遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

マックスとリリー/はめる/狙われた獲物(1971年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながらこれまでロミー・シュナイダーを全く知らずに来たが、この映画一発で特集組まれるような役者であることがわかる魅力を放っていた
その美しさで人を悪意なく狂わせる、本人もそれによって不幸になる
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ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

派手ではないけど、見たことない、新しい物語に触れることができたような
「孤独」「家族と分かり合えない」「人生がむなしい」というような題材の映画はもう100回くらい観てるのに、そこに「詩の教室に通い始め
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追風(2007年製作の映画)

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9分間ワンカットに目を見張る ふたりを囲む松明が良すぎる
ドラゴンボール7個集めてエドワードヤンを復活させてこの映画を完成させていただき、おれが文化功労賞をもらいたい

ムクシン(2006年製作の映画)

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綺麗な箱の中に入れて良い布で包んで引き出しの奥に大事にしまっておきたい思い出

優しい音楽に乗せて、二人の少女がケラケラ笑いながらパルプフィクションのダンスの真似してるシーンだけでもう朝早く起きて観に
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ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)

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ペネロペクルスの美しさってこの世のものではないファンタジーのレベルなので、「ファミレスであくせく働く主婦」なんていう一般庶民の役に合うはずがないのだが、アルモドバルの映画はファンタジーとは違う路線で「>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ありそうでなさそうでありそうな展開のバランスが良すぎる
自分の利益のために男女4人の関係を入り乱れさせる女性の策略はことごとく失敗し、本当にその人を思って出会いの機会をつくった女性の行動は身を結ぶ、
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

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ずっと観なきゃ〜と思っててやっと観た
子供のうちに観といて「映画ってすごい!!」ってなっておくのに適した映画という感じ THEスタンダード

サリエリの「愛憎半ばする」というか、愛と憎しみはガチでひと
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戦いのあとの風景(1970年製作の映画)

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What's the difference?
米兵に外国語としての英語で投げかけるフレーズの悲痛な響き ドイツが去り、アメリカが来ただけ   

身を寄せるポーランド人とユダヤ人の体躯の間から奥に見
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つながれたヒバリ(1969年製作の映画)

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「ここで働いているうちに、精神構造が単純になったんだ、前より楽だ」と笑顔で語る元ブルジョワ
社会主義体制への賛同なのか皮肉なのか、どちらとも取れる言い回し、それが一番理想的な皮肉なのかもしれない
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無防備都市(1945年製作の映画)

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ネオレアリズモとか、ヌーヴェルヴァーグとか、ニュー・ジャーマン・シネマとか、各国の映画史の「新しい潮流」ってやつをいつも先に観ちゃうから、その世代の作品が「どう」それまでと違うのか分かるはずがない、こ>>続きを読む

ヒッチコックのゆすり(1929年製作の映画)

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渋谷のツタヤであと1本何借りようか迷ってたら父が(おそらく適当に)これにしろよって言ってきたのでなんとなく借りて鑑賞

英語字幕があったのでいけるかな...と思って挑戦したら、話はだいたい追えるけどち
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蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

前作「蛇の道」は意味不明なようでいてその実緊密な構成になっており、それが言語化しがたい"人間の恐怖"を醸すことに成功している傑作だと思ったが、続編のこれは黒沢清がやりたいことをかなり野放図に、ゆるく、>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

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自国を蹂躙するナチスに対抗するためにソ連側についたのに、ワルシャワ蜂起でソ連に傍観を決め込まれナチスに徹底的に破壊されたポーランドの人々はもはやニヒルにすべてをせせら笑って生きるほかない、という状況の>>続きを読む

地下水道(1956年製作の映画)

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不条理映画をついつい「至高の芸術作品」として、論理に縛られた現実世界を超克する感情の自由な動きの表現として称揚してしまうけど、それはまったく逆で、圧倒的な不条理は現実そのものであることに気付かされる >>続きを読む

世代(1954年製作の映画)

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第二次大戦の真っ最中に思春期を迎えた世代は、「自分の人生を考え始める」=「戦争でどの立場に就いて、どんな活動をするか選ぶ」で、それはつまり「誰を殺していくか選ぶ」ということで、町山智浩が解説で「これは>>続きを読む

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

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いつもキテレツな映画を撮ってるけど普通の映画も高いレベルでしっかり撮れる、基本・王道は全てマスターしてる上で新しいことやってる、っていうピカソ的な凄みを感じさせるデヴィッド・リンチのヒューマンドラマ>>続きを読む

ラリー・フリント(1996年製作の映画)

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エドワードノートンのフリークとして
頭が切れて弁の立つ役やらせたらノートンの右に出る者は居ない!!!しかもこれは20代でめっちゃかわいい!!!!貴重!!!!幸せ!!!!ありがとう!!!!

でもノート
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ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

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キリスト教だの共産主義だのいろんなデカい事物を突き放して冷笑的に描くくせに、最終的に「映画は、光だ...」って締めるコーエン兄弟のカワイさ

映画の脚本会議で、キリストをどう描くかでカトリックとプロテ
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スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記(1970年製作の映画)

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ロイアンダーソンって言われなければ絶対分からない
シンプルに質の高い、かつ独創性もある青春/家族映画 音楽の使い方も好き!

