遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

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ヌーヴェルヴァーグ以降のフランス映画を、というかフランスという国そのものを知るために避けては通れない「アルジェリア戦争」を学ぶのにうってつけの映画があると聞いて頑張って朝早く起きて鑑賞

FLN と
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

今朝「エロス」によって緊張感が続く良い映画を観たけど、これは「飲酒」による緊張感がずっと続いていて目が離せなかった
いろんなことが起こって良し悪し判断つけらんないけど最後とりあえず音楽流れて踊って終わ
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

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死んだら生き返れないので死後の世界がどんなものかを生きてる間に知ることは(今のところ)出来ないけど、この映画は聴力を失った人間の世界におそらく限りなく近いものを追体験できる、それはすごすぎる
聴力を一
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

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意味不明なタイミングのスローモーション
複数回ある真面目なキスシーン
壮大なエンドロールの音楽
山田涼介を主役に起用していること
観に来た特撮ファンが大激怒している現象

全部「三木聡のいつものふざけ
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早春(1970年製作の映画)

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「観たことない映画」だった、何にも似てない
エロスがそのまま緊張感になっている

多分シャッタースピード早くして撮ってるから人間の動きがずっとせかせかしてるし、カメラワークも落ち着きがなくてADHDの
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さがす(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

巧妙かつ丁寧な脚本で「複雑な内容を分かるように伝える」ことに成功してる
福田組じゃない佐藤二朗ならもっとどんどん観ていきたいぞと思った!!地獄の泥沼どろどろにまみれた中でもなお、ほんの少し「ひょうき
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

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構成が良いし、ねばっこくない恋愛映画としてずっと集中して観れた
はたから見たらクスリともできないおふざけで、二人は心底楽しそうにしてるイチャイチャのリアルさがすごく良かった!!
伊藤沙莉はどんな台詞で
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

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明るいデニーロ映画として楽しんでいたんだが、10人近いおじさんたちの名前を最後まで区別できなくてクライマックスの入り乱れについていけずちょっと悔しい、とても評価の高い作品だけに
吹き替えでまた観たい!
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CURE キュア(1997年製作の映画)

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「オカルト」に対して反射で冷笑を浮かべる味気ない捻くれ精神を基本装備してしまった僕のような人間にも、丁寧にじわじわと、まさに催眠をかけるように「あり得ない話じゃないかもしれない」と思わせてくる

役所
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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濱口竜介の商業映画第1作で
「濱口メソッドの演技」と「商業映画的な演技」で一人二役を完遂した東出昌大に大喝采を送るべき

伊藤沙莉ってどの映画でも役にどハマりしてて凄すぎるんだけど、実は逆で、みんなが
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最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

4.8

感動ではなく、面白すぎて、良すぎて最後泣いてしまった!!
ほんっとうに最初から最後まで何もかも完璧に最高 ジャケ写で最高の雰囲気を感じ取った人は絶対に観てほしい!! 観てる間ずっっと幸福でした
2
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別離(2011年製作の映画)

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ジャンルとか雰囲気とか前情報なしで映画館でいきなりこの映画に巡り合った人はあそこでエンドロール流れて終わったあとすぐ席を立てたんだろうか?無理だと思う

「頑張っても回避しようがなかったこと」と「態度
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

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「頂点に達さない快楽では受胎はしない、ということは医学的に証明されている」って今聞けば失笑すら湧かない誤謬に思えるけども、700年前には本気で信じられていたと思うと、今我々の信じる「科学」も700年後>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

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まったく衒いのない、時系列のいじくりもない淡々とした語りで戦後の台湾史とその中で翻弄された家族を描く160分
唯一大きな演出効果の依りしろとなるのがトニー・レオン演じる聴覚障害者の文清
 
欧米の歴
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トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

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3人のキャラクターの誰にもうまくハマれず、ストーリーもコーエン兄弟らしくない爽やかストレートで物足りなく感じてしまった

大人相手にも物怖じせずどんな状況でも弁が立つ少女、ってのはわかるけどすぐ弁護士
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駅馬車(1939年製作の映画)

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「見知らぬ同士が一時的に同じ空間に居合わせる」+「移動」という、映画という表現形態における最適解のような設定が「駅馬車」なんだな 不朽の名作であることに強く納得
四の五の言わず誰でもいつまでも楽しめ
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真昼の決闘(1952年製作の映画)

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西部劇としては確かに異色かもだけど、映画としては非常にプレーンで堅実な作品
リアルタイムで進んでいく90分弱のうちほとんどが会話劇、決められた時刻に相手がやってくるという設定のおかげで緊張が保たれる
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

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大作の傑作、大満足の3時間
三部作の三作目が(誰もが認める)マスターピースなの、ありがたい 観ていくモチベーション的に
生活のちょっとした ハッ!という場面で毎回テーマソング口ずさんじゃいそう

テュ
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夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

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悲しきITALIAN BOY(S)

