの多幸感たるや!

失われかけてる時間(本作の主題である書籍の衰退ともリンクする)の尊さと、それをなんとしても食い止め
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ファーザー(2020年製作の映画)

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いい意味で本作は詐欺映画だ。というのもポスターを見る限り、認知症の父親とそれを看病する娘の感動作!(ポスターに書いてある“史上最高の演技"がその思い込みに拍車をかけてミスリードを誘う)にしか思えないか>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

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タイムリープ好きとして、コメディなら『恋はデジャ・ブ』、ラスト的な多幸感なら『ミッション:8ミニッツ』を信奉している身なので肩透かしをくらった気がした。

それでも本作を通してアンディ・サムバーグの魅
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モキシー ~私たちのムーブメント~(2021年製作の映画)

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『ブックスマート』で、あ案外こいついいやつだなって思った鈴木福くん顔のニコ・ヒラガが本作では完璧すぎるいいやつっぷりが最高×3でした!!(そう考えるとブックスマートのひとりの中の多面性がしっかり描けて>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

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スクリーンを通して映画を大人数で観る喜びを思い出させてくれた最高の1作。

超長回しは気恥ずかしくも映画史に残る名シーン!!!

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

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これがアニメ表現における最高峰だ!と大してアニメを観てるわけではないのに断言したくなるほどのエモさと熱量...

機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

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戦争に出ること、大人になることと、各々の想いの熱さに胸熱になる。

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

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そういや小学生の頃ガンプラ作ってたしお台場合衆国にガンダム見に行ってたし、けど本編覚えてないな....と思い当たり、鑑賞。

総集編の趣で、連続して戦いが始まるからアムロや連邦軍の成長速度に違和感ある
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ゾッキ(2021年製作の映画)

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鈴木福がつげ義春読んでるのとピエール瀧が出所設定なの笑った。

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

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騙し合いとか衝撃とかの類の映画、あるいはみんな泣いた系の映画はとにかく勘繰ってありとあらゆる空想をしながら鑑賞するので、途中で全て気づいてしまう....(本作も例外ではなく)

大泉洋と松岡茉優の演技
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

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こんなんもうみんな好きなやつじゃん!
豪華キャストと洒脱なクライムコメディー、ガイ・リッチーの初期作感!!たまらん!!!

ミナリ(2020年製作の映画)

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普段全く観ない清々しい家族ドラマだったから胸にきちゃった。

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1週間前に書きかけた感想を見返してみたら、確かに今もそう思ってるんだけどネットにある数々の想いが込められまくった感想や批評を見た後だとあまりにもピュアな感じがする。だからこそ、観賞後自分にとって大事だ>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

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出るべくして出た、というかやっと日本でもこういう作品が公開されたのか、と終始胸熱になった。

石橋静河は何をしても石橋静河になる、日本ではかなり稀有な女優であることを改めて強く感じさせた。傑作。

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

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チャーリー・カウフマン『もう終わりにしよう。』は良かったけれど、ハマりきれなかったところがあって。でも本作を観た上で思い返すと、なんだ!なるほどなあ、ととても分かった気になる。

序盤のジム・キャリー
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

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名だたる俳優陣の演技戦においても圧倒的な実力かましまくる大杉漣と柄本明、それだけで前半めっちゃ楽しい(本作は全編面白いというより楽しい作品です)。で、徐々に盛り上がって、高橋一生が登場シーンで気づいた>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

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PTAは好きではないけど、本当に天才だと思って、なんだかんだ観たくなる監督。本作は音楽の異常な使い方に痺れた。どんなシーンであれ20世紀の音楽を切り貼りすれば、ウディ・アレン的なロマンス全開映像になる>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

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「将来母親になるのにそんなの吸ってどうすんだよ」と言った男の顔に吸った煙を浴びせるペ・ドゥナのカッコよさをみるだけで十分傑作だと確信する。

昨今のシスターフッド映画好きな人は必見の1作。

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

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大学生ってこんな無責任で快活!だっけ?みたいな感じで終始楽しい。流石に女子に全てを仮託するみたいなのは時代齟齬を感じたけど、デタラメな映画っていいよなって終始思った。もちろんそのデタラメはシネコンでか>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

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ディズニー特有のご都合主義や大口の教訓くさい語り口だっていいじゃないですか、たまには。ジャズ研に所属している人間として、げんなりしがちなジャズの描写にはグッときてシンプルに泣きましたし。

にしてもシ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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恋愛映画の枠組みを超えて、その人のアイデンティティや自我を描いた『愛がなんだ』(これもテアトル新宿で観た)のように、本作も恋愛のその先を描いてる。

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

4.5

カートコバーン好きなやつ怒らせたら怖い....溜めに溜めまくったバイオレンス描写が好きすぎるので、それだけで完璧。村上春樹の語り口にユースカルチャー混ぜて、露悪的に映画化すれば、こんな感じになるになる>>続きを読む

ハニーボーイ(2019年製作の映画)

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映画や小説に用いられがちなガバガバ心理学に疲弊しがちだけれど、本作は主人公が父親から受けた(一言で片付けられないけれど) DVを受けたことでPTSDになってしまい、暴露療法を受けることになる、というス>>続きを読む