どど丼さんの映画レビュー・感想・評価 - 24ページ目

The Long Goodbye(原題)(2020年製作の映画)

4.5

【2022年アカデミー短編実写映画賞 ノミネート】

リズ・アーメッドのアルバムとワンセットのPV映画。リズも属する南アジア系英国人・ムスリムの尊厳が軽視され、ブレグジットによる移民排斥リスクが高まる
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オーディブル: 鼓動を響かせて(2021年製作の映画)

4.5

2022年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート

アメフトが聾者にも向いたスポーツだったとは。普段当事者の声を聴く機会が無いから、こういう作品が賞レース入りするのは◎。悲しみや苦難を乗り越え
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嘘喰い(2022年製作の映画)

3.5

あああこう言うのが観たかったんだ!!賭ケグルイにカイジを塗したような作風、面白くない訳がない。ババ抜きでこんだけ引っ張れるの凄いですよ。あと顔が良い! 顔が良い……! 中田秀夫監督、ホラーではなくこっ>>続きを読む

私の帰る場所(2021年製作の映画)

4.0

2022年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート

アメリカ西海岸地域のホームレス事情に3年密着。アフガン難民を描いた「Flee」とは違った「帰る家がない」状況。経済的な理由から9.11、障害
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ベナジルに捧げる3つの歌(2021年製作の映画)

4.0

2022年アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート

アフガン難民キャンプの青年の視点から見るアフガンの現状。彼が捧げる3つの歌が示すのは、それぞれ全く異なる状況下での「希望」と「幸福」の追求。
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ことりのロビン(2021年製作の映画)

3.7

2022年アカデミー賞短編アニメ賞ノミネート

ハートフルストップモーションアニメ。とにかくディテールが凄い……! スプーンやボタン、お皿で作られたネズミたちのアンダーグラウンドの世界。クオリティに感
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Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む(2022年製作の映画)

4.0

とあるTinder恋愛詐欺師を被害女性3人が告発するドキュメンタリー。

世界中の女性を口説き落とし金を巻き上げていくあまりに器用な手口に最早感動してしまった。彼女たちの勇気は素晴らしいが、なんと彼は
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.4

近未来の話に驚くばかりのノスタルジーを感じる。美しすぎる水彩画タッチ。2008年って地球温暖化の話が各方面で取り沙汰されていた時期ですよね。

累 かさね(2018年製作の映画)

3.9

二人の若手女優が織りなす愛憎ドラマに斬新な設定が立体的に作用した、非常に見応えのある作品だった。狂気に陥る役者を演じる役者・土屋太鳳、あまりにプロすぎて完全に引き込まれた。

原作者先生のベタ褒めコメ
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.8

戦時下で英国諜報部がドイツに行った伝説の欺瞞作戦を映画化。超奇天烈な作戦成功の舞台裏、一筋縄では行かない緊迫した騙し合い合戦に、湧き上がる内輪同士の不信。嘘のような本当の話に口開きっぱなしの2時間。0>>続きを読む

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

3.5

公開後瞬く間に罵詈雑言の嵐が飛び交い、あまりにも気になって観てきてしまった。あれ、、面白かった、、、

開始数分でこれは金のかかった河崎実作品だと気づき即世界観没入。政府の後始末への対応が少々雑だけど
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生きる(1952年製作の映画)

3.9

イギリスのリメイク版から遡って鑑賞。「生きる」とは何かを問う普遍的なテーマは作品公開から70年経った今も全く色褪せない。リメイク版は大筋は同じですげえなと思いつつ、官僚主義を徹底的に悪として見せるオリ>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.8

底辺興行師が「メンタリズム」を武器に成り上がろうとするお話。ずっと頭の中にD●igoと星●とみがチラついてた笑。

テーマ的な真新しさはなく、この内容で2時間半は長い笑。ただ、世界観の担保に定評しかな
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.5

アフガンを亡命した青年が、その苛烈な過去を語るアニメーション×ドキュメンタリー映画。フォーマットが特殊なので、今年の賞レースでアニメ映画賞や国際映画賞、長編ドキュメンタリー賞など色んな部門にノミネート>>続きを読む

ナショナル・シアター・ライヴ 2015「フランケンシュタイン」(2011年製作の映画)

4.5

ベネが怪物役orフランケンシュタイン博士役を日替わりで演じたNTL舞台の映像作品。ベネas怪物版にて鑑賞。これまで見たベネの演技で一番衝撃的だった。

出だしからフルスロットルで得体のしれない怪物に完
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バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年製作の映画)

3.5

ストーリーだけでなく映像の作り方がゲームの世界観に忠実に沿っているのが好印象で、しっかり凝られたクリーチャーの気持ち悪さも堪らない◎。原作愛はとても感じるが、忠実だとそれはそれで映画フォーマットには合>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

オスカー・アイザックがギャンブルする話。

……という程度の情報量で観た方が良い作品。最初の1時間ぐらいナニコレ状態で「オスカーの顔が良い…」ぐらいの気持ちで観てたら、途中で明かされる驚きの過去に、ギ
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真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

3.9

「れんれん〜〜😍😍😭💕✨」つって行ったらびっくりした。「ファイトクラブ」のオマージュが効いてると話題の作品。原作はあまりに陰鬱な文字列に読み進める気概を持てず途中で挫折してしまったのだけど、あの世界観>>続きを読む

一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.7

なんかトレンドにあったタイムループ短編。またタイムループかよと思いきや、二重にビックリするオチの付け方が最高……!