5年後の次作でバキバキ大コケしてなかったらこの路線で活躍する世界線もあ
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川沿いのホテル(2018年製作の映画)

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ときめき、感情、あらゆるものは(川が流れるように)変化していく、という前提の上で 「かつて自分と関係があった人/もの」は時を経ると「無関係」になるのか、みたいなことを描いているような気がした
自分
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俺は善人だ(1935年製作の映画)

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昔のアメリカ映画で名作と言われてるものは こりゃ誰が観ても面白いな...企画通りやすそうなシナリオだな...というものが多い 見習わねば

悪人と善人の一人二役、観客もちょいちょい今これどっちだ?とな
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カンフー・マスター!(1987年製作の映画)

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いかなる性的指向の存在も否定すべきでない、あらゆる愛の在り方を尊重しよう、という世界の流れが「ロリコン」や「ショタコン」とどう向き合うのかという問題

恋愛に限らず人間関係は「合意が取れているか」がひ
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あなた自身とあなたのこと(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

これは思索が捗るめちゃくちゃ嬉しい映画

「自己同一性」についての映画だと思った、それはみんな思ってるか

昨日の自分と今日の自分が全く同じ人間である保証はない(ある事柄に対して持つ意見や考え方が変化
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

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ゴッドファーザーよろしく、I・Ⅱとは少し毛色の違う最終章
暴力大喜利エンタメに振ってる前2作も普通に大好きだけど、北野武扮する大友が「終わり」に向かっていく今作にはソナチネの頃の張り詰めた静謐があって
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

芸術映画の傑作をハリウッド的に翻案するうえで、哲学的要素はぜんぶ無くして娯楽に振り切ったのね..まあそれがハリウッドとしては正解か...と思いながらもまあまあ楽しく観てて、うんまあこんな感じか、と思っ>>続きを読む

パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

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天竺鼠川原チャンネルを観ているようだった 50年前にも天竺鼠川原みたいなふざけ方でファンを獲得している人がいるというのは、考えてみれば当たり前なんだけど面白い

たまたま昨日アントニオーニのザ・不条理
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

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2回目
映画館で聴くAcross 110th Streetは幸福
なんといっても間抜けデニーロが愛おしすぎる映画
パムグリアをもう一度光り輝かせるために作品をつくるタランティーノの愛をひしひしと感じる
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欲望(1966年製作の映画)

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不条理劇の「なんか分かんなくてカッコいい」の体現みたいな作品...やっぱりパルムドール獲ってる作品って「今まで見たことないもの」を可視化させ、「抱いたことのない感覚」を喚起させる力があるような気がする>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

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謎だらけでめちゃくちゃ面白くなりそうなところで終わるプロローグ 早くFLOODSが観たい!
このままだと20世紀少年の序盤のエグいワクワク感みたいな状態で放置されちゃう!でもそれはそれで幸せなのかも
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永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

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最近自分で書いたシナリオに「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」を無意識に(安易に)登場させていることに気付いてちょっとへこんだので、他の人の脚本にもそういう役が出てないかを見ちゃう これも多分そう>>続きを読む

麦の穂をゆらす風(2006年製作の映画)

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この世に生じているあらゆる対立に対して「どちらにもそれぞれの正義があるから、一概にどちらが悪いって言えないよね」って外側から冷静に、客観的に、俯瞰で見ているうちは一生「世界の一員」にはなれなくて、でも>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

5.0

いわゆる青春恋愛映画と決めつけて侮るなかれ、というTwitterの評判が気になって鑑賞.......の結果!!!!大大大名作だった!!!!!

最初のシーンから一味違うユニークさに溢れていたし、静かに
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香も高きケンタッキー(1925年製作の映画)

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いったいどう誘導したのか、はたまた偶然の一瞬を辛抱強く待ち続けたのか、みたいな動物の奇跡的な演技はなまじ(クストリッツァとかで)慣れてきちゃってたので、馬の演技がスゴイという触れ込みで伝説的な存在感を>>続きを読む

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

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アルモドバルの映画は展開の激しさがインフレ甚だしい、もはや節操がないとすら感じる、これに慣れて他の映画が味気なく思えてしまわないようにアルモドバルとは距離を取りたい どうしても精神が劇薬を欲している>>続きを読む

歌う女・歌わない女(1977年製作の映画)

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実家で観てたら、両親が大学入る頃に封切りで観た映画らしく、新しい時代が来るんだなあとなんとなく明るい気持ちになれる作品だったというような話を聞けてラッキー、でも45年経ったいま、当時と社会の在り方は全>>続きを読む

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)

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非常に緩慢な群像劇でこれは寝落ちてしまうとずっとヒヤヒヤしていたのがいつの間にかどのキャラにも薄く愛着が湧いてきててダラダラと最後まで楽しめた
エピソードや人物が交錯しそうでそこまでがっつり絡まない上
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