松原慶太さんの映画レビュー・感想・評価 - 30ページ目

ハナ 奇跡の46日間(2012年製作の映画)

3.3

青春スポコン卓球ムービー。90年代初頭の世界選手権、舞台は日本の幕張。かつて、いちどだけ韓国と北朝鮮が合同チームをくんで、王者中国に挑んだことがあった。その事実がもとになっている。
「エースをねらえ」
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カンナさん大成功です!(2006年製作の映画)

2.6

天性の歌唱力がありながら、超デブでブスのため華やかな芸能界の裏で「ゴーストシンガー」に甘んじているカンナさんが、大失恋のショックで全身整形をおこない、抜群の美女に生まれ変わる。カンナさんははたして整形>>続きを読む

八日目の蝉(2011年製作の映画)

3.1

不倫相手の子を誘拐し5年間逃げ続けた女の話。NHKのドラマ版を見たあとに、映画版を観賞。

角田光代の原作では、誘拐犯の女(野々宮希和子)の話と、そのご誘拐された子(秋山恵理菜)が成人し「母親」だと思
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.8

観光でフランスに来たものの、婚約者とうまく行っていないアメリカ人が、深夜のパリを散歩しているうちに、1920年代黄金期のパリに迷い込んでしまう。ウディ・アレンにはめずらしくストレートな、ロマンチックコ>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

恥ずかしながらカウリスマキを初鑑賞。ヘルシンキに出てきたばかりの中年男が、公園のベンチで暴漢に襲われ、お金も記憶も失ってしまう。
自分の名前も分からない彼が、都会のかたすみで、たんたんと生活をとりもど
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殺人漫画(2013年製作の映画)

3.2

キワモノっぽいタイトルだけど、しっかりした構成のホラー・サスペンス。ネットに掲載されるマンガの内容とそっくりな殺人事件がつぎつぎと起きる。はたして美人漫画家が犯人なのか...というプロット。
ストーリ
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.7

だいぶ前に見たときはピンと来なかったんですが、チャンドラーの原作を読み、NHKのドラマ版(わりと原作に忠実な映像化)を見たあとで、あらためて見直してみると、また感想がちがってきますね。これ原作を知って>>続きを読む

隣人-The Neighbors-(2012年製作の映画)

2.1

とある団地内で起きた連続殺人事件を描いたサスペンス・スリラー。韓国映画おとくいのジャンルの筈ですが、いろんな要素を詰め込みすぎて、消化不良になっているような印象でした。登場人物も多すぎですね。

母親
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間諜最後の日(1936年製作の映画)

2.5

ヒッチコック、イギリス期の作品。「間諜最後の日」というタイトルがひどく古めかしいが、原題は「シークレット・エージェント」というシンプルなもので、その名の通り、戦時下のスパイ活動を描いている。

この前
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お熱い夜をあなたに(1972年製作の映画)

4.7

熟練の域に達した名匠ビリー・ワイルダーが送る、大人のためのほろ苦いラブコメディ。
軽くて洒脱な笑いにつつんで、人生の意味をしんみりと教えてくれる映画です。

とある大企業の社長が、旅先のイタリアで亡く
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孔子の教え(2009年製作の映画)

3.0

儒学の祖・孔子の生涯を描いた伝記映画。この伝説上の人物を、チョウ・ユンファが演じ、見ごたえがある。

紀元前の中国・春秋戦国時代、理想を実現すべく、あくまでも現実の国政にたずさわろうとする孔子だが、時
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アダプテーション(2002年製作の映画)

2.4

ハリウッドの売れない脚本家の話。新作の依頼を受けたものの、なかなか本がまとまらず四苦八苦する彼の日常と、彼の脚本の中の話(希少な蘭に取り憑かれた男とそれを取材する女性ジャーナリスト)が同時並行的に進行>>続きを読む

ホームズ探偵団と秘密のサーカス(2012年製作の映画)

2.5

東欧版・少年探偵ホームズ。「名探偵カッレくん」とか「エーミールと探偵たち」のようなふんいき。低予算だし、なんてことのない話だけど、ハンガリーの街並みが美しいので、たのしく見れる。とちゅうで寝てしまった>>続きを読む

スケアクロウ(1973年製作の映画)

4.2

「ピッツバーグで洗車屋をひらく」ことだけを夢見て、金もない、はみ出しものの二人(ジーン・ハックマンとアル・パチーノ)が、あてもなく旅をつづける。

なにものからも自由で、さびしく、はかない希望。まさに
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バーバー(2001年製作の映画)

2.8

カラー版を鑑賞。地味で無口な床屋が、ちょっとした悪事を企んだばかりに、思いもよらぬ方向に転落していく。
ヒッチコック的な巻き込まれ型サスペンスに、コーエン兄弟らしい味付けをしたような物語。
前半はよく
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レディ・キラーズ(2004年製作の映画)

2.4

コーエン兄弟は、こういうメジャーな普通の映画撮ると、とたんにつまらなくなる。
ゴスペルミュージックとか、死体を捨てる場面とか、部分部分で面白いとこはあるけれど。

LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

3.8

話はともかく、映像表現としてはかなり新しく、大いにインスパイアされた。CGを使いつつも、表現としてはアナログなタッチに着地させるバランス感は、ミシェル・ゴンドリーを思い出させる。
しかし、ウィル・フェ
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.8

著名な美術鑑定人ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)のもとに、奇妙な査定依頼が持ち込まれる。とある理由からけっして姿を見せない女性の依頼人に、ヴァージルは振り回されるが、やがて惹き込まれて>>続きを読む

