遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

私の中のもうひとりの私(1989年製作の映画)

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いろんな人のレビューを読んで確かにベルイマンぽい、ペルソナと野いちごと両方の血が入ってる感じだとあとから思えてきた 淡々とした語りも いつものウディアレンのやかましムズカし恋愛会話劇とは違うシリアスだ>>続きを読む

ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年製作の映画)

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え、そこで終わるの映画第1位

不確かなものだらけ かりそめのものだらけ
嘘とはなにかということをいつも考えてるつもりだけど、キアロスタミはおれの遥か遥か遥か先で嘘というものを考察して表現していて、あ
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エルヴィス(2022年製作の映画)

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音響良いところで観るべきだったかなあと思いつつ

エルヴィスはもちろん、音楽そのものが好きな人なら2時間40分が長いけど観入ってしまうと思う 欲を言えばもうちょっと曲が聴きたかった!
偉大なるミュー
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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ソヨンが松岡茉優に似ていた
犯罪行為によって結び付けられる擬似家族という設定は完全に是枝監督のソレだった

あまりピンとは来なかったけど、ペ・ドゥナがゆで卵を食べるシーン 黄身がかなり固かった その
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

貧しき女性の逃避行、という意味では系統が似てると思しき「冬の旅」や「リバー・オブ・グラス」はすごく心に残ったのに、この作品はなぜかそこまでピンと来なかった
「生きていく上での強い意志」みたいなものを感
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赤い影(1973年製作の映画)

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逆に、映画館でやってなかったら観なかっただろう
イギリス映画ベスト1位になったりしてるのはかなり不思議だが、ヒッチコック的サスペンスのスリルといわゆるアート映画の論理を超越した映像表現がひとつの作品に
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

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リコリス・ピザの参照元と聞いて鑑賞
10代の、無敵で無鉄砲のくせに傷つきやすくて人の目ばっかり気にしてる感じ 一晩に起こるあれやこれやの1秒1秒すべてが愛おしい、ずっとラジオから音楽が流れてるのでノス
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草の葉(2018年製作の映画)

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カフェで盗み聞きする会話の断片
ひとりの人間はあらゆる物事の断片にしか触れられないけど、そうして触れたあらゆる断片はひとつ残らず自身の人生と関係していく
ユーミンは作詞のネタ集めのために日がな一日バス
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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この映画の「良いところ」を書き始めたらキリがない
強いてひとつだけ挙げるとしたら

音楽が鳴り出すタイミング
30曲以上の全選曲のセンス 
アラナ・ハイムのキュートでストレンジで忘れられない顔
クーパ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

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なにをもってして「自己決定」なのか
「それは空気を読んだり周りに流されたりして選んじゃった/選ぶしかなかったことで、真の自己決定じゃないんじゃないの」って他者がどこまで判断して良いものか

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

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マイク・ミルズの映画は本当に優しい 悩み苦しむ人間への愛に溢れている
子供が子供のうちから持ち始める人生の疑問と不安と悩みは、大人も全く同じように抱えている、
誰もが似たような、けれどその人固有の問題
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

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観終わってからジワジワと、ジワジワと沁みてくる予感がしている 効用を最大限まで高めるために家出てフラフラ歩いてる

役所広司はうなぎもEUREKAもこの作品でも全部似たような役どころだが、役所広司の「
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

妻と妹が偶然似てて、はちょっとズルすぎてそれで成立させてんのよくわかんない テニスのシーンの緊張感と回転木馬のユニークなクライマックスはさすがだった

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

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「常にダルそう」「ヤバい状況でもふざけた返事をカマして余裕そうに振る舞う」「本当に道義に反した奴にはガチでキレる」というバリバリテンプレの"ハードボイルド"的カッコつけがのっけからオンパレードでもはや>>続きを読む

(1972年製作の映画)

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「監督と編集技師が二人で映画をチェックしている」という状況設定をされて、スクリーンの向こうから観客側をずっと見つめられ続ける体験 こっちも負けじと見つめ返している スクリーンという名の一枚の布を表と裏>>続きを読む

(1971年製作の映画)

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全く関係ない二つの話を(「編集」という映画の魔法で)同時に見せることで、観客が勝手に二つの話の関係やつながりを妄想し始めることの面白さを狙ったのかな、そういう実験だったら面白い
というのが既に映画を
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.7

「ずっと帽子をかぶっている脱毛症の子」が 帽子をかぶっているのは社会による「普通」の押し付けである という当たり前の過酷な現実に気づかされる
どんなに「受け入れられた」としても「"普通"から外れた人
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沈黙(1962年製作の映画)

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観てる間は、これはデヴィッドリンチ並みのカオス映画だから意味を求めちゃいかん ただ目の前の映像に没入しろと自分に言い聞かせてたんだけど、終わってちょっと考えるとバリバリ考察捗るメタファー映画じゃんとな>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

