Kさんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.5

松田優作さんと鹿賀丈史さんの演技の熱量がすごい。ギラギラ感。特に松田優作さんは本当にそういう人に見える。隙がない。狂っているというよりは病んでいる感じ。フラメンコ。急にトーンの変わる「寝ますか」が印象>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

3.5

西口彰事件を題材にした映画。逃亡生活。三國連太郎さんと倍賞美津子さんが同じ画面に写っているシーンはどれも色気がすごい。特に露天風呂シーンは印象的。弁護士パートは実際に事件のあったアパートの向かいの部屋>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

3.5

紅白に塗り分けられたオープニングクレジットの文字。ストーリーと構図は割とシンプル。一場面ごとの迫力はさすが。大雨の中の喧嘩シーンが印象的。連呼される「あほ」。この時代にしては子役の泣き演技が上手い。駒>>続きを読む

の・ようなもの のようなもの(2015年製作の映画)

3.3

『の・ようなもの』とほぼ同じ構図の始まり方。あれから35年後。森田芳光作品に出演したことのあるキャストが続々登場。鈴木京香さんには台詞を含めて驚かされた。前作と比較するのは違うかもしれないけど、本作の>>続きを読む

の・ようなもの(1981年製作の映画)

3.6

落語家 志ん魚(しんとと)。若い頃の鷲尾真知子さんは森川葵さんに似ている。小堺さんと関根さんコンビのインパクト大。女子高生エドはるみさん。ストーリーがどこへ向かうのかただただ後を追いかける。お弁当が好>>続きを読む

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.3

牛の説明あれでいいんだろうか。“田舎くさい”という言葉にだらしないとかデリカシーがないとかいう意味も混ざっている感じがしてちょいちょい自分の感覚とはズレを感じた。夏帆さんの表現力はさすが。シムウンギョ>>続きを読む

怪獣の日(2014年製作の映画)

3.4

最近話題のアノ映画関連で名前が挙がっていて気になり視聴。シンゴジラよりも公開は前。浜江町。匂いの伝わる描写。意外と本格的な死体。滑舌。原発問題とダブるような描写と発言の数々。悪魔の証明。「踊らないか」>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.5

メルヘン系ファンタジーだと思っていたので開始早々びっくりした。ダークな世界観。身支度マシン。コーヒーの染み込んだぐにゃぐにゃパン。シワ伸ばし。離乳食もしくは介護食のような料理。強そうなサムライ。不気味>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

エレベーターの交換。ぐうの音も出ない決議。牛乳を飲むだけで様になる青年(監督の息子さんらしい)。エアロバイク。そしてはね返ってくる現実。淡々とテンポよく進むストーリー。舞台はとある団地。主な登場人物は>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.5

実話ベース。1970年代。冒頭からガンガン決め込んでくるレイシズム描写。KとKの間にKが入ったタイトル。黒人だけではなくユダヤ人も差別の対象。重々しさは控えめ。潜入捜査。黒人と白人の話し方の違い。対比>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.6

演者の実際のエピソードが織り交ぜられたキャラクターたち。通りでリアリティがある。楽しい話ではないけれど、意外な展開もあり惹き込まれる。なんと言ってもラストシーン。グロリアスワンソンの演技力とその執念、>>続きを読む

幽霊と未亡人(1947年製作の映画)

3.9

オープニング早々、親族をばっさり切り捨てるルーシー。その姿から強気で頑固な性格が伝わってくる。追い出したい幽霊と逃げ出さない未亡人。意外な死因。契約。水夫と船乗り、シートと帆の違い。金策。娘の存在感は>>続きを読む

アタック・オブ・ザ・キラートマト(1978年製作の映画)

3.5

バカバカしそうな映画が見たくなり視聴。一生懸命まじめに作った結果B級またはZ級映画になったタイプではなく、序盤からふざけまくっている系。軍歌のようなオープニング曲。トマトのサイズはさまざま。そのまんま>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.5

独特な台詞回しは坂元裕二っぽさ全開。よく喋る。神・押井守のくだりは、映画や芸術に触れない人を見下しているようで良い気持ちがしなかった。この映画は自分がされて嫌なことをやるんだなと思ったし、この時点で好>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.1

疑問と謎が多い。煙草をふかす尺。なぜ彼女たちにこれほど人気があるのか。なぜこの歌声に聴衆は魅了されるのか。あの女子高生ペアの描写はやりすぎに感じた。言葉にする難しさと本音を伝える難しさ。まるで読心術の>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.5

前作の内容をほとんど覚えていない状態で視聴。やはり簡単にでも復習してから見た方が良かった。しっかり続編。あれから20年。前作をリアルタイムで見た人ほど自分と照らし合わせて感慨深いものがあると思う。どう>>続きを読む

ホームワーク(1989年製作の映画)

3.6

なぜ宿題をしてこなかったのか。アニメより宿題が好き。罰は知っているけどご褒美は知らない。将来の自分の子どもの名前をすでに考えている小学生に驚く。好きな映画について語る少年が良い。「喧嘩と戦争の違いは何>>続きを読む

生きちゃった(2020年製作の映画)

3.1

仲野大賀と若葉竜也という組み合わせ。これだけですごいものが見られそうだと期待する。その気配がおやおやとなるきっかけは大島優子さん。彼女も器用な女優さんだと思うけど、仲野若葉ペアとは持つ空気が違う。スト>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

