けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012年製作の映画)

4.5

やっぱりショーン・ベイカー良いなぁ。。

社会の下層でもがき続ける人々の、
出口のない日常にささやかな魔法をかける。

ドキュメンタリータッチの乾いた演出と、
作劇に滲み出る優しさのギャップが良い。
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ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

4.5

王道をなぞりながらも、見事に脱構築。
新たなジャンルを切り開いている。

もはや純粋にホラーとは言えないが、
きっちりとホラーのエッセンスを
継いでいる部分も憎い。

中でもオタクとリア充が結託して
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

4.0

これは胸が締め付けられる・・。
あまりにやるせない。

ただ日々を生きている人間が知る由もない、
とてつもない絶望を知ってしまっている人。
「救う」とか「立ち直る」なんて言葉は空虚。

その欠落を埋め
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第三の男(1949年製作の映画)

4.5

正義と友情、愛の葛藤。
優雅な音楽や美しい構図も相まって
不思議と夢見心地なサスペンス映画。

あらすじ自体は王道で目新しさもないが、
全編にわたる雰囲気がとにかく出色。
復興ままならぬ瓦礫の街を颯爽
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.0

もはやパロディ感あるが、文句なく面白い。

殺人鬼の容貌や凶器がフィーチャーされる
スラッシャー映画のジャンルにおいて、
主人公がここまでキャラ立ちするのが凄い。

ジェシカ・ロースが演じるツリーが
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ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)

4.0

人種差別と格差社会をパンチ抜群の
ブラックユーモアで描いたコメディ。 

一部の富裕層が貧しい労働者を搾取し、
甘い蜜を吸っている現実。
その社会に迎合して「成功者」になるのか、
自分自身の能力で闘う
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ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

愛を知らず、愛することができず、
愛を伝えられない地獄のサイクル。

たとえこの一件がなかったとして、
愛を教えられてこなかったアレクセイが、
将来どのような家庭を築くのだろう。
愛と幸福は共依存関係
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底なしの世界(2017年製作の映画)

3.5

夢と現実が入り乱れ混沌とした世界。
低予算映画独特の気持ち悪さ、
鬱屈とした閉塞感や雰囲気が良い。

「マルホランド・ドライブ」とか、
「ノクターナル・アニマルズ」なんかが
好きならオススメできそうな
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イノセンス(2004年製作の映画)

4.0

人体は部品が寄せ集まった優秀な機関。
どのパーツも代替可能で、再現性のあるもの。

そんな人間機械論が実現した世界で、
人間と人形を分つ物、それは
その魂の存在ゆえに実存に苦しむということ。

魂なん
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ダーティ・ダンシング(1987年製作の映画)

4.0

階級差の2人に立ちはだかる壁、
良い感じの悪役、ダンスのカタルシス。

いやぁ、瑞々しい。
王道もたまにはいいね。

パトリック・スウェイジかっこよすぎ。
この避暑地の雰囲気良すぎ。
曲がいちいちおし
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

4.0

底知れぬ野心と、まるで根拠のない自信。
そして挑戦をし続ける「執念」。

基本的に自分も生み出す側ではなく、
売り出す側なので、レイの活躍は痛快も痛快。

ただ本当に残酷な話だけど、
勝者と敗者の世界
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

4.0

混沌とした白黒とサブリミナル映像が
現実と虚構の境目を曖昧にし、
狂気の悪夢となって襲ってくる。

まじで吐き気がするほど気味が悪い。
だからこそ最高。

内容はといえば、
憎しみすら溶かしつくすメタ
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.5

善と悪との戦い。
痛ましいテロ事件を悲劇で終わらせない、
犠牲者で終わらせない。

大仰なヒロイズムが前に出過ぎず、
絶望の淵で立ち向かい、
戦う人間の強さを描いた傑作。

あのボストンで戦った、そし
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トラジディ・ガールズ(2017年製作の映画)

4.0

まじで不謹慎だけど、超気持ち良い映画。

ほんとに中身スッカスカで、
ただ「人を殺して殺しまくりたい」という
動機のみで作られたかのような映画。

そのスカスカ具合がSNSにハマる
ティーンへの風刺に
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ジェニーの記憶(2018年製作の映画)

4.0

記憶は時として事実でなく、
「物語」になってしまう。

凄惨な過去ですら、美化して正当化して、
なんとか前に進めようとする人間の機能。
でも決して忘却の彼方へは行かず、
その人格の根底に深い影響を及ぼ
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

4.0

サイケで毒々しい「らしさ」全開の映画。

基本的にはアウトローなハーレイ・クインだが
観客が感情移入できるくらいの、
「ライン」を一歩踏み越えない
バランス感覚が相当上手い。

アクションシーンもキレ
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ルディ・レイ・ムーア(2019年製作の映画)

4.5

ああもうダメだ、こういう映画製作の映画。

「セシルB」「カメ止め」
「ディザスター・アーティスト」
映画にかける熱すぎる想いが、
ブレーキも知らず、周囲を巻き込んでいく。
この至高の一体感の一員にさ
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アウトロー(2012年製作の映画)

3.5

地道な謎解きと娯楽性の高いアクション。
普通に面白かった。でも普通の域というか。。

ストーリー的にもキャラクター的にも
ほとんど目新しさがないんだよなー。
色々なアクション映画の二番煎じ感。

原作
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ライフ(2017年製作の映画)