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

4.0

バカンスに訪れた大学教授の主人公が偶然出会う人々と交流し、彼女の過去が明かされていく中で詳らかになるのは、女性の生きづらさ。結婚や子育てが女性の仕事や趣味の自由を奪い(特に保守的な家庭では)、でもそれ>>続きを読む

マーベル・ワンショット:”チーム・ソー”のその後(2018年製作の映画)

3.7

ダリルの家にソーと入れ替わりでグランドマスターが住んでる体の話。地獄すぎる笑笑。シリーズで一番収録時間長かった笑。

マーベル・ワンショット:”チーム・ソー”結成(2016年製作の映画)

3.7

シビルウォーの裏話と言いながら本編と辻褄が合わない別バースの話(多分そこまで考えてない笑)。オーストラリアに滞在中のソーがダリルという一般人の家に居候してる体の話。なんかボラットみたいだった笑笑。ソー>>続きを読む

僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

4.0

ジョージ・クルーニーがベストセラー自伝小説を映画化。(クルーニーの自伝ではない)最近監督業多いですね。

激しめの青春映画・ドラマ映画が世に溢れ返る中、逆に新鮮な王道サクセスストーリーで良かった。マッ
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アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

4.0

アンネの"空想の友達"が現代に現れるという驚きの設定。難民やマイノリティの迫害が各地で巻き起こる現代は、アンネが求めた理想の世界になっているか……?未だ争いの絶えない社会の改善を、彼女の遺志を以て訴え>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.0

黒澤明監督「生きる」イギリス版リメイク。オリジナルで志村喬が演じた役をビル・ナイが好演。制作に黒澤プロダクションが関わっており、脚本はカズオ・イシグロが担当。監督は南アフリカに住んでるらしい。日本では>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

今年の賞レースで大注目のノルウェー作品。監督はラースフォントリア御大の甥っ子、ヨアキム・トリアー。「オスロ3部作」なるシリーズの最終作だけど単体で問題なし。何となく取っ付きづらそうだけど、とても観やす>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

4.5

2021年のベネチア映画祭金獅子賞受賞作。妊娠中絶が違法の1960年代フランスで、予期せず妊娠した大学生が勉強を続けるためどうにか周囲にバレないよう堕胎しようとする話。

こんなに息の詰まる映画体験は
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アネット(2021年製作の映画)

5.0

何だこれは……!? これまで観たミュージカル映画史上、最も鮮烈で刺激に満ちた衝撃作だった。

激しく静謐ながら鮮やかな色彩に満ちた映像美、それを彩る壮大な音楽、そのどれもがシュールでユニーク。これらの
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.9

仮保釈中の囚人が借金を返そうと拾い物の金を換金しようとするが、色々あって本来の持ち主に返そうとした結果、善行として大々的に"英雄"視され、でもそううまくは行かず……という話。

彼が穴だらけの偽りのヒ
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ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

4.5

群像劇タッチで令和的な「結婚」観を問うドラマ作品、すごくよかった。

結婚そのものに対してかなり否定的なスタンスで、登場する男性が悉く女性蔑視的だから、この作品がやり過ぎだという声が上がるのも分かるん
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ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ(2020年製作の映画)

4.0

クイーン、オアシス、コールドプレイ! アーティストの自由な創造力を刺激し、数々の伝説的ヒット曲を生み出したのは田舎の音楽スタジオ。急激に移り行く音楽の歴史を最前線で見守ってきた地を起点に語られる、群像>>続きを読む

マクベス(2021年製作の映画)

4.0

シェイクスピアの四代悲劇、名前だけ有名でお馴染み「マクベス」をこの時代にまんま映画化。

これは権力に縋るための悪に屈しきれない"善人"を描いた話だと思っていて、このレベルの人間ドラマが17世紀初頭に
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ジョー・ベル ~心の旅~(2020年製作の映画)

3.6

学校内でゲイである事を公言していたことでいじめを受けていた当時15歳の少年ジェイデン・ベル。その父親ジョーが彼と共にイジメについて講演しにニューヨーク中を回るという、実話を元にしたロードムービー。>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.2

グッチ家版ゴッドファーザー。実話の脚色具合は去ることながら、グッチ全面協力だけあり登場する衣装や小道具がオシャレofオシャレ! 名優達の演技合戦も迫力あって最高、ジャレッド・レトよ笑。よくこんなブラッ>>続きを読む

消滅(2021年製作の映画)

3.4

「異物」シリーズ4本目。1作目「異物」からの直接の続編、内容はタイトルから察せる通り。一番難解だった気がするけど、各作品のテーマを集約させ、「人間讃歌」的なメッセージを一番ハッキリさせてくれる。田辺桃>>続きを読む