素敵な相棒〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜(2012年製作の映画)

4.0

周囲からボケたと思われている老人が、介護用ロボットといっしょに宝石泥棒を企む。意外な秀作。
よくできた脚本。伏線の張りかたと回収が上手い。ほどほどユーモラスで、押し付けがましい泣かせ演出もなく、後味が
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.8

原作がパトリシア・ハイスミス。脚本がレイモンド・チャンドラー(!)。なんという豪勢な布陣でしょうか。ハリウッドに渡ったヒッチコックの才能が、爆発的に開花し始めたころの作品です。ストーリーテリングもイギ>>続きを読む

バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.9

ヒッチコック、イギリス時代の最高傑作だとぼくは思うけど、取っ付きがわるい部分があるので、旧い映画を見慣れていないヒトにはおススメしづらいのが難点。
たとえば冒頭のホテルの一夜のくだりは、現代人の感覚か
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.0

サブカルおたくの女子高生ふたりぐみが、大人になる過程を描いた、裏青春ムービー。使われている楽曲もしゃれているし、無名時代のスカーレット・ヨハンソンがスノッブな女子高生をいきいきと演じているし、スティー>>続きを読む

シュア・シング(1985年製作の映画)

2.1

「スタンドバイミー」のロブ・ライナー監督による、80’s青春ロードムービー。
ハンサムだけど冴えないアイビーリーグの学生(ジョン・キューザック)が「シュアシング(本命)」の女の子を求めて、はるばるカル
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HERO(2007年製作の映画)

1.6

旧作ドラマはわりと好きだったので、その後日譚である、TV特別編(中井貴一+綾瀬はるか)と、映画版(松たか子+松本幸四郎+タモリ)をみた。
特別編のほうはマアマアだったが、この映画版は駄目だった。なまじ
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スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.6

不評ばかり聞いていたので、期待せずに見たが、意外や意外の力作で、かなり楽しめた。

ダークなディストピアSFという、誰が作っても難しいであろう題材を、ともあれ、ここまで骨太で面白いエンタメ作品にできる
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パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

2.9

ウォーレン・ビーティー主演の社会派サスペンス。冒頭、ある上院議員が公衆の面前で射殺される。犯人は追いつめられ、スペースニードル・タワーから転落死。事件は落着したかに見えたが、数年後、事件の関係者がつぎ>>続きを読む

バトル・オブ・シリコンバレー(1999年製作の映画)

2.3

アシュトン・カッチャー「ジョブズ」を見た流れで、こちらも鑑賞。
この作品の特徴はジョブズとビル・ゲイツの物語を並行して描いているところ。ギーク好みの情報量は豊富。ゲイツが予想外にクレイジーなハッタリ屋
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ベネディクト・カンバーバッチ ホーキング(2004年製作の映画)

2.5

ベネディクト・カンバーバッチが、若き日のホーキング博士を熱演。健康だったホーキングが、筋萎縮性側索硬化症を発症してから、さいしょの論文を発表するまで。
カンバーバッチの演技は別として、映画としては全体
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俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク(2013年製作の映画)

3.4

いまいちばん好きなコメディアン、ウィル・フェレル主演「俺たちニュースキャスター」の続編。

舞台は80年代。地方局をクビになったワケありキャスターたちが、NYCで24時間制のニュース局立ち上げ(CNN
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

2.2

サービス精神にあふれた力作だとは思う。インド映画ならではの歌と踊りも楽しい。
ただ全体的に、似たようなエピソード詰め込みすぎで「そのくだり、もうよくないですか?」と何度も思った。三時間はどうしたって長
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隠された記憶(2005年製作の映画)

3.1

テレビキャスターのジョルジュと、出版社勤務のアンヌのもとに、自宅を盗撮したビデオが届く。有名人のジョルジュにたいするストーカー行為だと思われたが、ビデオはしだいに職場や息子の学校にまで届くようになる。>>続きを読む

ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)

3.4

ロンドン郊外のカントリーハウスに、職業も年齢もさまざまな紳士淑女たちが集う。雉打ちのハンティングパーティが催され、宴もたけなわのその夜、屋敷の主人が殺される。

典型的な英国ミステリーの道具立てながら
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ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年製作の映画)

3.0

小品だけど、キアロスタミが日本の役者を使い、東京(横浜)を撮った、ということに意味があるのだろう。
高梨臨がデリヘル嬢にふんし、退官した大学教授に出会う、という話。大学教授役は、一般公募のなかからえら
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眠狂四郎 殺法帖(1963年製作の映画)

3.3

「眠狂四郎殺法帖」市川雷蔵のシリーズ第一作。脚本がよく練られているし、演出のテンポもいい。

柴田錬三郎のおもしろさは、池波正太郎や藤沢周平などの正統的な時代劇にくらべて、こういう、通俗性・キッチュさ
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俺はまだ本気出してないだけ(2013年製作の映画)

2.4

「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一監督作品。原作は未読だが、画調から脱力系ギャグマンガであろうと想像していた。
で、映画を見始めたわけだが、役者が豪勢なわりに、どうもテンポがつかみづらい。
笑わせよう
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スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年製作の映画)

2.8

脚本がじつによくできていて、2/3くらいまでの展開では、往年のファンもニヤリとするような大ネタ小ネタを散りばめつつ、ほどよい謎とサスペンスで物語に引きつける。

プロダクションデザインおよび全体の世界
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