グラン・トリノで描かれる「決して親しい素振りは見せない」生き方はクリントイーストウッドがずっと演じてきたものなのか

音楽最高やね...と思ったら観終わった瞬間か
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荒野の用心棒(1964年製作の映画)

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黒澤オリジナルよりは楽しめた
家族を助けた後に怒ってなかった その方がいいよ

音楽はさすがにカッコよい 音楽でストーリーを語る、ってこの映画から始まったんだ すごいことだ この三部作は観る

用心棒(1961年製作の映画)

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それぞれキャラも立ってるし、画もキマってるんだけど、いまいち食いつけない
アクションが始まると眠くなる 七人の侍もそうだったな、黒澤はあんまりいいや

家族を助けたあと彼らに向かってキレ倒すのはどうい
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

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静かな緊張が続く、人間関係の機微を描いた格調高い映画として評価されてるんだろうなと勝手に思い込んでいたが、それに加えて脚本の構成も完璧でエンターテイメントとしても非の打ち所がなかった ああ、そういうこ>>続きを読む

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

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コメディのやり方をまた一つ知った
でも「食べたりセックスしたりする直前で毎回邪魔が入る」っていう形式はレビュー見るまで理解してなかった

劇場ロビーでシネフィルおじさまに話しかけられて、映画の雑学を沢
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

第二部で終わっても★5.0だった
第三部が来て★2京

「好きとかはもう、わからんくなってしまった でも愛してるの」が一ミリも嘘くさくなくこちらの心に入ってくる それだけで5時間の映画の厚みに感謝す
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

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前提となる知識が足りなくても物語と映像の運びがスムーズなのでずっと楽しめる
毎回役どころが違うからゲイリーオールドマンの顔のイメージがずっとつかない

「市民ケーン」を観てなくても、

◯「市民ケーン
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ピート・スモールズは死んだ!(2010年製作の映画)

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確かに話ややこしくて評価低いのは分かるけど、雰囲気を楽しむ映画として文句なく成立してた
ブシェミもティムロスもシーモアカッセルも音楽も映像も、休日のぼーっとしたい午後を穏やかにゆるやかに彩ってくれる
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ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

※ケリーライカートの複数作品のネタバレがあります


社会はNHKのようなもので、自分がこの世に生を受けた瞬間からその「恩恵」とやらを無断で浴びせてくる。死ぬまでその手を緩めない。すると我々は成人した
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ディボース・ショウ(2003年製作の映画)

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婚ゲーム
うまく財産分与を得ることを「離婚太り」って字幕出てたけど、そんな言葉ある??
コーエン兄弟の映画の字幕ってかなり挑戦的で、作品に合ってて面白い

やばい何かに気づいて、二人が顔を見合わせて「
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恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(1989年製作の映画)

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ミシェル・ファイファー眼福映画(歌唱もやりきっててカッコ良過ぎる)として満足してるのに、味わい深いラストからのエンドロールでさらに至高へ

頭使わず愉しめて、かつ余韻ももたらすたいへん優れたアメリカ映
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スターフィッシュ(2018年製作の映画)

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次の日もずっと頭の奥のどこかにこの映画がある

ただの支離滅裂に見えて、整理がつかないひとりの人間の精神が共感できるように映像化されている そして混沌に巻き込まれながらついていった先には圧倒的なヒーリ
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

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人生は若さと愛 無限の優しさと静かな幸せ

ひたすらに愛を求め愛を考え続けるゲアトルーズ、この役柄は非常に端的な人物描写だけど、一人一人の心の中に小さいゲアトルーズは居そう
  
物語的展開はほぼ無い
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.7

2年待ってた
み〜んな言うけど本当に「ウェスアンダーソン」というジャンル
幼い頃に初めてプーさんのハニーハント乗って360°絵本の世界に滞在して、夢うつつの心持ちで出口から足を踏み出したときと同じ感覚
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我輩はカモである(1933年製作の映画)

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動きの巧みさで誘う笑いは(2022年現在)全く古びず面白い
台詞回しの妙で誘う笑いはどうしても「(今さら)その段階のひねりじゃ甘い」という感覚を覚えてしまう

悲劇に比べて、喜劇の古典が残りにくいこ
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王手飛車取り(1956年製作の映画)

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シンプル脚本めちゃオモロ
ほぼコンフィデンスマンJP

ゴダールやトリュフォーもカメオ出演してヌーヴェルヴァーグ勢がみんなで頑張って作った最初の短編がこれなのカッコよい そのあと小難しいのばっかりつ
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美しきセルジュ(1957年製作の映画)

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ヌーヴェルヴァーグの始まりの一作として押さえとくか...くらいの気持ちで観たら、めちゃくちゃしっかり引き込まれた 失礼しました

この二人どんな関係なんだよ...と思わされたらいつの間にかのめり込んで
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

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国全体が焦土と化してどん底に落ちた後、10年くらいのくすぶりを経て急速に経済成長を遂げて復興していく、面白いくらい同じ流れを同じ時代に辿っている韓国と日本だけれど、その間ずっと軍人政治が続いていた韓国>>続きを読む