4.0

正統派のSFパニック映画。

宇宙船という閉鎖空間を舞台に、
1人また1人と犠牲になっていくクルー。
彼らの死に様や状況展開が、
宇宙空間というシチュエーションを
見事に生かしていて凄く良い。

司令
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A.I.(2001年製作の映画)

4.0

人間には決してなれないピノキオの
温かくも残酷な物語。

ロボットに関わらず、
子から親への愛情って計り知れないもので、
それが一方通行にならないようにしないと・・。
「愛される責任」というものもある
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クリープ(2014年製作の映画)

4.0

アイデアと着実な演出。
上手い具合に誘導され、
ゾワゾワさせられる展開が気持ち悪くて良い。
観客を心底ビビらせてやろうという
気概をひしひしと感じる映画。

心臓にはめっぽう悪いが…

てかそもそもマ
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LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

4.5

いやぁやっぱり変な映画だな。
高校の時映画館に行ったんだけど、
見事にハマらなかった映画。

非常に斬新な近未来アイデアに、
昔ながらのアクション、レトロな演出、
そして舞台の大半はさとうきび畑という
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.5

本気で絶望に突き落とされる。

愛も憎悪も、その人のすべてに
「触れ合う」ことができているのか。
生きてるうちは取り繕った「幸福」で良くても
死の直前(もしくは死の直後)に
その満たされなさが「叫び」
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

5.0

この映画楽しすぎるわ・・!

バディ×ロードムービー×デ・ニーロ。
大好物がぎっしり詰まった宝物みたいな映画。

2人の掛け合いはもちろんのこと、
彼らに振り回される警察にギャング、
小憎たらしい軽快
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.5

孤独な夭逝のスターと孤独な少年の触れ合い。
あらすじから想像した通りの展開で物語が
盛り立てられていく・・。

正直雨の中観に来たことを後悔するくらいに、
中盤まではとにかく退屈だった。。

ただね、
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ウォリアーズ(1979年製作の映画)

4.5

少年の心のまま、大人になったかのような…。
イタくてかっこ良い、永遠に続く青春。

洋画なのになんだか昭和くさい、
そこはかとないロマンを感じさせる。
曲のセンスとかギャングたちのファッションも
控え
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死霊館のシスター(2018年製作の映画)

3.5

お化け屋敷ホラーとしては及第点以上。
低評価が多いので覚悟していたが、
予想以上に普通に楽しめた。

途中からヴァラクが
パルパティーンに見えてきたけどww

もうハラハラドキドキの連続で、
アドレナ
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コンテイジョン(2011年製作の映画)

4.0

ウイルス災害シミュレーション映画。

手から手へ、人から人へ、
いかに感染拡大が速いのか。
新型コロナの社会情勢も相まって、
「触れる」ことがとても恐ろしくなる。

また9年前の映画といえど、
こうい
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ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

3.5

ラ・ヨローナさん、ただの迷惑ww

ジェームズ・ワン印のお化け屋敷映画。
ほとんどがびっくり描写だけど、
そのこけおどし感が今の気分にちょうど良い。
期待値が元々低かったので、概ね満足。

ホラー映画
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1922(2017年製作の映画)

4.0

誰でも心に抱えるエゴイスト。
この道が正しいと信じたら疑わず、
周囲をも巻き込み、
取り返しのつかない結果へと突き進む。

ホラー映画でありながら、
誰もが陥るかもしれない落とし穴への
教訓を与えてく
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

4.5

大規模な宗教組織が直面する大きな問題。
教義や伝統を守っていくためには、
変わりゆく世界の中で人々を救うには・・。

正直宗教の話はピンとこないけど、
二人の教皇の個人的な「赦し」に
焦点があてられて
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スケアリーストーリーズ 怖い本(2019年製作の映画)

3.5

よくできた王道ホラー映画。

「IT」とか「ストレンジャーシングス」とか、
近頃のホラートレンドをしっかり抑えている。

が、、よくできているが故に、
少し物足りなさも・・。

なんか色々なホラーの最
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フェノミナ(1985年製作の映画)

4.0

虫も猿も惚れる美少女ジェニファー。

プロットはツッコミ所満載だが、
そんなものはもうどうでもいいw

気持ち悪すぎる特殊メイクの数々に
気の利いた小道具と演出、
そして滅茶苦茶イカすゴブリンの音楽が
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セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

4.5

現実とフィクションが入り混じり、
夢見心地なサイコパスの狂宴。

この監督の作家性ともいうべきか、
非常にオフビートでありながら哲学的で、
人の表層と裏側との掛け合いを描きながら、
誰も予想だにしない
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

完璧を求める芸術家にとっての「愛」。

彼の完璧に仕立て上げられた人生や生活は、
まさに愛によってぶち壊されていく。
ただ、それをある種呪いとして
引き受けることこそが「愛」であるし、
その「愛」あっ
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たまこラブストーリー(2014年製作の映画)

3.5

これ劇場版の前にアニメあったのか!
上映時間短いからとなんとなく見始めたので、
まるで知らなかった・・。

だよね、いきなり喋る鳥が出てきて、
置き去りにされたもんww。

話の筋と結末はめちゃくちゃ
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