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飾りなく無駄なく衒いもない筋と演出がシンプルゆえに強力すぎる 古い価値観とか俗っぽい時代性が全くないから、リマスター?の綺麗な映像も相まって 今年封切りの新作と言われても信じられそう 無人島で本当に4>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

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リビング・トリロジーより作品の意図が明確で分かりやすい!なぜなら前作までは微妙にありそうだったストーリーらしきものが今回は完全に存在せず、考察を必要としないから
あらゆる人生、全ての悲喜こもごも 程度
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

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キービジュアルもそうだけど、誰にも救えない絶望を抱えたチョン・ドヨンをどうにもできず後ろからただ突っ立って見ているソン・ガンホ、という構図が何度も何度も出てくる
それが二人の関係性そのもので、観終わっ
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龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

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言ってしまえばジジイのゆったりオーシャンズ8なのだが、殺人とか右翼とかをビビるくらい軽いギャグとして消化するところに「他の監督の映画では観れない感」がある

アウトレイジとは真逆のほのぼの日常が進んで
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風が吹くまま(1999年製作の映画)

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世界の一部を広角レンズで切り取って何気なくかつ興味深く観せたらキアロスタミの右に出る者居なすぎる そう思うと桜桃の味はかなり分かりやすく望遠でピント合わせにいってるな

人生に起承転結なんてないでし
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ウェディング・ベルを鳴らせ!(2007年製作の映画)

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「めでたいのに、静かすぎる」ズドドドド

目一杯息吸って大口開けて人工呼吸のキス

どんちゃん騒ぎの多幸感の奥に悲しみが湛えられているのはいつも通り 明るい明るい不条理 それに加えて今回は伏線回収も
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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35年前の前作は実は序章でこれが本編なんです、と言われたら納得しちゃうくらい120点の続編だった 一応前作観といて良かった!

何より35年ぶり60歳手前のトムクルーズがたまに全盛期のヒューグラントに
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カップルズ(1996年製作の映画)

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「エドワード・ヤンの恋愛時代」のラストが今まで観た全映画のラストシーンの中でもトップクラスに好きだけど、それに匹敵するラスト なぜならロスト・イン・トランスレーションだから ロスト・イン・トランスレー>>続きを読む

愛、アムール(2012年製作の映画)

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大きく一周してセブンス・コンチネントに戻ってきたような直球のハネケ
今まで数々の「目を覆いたくなるような社会の暗部」を真正面過ぎるくらい真正面から映してきたのがハネケだけど、それでもそれらは「身内に犯
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オールド・ボーイ 4K(2003年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

改めて観て、あらゆる多様性の尊重を目指していくこの世界でもおそらく「ラスボス」のひとつになるだろうタブーへの、真っ向からの切り込みをした映画だと思った 最も昔から(概念として)認められ、最も忌避される>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

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マンガ読んでてアクションシーンが始まると台詞がなくなってドン!とかガッ!ってデカ文字となんか激しい絵だけが何ページも続いて何が起こってるか分かんなくなるから決着がついたページまで無心でめくって毎回おれ>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

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全てのシーンに充分な時間が与えられていて、画面の中で起こる出来事や人物の感情に思いを馳せるのと同時に自分自身の人生観や記憶を省みることができる余白がずっとあった こんなに丁寧に映画をつくったらそりゃ3>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

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こんな世界線に生まれなくてよかった〜 と いやこれ我々の現実のカリカチュアだよな〜怖 が50:50で精妙にバランスが保たれている感じ レアセドゥめちゃくちゃ助演女優賞

アンブレイカブル(2000年製作の映画)

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定番どころの設定オンパレードだけど、その組み合わせ方とそれらの演出方法に妙な目新しさがあって飽きずに観てしまう ご都合主義すぎるところも散見はされる
続編がある、って知ってるから序章として充分楽しめ
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

絶望的な現実と向き合うべきなのか、現実から逃げて空想のロマンに浸りつづけていていいのか、哲学(の入門)書を読んでるとだいたい「両極をリズミカルに行き来できればいいのだ」みたいなことがカッコよさげに書い>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

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わたし という存在をこの世界に紹介してやるよ、どう思うかはてめえの自由だ、という強固な意志を感じる 飾らなさという意味でパーマネントバケーションより肝据わっててかっこいいし、20代前半にしていかなる時>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

揶揄ではなく、中高生の時に観たら「すげ〜!!!そういうことだったのか!!
!めちゃ面白!!!」ってなると思う 今は「確かにそういう使い方できるね〜」くらいの冷めた感心になっちゃう あと細かいこと気にな
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ウルトラマンの知識ほぼ皆無でもそれなりに楽しめた 考察とかはできないけど、何かで見た「エヴァはウルトラマンが現れなかった世界線」って話はなるほどな〜と思ったし、ウルトラマンがどうして世界を救ってくれ>>続きを読む