けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

クルーレス(1995年製作の映画)

3.5

少女漫画っぽいキラキラ女子の世界観を、
皮肉まじりに実写に落とし込んだ映画。

かわいいイケイケ主人公が実はウブだったり、
超美青年が中身スカスカだったりと、
こちらの願望をいちいち満たしてくれる。
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.0

一方の立場から怒りを描くことは簡単。
ただ双方の立場から描かれる方が、
正直胸糞悪く、後味が悪い。

大人が示した解決策もわかるし、
納得できない少年たちの怒りはもっともだし、
警官にも正義がある。
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オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)

3.0

年末特番のバラエティならまだしも、
映画として観るにはあまりにも…。

モンティパイソンもだけど、
コメディアンの製作した映画は合わないな。

ただ所々クスクスと笑えるシーンはあって、
死んだモブ敵の
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.0

躍動感がハンパないね。
上手くいかなくても不器用に、走る走る。

全然前に進んでないような気もするけど、
実は少しずつでも進めているのかもしれない。

この監督は本当に、「悪い人じゃないのに、
嫌な奴
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REVENGE リベンジ(2017年製作の映画)

4.5

彼女は生まれ変わった。
男に消費される「女」から、
闘う一人の人間に。

前半までの媚びへつらう目つきは鳴りを潜め、
憎しみ煮えたぎる戦士の
眼差しへと変わっていく。

演出も全体的に斬新でかっこよく
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.5

喜びと悲しみ、希望と絶望。
そのすべてが素晴らしい人生を形作る。
決して色褪せない不朽の名作。

身近な人が困ってたら手を差し伸べる。
そして自分が困った時には、
誰かが手を差し伸べてくれる。
そんな
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ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)

5.0

憎しみを向けることではなくて、
憎しみ合うことこそが罪。

その連鎖を断ち切る方法。
激しく闘うことと、穏やかに許すこと。
ブラックパンサー党の綱領を語りながら、
キング牧師の理想論を追いかけているよ
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.5

物凄いものを観たと・・。
全然咀嚼しきれてないけど・・w

人間は誰もがありたい自分の「理想」像と、
「現実」との間のギャップに苦しみ、
仮面をつける。

反発して、重なって、一致していく仮面。
他人
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

4.0

とにかく演出が最高なスリラー映画。

筋は「サイコ」を思わせるミステリーだが、
(ちょっと破綻している気もする)
あまりに過剰すぎるゴア表現と
ジャンジャン鳴り響くカッコ良い劇伴が、
アルジェントの真
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.5

インスタ映えする地獄巡り。
白夜の幻想的な風景の中、綺麗な花を頭につけ、
民族衣装で踊る美女たち。
そしてある意味で映えそうなのは
身の毛もよだつ直接的な描写の数々。

前作に引き続き恐怖の対象が非常
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エリジウム(2013年製作の映画)

4.0

SF的悦びに満ちた、目の保養映画。

マジでどうやったら思いつくんだレベルの
一周回って非効率そうで、
それでいて超イカしている
SFガジェットの数々が非常に楽しいw

こんなにもテクノロジーが発達し
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アルカディア(2017年製作の映画)

4.0

カルト教団で起こる怪現象の数々、
歳を取っていないように見える教団員、
背景にいる「謎の存在」……。

一体何が起こっているのか、
まるでわからない状況が非常に恐ろしく、
だからこそ好奇心を沸き起こす
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.5

あまりの没入感にもうヘトヘト。

ワンカットという技巧によって、
戦場の臨場感を感じさせるだけでなく、
こちらの感情も揺さぶってくるのが見事。
彼の乗り越えてきた苦難、悲しみや悔しさを
リアルタイムで
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.5

目を覚ませ。
隠された差別に、潜んだ憎しみに。

KKKへの潜入捜査を通じて、
無自覚だった己の感情に気がついていく。
黒人が黒人を、ユダヤ人がユダヤ人を
侮辱することによって浮き彫りになっていく、
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サイレントヒル(2006年製作の映画)

4.0

灰と血と錆の美しい世界。
あのサイレンが鳴り響いた時の絶望感たるや。

グロテスクな世界観に負けず、
中身もかなりの鬱展開となっており、
だからこそ終盤はただただ溜飲が下がる。
盲信に取り憑かれた人間
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.0

畳み掛けるようなイライラの連続から
胸熱な展開でテンションをぶち上げつつ、
結局観客を突き放す冷徹さが見事。

毒々しいカラフルな色合いと、
見方によって変わる解釈が、
オパールの輝きのよう。

本当
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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.5

双方傷つけ合いながらも、
「本当に大切なもの」のために出した答え。
簡単じゃないけど、ようやく辿り着く。

人は弱くて間違いを犯しながらも、
過ちから学び、前に進む。
「夫婦」ってつくづくそういうテー
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エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)

4.0

ツインテールで制服コスの金髪美少女が
日本刀と拳銃で暴れる映画とか最高でしょ。

もう訳の分からない物語はどうでも良くて、
ただオタッキーなフェティシズムを楽しむ。

えらく凝ったコテコテの映像世界が
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死霊のえじき(1985年製作の映画)