3.5

正統派のSF映画かと思いきやよもやよもや。キャストが豪華。アレの描写は最初こそ可愛くて珍しい造形。だんだん某海の生き物にしか見えない。船員たちは無謀な行動の連続。真田広之さんちょい役ではなくしっかり登>>続きを読む

狂乱の日々 デス・ロードの戦い(2017年製作の映画)

3.5

ジョージミラーが苦悩する姿は庵野秀明を、マーガレットシクセルとの結束力には大林宣彦・恭子夫妻を思い出す。あの作品が完成するまでこんなに大変だったとは知らなかった。主人公マックス役候補だった俳優の名を聞>>続きを読む

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.3

全体的にコメディタッチ。チーズ→地図→マップ。意外な展開の連続。開始30分で情報量がすごい。レントゲンみたいな写し方が新しい。発言するときは起立。起こっている事態の深刻さと笑いの要素がちぐはぐでときど>>続きを読む

実りゆく(2020年製作の映画)

3.6

モデルは松尾アトム前派出所さん。この映画を見てまんじゅう帝国というコンビの存在を初めて知る。田中永真さんを見ていると浜野謙太さんを思い出す。お二人とも演技が上手い。そういう意味では日本エレキテル連合の>>続きを読む

ザ・トライブ(2014年製作の映画)

3.1

全編手話で繰り広げられる会話。字幕なし。聞こえてくるのは息づかいと生活音のみ。手話がわかる人には台詞が読める。手話のわからない自分は画面を眺めて話を追う。そもそも文化が違う上に、何を話しているのか分か>>続きを読む

ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

3.4

ジャケット写真から想像する内容とは違ったけど、見やすく爽やかな一本だった。本人役ロック様。ボウリングと画鋲が痛そう。首は想像するだけで怖しい。兄の葛藤。プロレスにおける台本はどの程度結果に影響するのだ>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

4.0

終のロゴが現れたとき、映画を見たな…と感じた。タイトル通りのオープニングに凄いものが始まりそうだと引き込まれる。1974年の作品とあって昭和感たっぷり。原作小説の影響なのかテロップでの説明多め。赤より>>続きを読む

来る(2018年製作の映画)

3.0

ちょっとよく分からなかった。とっ散らかり感。お守りやお札が怖いという感覚は初めて。ホラーうんぬんより育児ストレスを抱えた母の姿が見ていて辛い。どちら側の立場であろうと虐待経験のある人は注意だと思う。妊>>続きを読む

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

3.4

ハードボイルドなミステリ映画といった印象。1950年代ロサンゼルス市警。腐敗した組織。似ていないはずなのに時々ケヴィンスペイシーとラッセルクロウを見間違える。情報量多め。共感できる人物がいない。面白さ>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.4

内容はタイトルの通り。野球の試合風景は全く映さず進んでいく。元は演劇。会話劇と環境音。青春時代に味わう挫折と悔しさ。そこから来る強がりと弱さ。青春の一コマ。撮り方は珍しい。ストーリーのインパクトは普通>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.8

序盤すぐに分かるタイトルの意味。4人をつなぐ象。苦難続きの人生。作中に登場するのは、溜め息をつきながら日常をやり過ごすような人たちばかり。生き生きとした人間が出てこない。死にたいとか消えたいとかいう感>>続きを読む

獣道(2017年製作の映画)

3.5

どんな映画か聞かれると説明が難しい。新興宗教に重きを置くわけではなく、重い重い空気をまとった作品でもなく、コメディかと聞かれるとそれも違う。亮太のセリフを借りるならこれは恋の物語。それぞれの居場所探し>>続きを読む

禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.5

物悲しいギターの音色。「愛のロマンス」音楽だけ知っていた本作。本をめくるオープニングクレジットがおしゃれ。古い作品でこういうのを見せられると到底敵わないという気持ちになる。母とお揃い水玉模様の服。犬好>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.3

少しカクついたようにも感じられるアニメーションが独特。だんだん見慣れる。コミック演出にこだわった作り。スパイダーハムのビジュアルは手塚治虫のヒョウタンツギを想起させられる。これまでのスパイダーマン要素>>続きを読む

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)

3.6

作文のような口調。草間さんの話し方は早口で間隔が短い。ところどころ聞き取れない。突起物アートはなかなか集合体恐怖を煽られる。飛躍できない日々の苦しさ。途中から変化する彼女の目つき。親友の語る電話のエピ>>続きを読む

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(2017年製作の映画)

3.4

アメリカにおけるパキスタン(正式名称パキスタン・イスラム共和国)への偏見に初めて触れた。笑えない冗談の温度感がなかなか独特。親への態度や病気への接し方、結婚制度など文化の違いをたくさん感じる内容。嘘を>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

3.4

マカロニ拳法。キャラクターの目と、色鉛筆画のような背景が独特。印象的なのは何を言うのか期待させられる研二の間。古美術の森田さんが音をイメージ映像に変換するシーンが楽しい。言語化できないもの。古武術が奏>>続きを読む

テロ、ライブ(2013年製作の映画)

3.7

911以降、テロといえばあのイメージが強い。そしてテロに屈さないというのも当然のスタンス。テロを扱った映画でこんな結末は初めて見た。この結末でOKが出たことに驚き。舞台はほぼラジオ局の一室。序盤からテ>>続きを読む