4.5

胸がすく敬礼に拍手喝采。
ゾンビにも許せない奴はいるんだ。

ウイルスの蔓延した世紀末。
ゾンビなんかよりも余程、
人間の方が弱者を食い物にする世界。

虐げられた怒りが爆発し、
すべてが飲み込まれる
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スプリット(2017年製作の映画)

4.0

非常に巧みなスリラー映画。

次々現れる人格にゾクゾクさせられながら、
ドラマとしてヒロインの哀しい過去が絡み、
この状況をどう打開していくのか、
一種のゲームのような感覚で楽しめる。

様々な要素で
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.0

自分がイヤな奴だって認めるのはつらい。
考えれば考えるほど空回って、
雑に取り繕った自分を演じて、
もっともっとイヤな奴になっていく。

ネイディーンが「絶対にそれだけは・・」
という選択肢ばかりをと
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

5.0

「クソ面白い」と手放しで言える。
あっちにいったりこっちにいったり、
もう感情が大忙し。

時にハラハラドキドキ、時にクスクス、
そして少しウルっときたりと、
二転三転する物語の中で、
まんまと操作さ
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バッドボーイズ フォー・ライフ(2020年製作の映画)

4.0

荒唐無稽だったバッドボーイズが、
なんともお行儀よく現代にアップデート。

わけわからない爆発もスローモーションも、
センスが良いとは言えないブラックジョークも
今作ではやや控えめ。
(でも要所要所で
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バッドボーイズ2バッド(2003年製作の映画)

4.5

負けたよ、もう負けました・・。
もうドラッグみたいに中毒だ。

最初はくだらないなんて笑ってたのに、
気がついたら虜になってしまう。
もっと爆発を!もっと銃弾を!

車何台ダメにしてるの?
家屋をどん
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バッドボーイズ(1995年製作の映画)

3.5

安定感抜群のバディ映画。
誰よりもgoodなbad boysが愛おしい。

久々に見るとやや古臭さは感じるものの、
90年代らしい独特の雰囲気、
00年代まで地上波でやたらやっていたような
アクション
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スリーピー・ホロウ(1999年製作の映画)

4.5

超豪華なセットにスタッフ・キャスト、
そして飛びまくる首の数々と、
とんでもなく景気が良い映画。

怪奇・サスペンス・アクション・映像美、
見所を挙げればキリがないくらい。

特に独立戦争後まもないア
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ディセント(2005年製作の映画)

4.0

失うものは何もない。
そういう人間が一番強い。

前半退屈なほどに描かれる主人公の
悲しみ・怒り・激しい喪失感。
これが終盤に最高に効いてくるがミソ。

血の沼からのあのボルテージの上がり方は、
かの
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ディストピア パンドラの少女(2016年製作の映画)

4.0

生命倫理に切り込んだ異色のゾンビ映画。

ネアンデールタール人を滅ぼしたのは
紛れもなく現生人類であり、
進化はそうした淘汰の中で成されてきた・・。

この世界は決して人類のものではない。
いつその覇
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オーロラの彼方へ(2000年製作の映画)

4.0

時系列を駆使したストーリー展開で、
サスペンスとしての緊張感も維持しつつ、
親子愛で泣かせてくる展開がずるい。

やはり同時代性もあるのか、
「バタフライ・エフェクト」や、
「ドニー・ダーコ」に肌触り
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.5

「愛は最強」
誰もが心の底では知っていながらも
気恥ずかしくて表明できないような、
普遍的なテーマに正面から向き合った映画。

戦時下のドイツを舞台とした
ブラックコメディということで、
刷り込まれた
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.0

リチャードに群がるマスコミへの嫌悪感が
戒めとして自分にも返ってくる。

警察やニュースの発表を、
盲目的に信じてはいないか・・。
その人物の見た目・経歴で人物像を
判断しようとしてないか・・。

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イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

4.0

宇宙と地上の間、空の世界。
意外にも空と宇宙の境目を深掘りした映画は
あまり見たことがなくて新鮮だった。

緩急がこれまた絶妙で
ちょうど良いくらいの心拍数が継続するから
体感時間があっという間。
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

思っていたよりもフェアなつくり。
貧困層・富裕層どちらにも感情移入できず、
格差社会そのものへの強い批判になっている。

全編ユーモアが満載で
時々本当に笑ってしまうような演出の中で、
最後の最後だけ
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

4.0

怪物に立ち向かう家族の絆。

一致団結した家族は政府より軍隊よりも、
何よりも強いのかもしれない。

頭の固い役人たちや学生運動、
アメリカの介入で大事になる様など、
社会情勢がシニカルに描かれている
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デビルズ・バックボーン(2001年製作の映画)

4.0

「幽霊とは何か」
それは隔絶した孤児院に訪れる悲劇の正体、
内戦が残し続ける深い傷をあぶり出す。

やはり「パンズ・ラビリンス」といい、
デルトロ監督は、過酷な社会情勢とホラー
ファンタジーを組み合わ
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ネバーエンディング・ストーリー(1984年製作の映画)

4.0

夢や希望がなくなって、
「無」が迫りくる世界。

自由な想像力をもってして
世界を明るくしていけるのは、
ファンタジーでも現実も同じこと。

だからこそ、想像力が尽きない限り、
決して終わらない物語。
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