どど丼さんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.9

凄かった。メジャー大作シリーズの殻を被った、クリエイターの趣味全開のイカれた歴史映画。マシュー・ボーン大暴走。今までと毛色違いすぎる。比較的マトモな「アイアン・スカイ」みたいな。なぜ「キングスマン」で>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.3

スパイダーマンの直後に観る映画じゃねえだろ笑。「トリコロール」シリーズ2作目、「青の愛」と同じ喪失と再生の物語で質感も似ているのに全く違うアプローチでめちゃくちゃ面白い。珍しくストーリー性がハッキリし>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

軽く放心状態のパニック状態で混乱していてどうしようもないですごめんなさい
本当にありがとう、出会わせてくれてありがとう、本当に本当に、ありがとう……!!!!

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

4.5

ドッペルゲンガー物、世にも奇妙な物語も名監督の手に掛かれば敵無しアート。赤を多用した叙情テイスト溢れるコントラストに腕の鳴るカメラワーク。全てが計算され尽くし、他の追随を許さないアートに昇華。

ポー
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.0

綺麗に完結した筈の傑作シリーズの続編、正直いる?と思っていたが、誰よりも制作に懐疑的だったのは監督本人だったと……。

どうせやるならと監督が伝えたい社会批判的なメッセージをブチ込んだ挙句、マトリック
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マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.4

思いの外よかった。オクタヴィア・スペンサー、マジで最高だな。彼女はサイコパスではなく精神を病んでおかしくなってしまったのであって、彼女の過去を思うと結構同情してしまった。

そんなことよりアンディ役の
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The Hand of God(2021年製作の映画)

4.0

名監督が撮る半自伝映画って、面白いかどうかは別にしてエモみと重厚感が半端ない。美しく伝統のあるナポリの街と、家族や周囲との関係性、巻き起こる様々な出来事を懇切丁寧に美しく切り取りながら、青年のありのま>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

【レビュアーの皆様へ勝手なお願い】
「聾者」「聾唖者」「健聴者」は言葉として差別用語にあたるので、「ろう」「障がい」など、偏見を助長しない書き方にした方が良いです。映画の紹介や字幕がそうなってるから大
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決戦は日曜日(2022年製作の映画)

3.9

攻めまくり選挙風刺コメディ!二転三転する"落ちるための"選挙の行方に釘付け。緩く楽しめるけど、突くべき所をグサグサ突いてくる。政治関係者が見たらヒヤッとしそう。ちょっと抜けてるけど人間味のある宮沢りえ>>続きを読む

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

4.4

絶望からの再生、原動力は真実の愛と音楽。「トリコロール」の「青」だから、愛からの自由がテーマだと思うのだけど、全編通してその自由への葛藤が描かれていて、煮え切らない終着点はフランス映画らしくて良い。>>続きを読む

エール!(2014年製作の映画)

4.1

AppleTV+が26億円で配給権買い取ったことで話題になった「コーダ あいのうた」のリメイク元。家族映画としても、青春映画としてもめっちゃ良かった。聾啞者の生活、普遍的な家族観、村の様子と保守的な価>>続きを読む

Two(2021年製作の映画)

3.6

スペイン初カルトホラー。起きたら見知らぬ男女二人が体を縫合されていた! エログロ、緊迫感、予想のつかないミステリー。70分だけどコンパクトに楽しめる良作。監督ないしはプロデューサーが核心のテーマを描き>>続きを読む

ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.7

人口900万人に対し公営の救急車が45台しかないメキシコで、違法に救急車を営む一家のドキュメンタリー。警察には目をつけられ、利用料は強く請求できず、人々から称賛も受けない、でも無いと医療インフラが回ら>>続きを読む

G.I.ジョー(2009年製作の映画)

4.0

キャラクター堪らん世界観堪らんアクション堪らん!!チャイニング・テイタムのカッコ良さエグエグだけど、スネークアイズVSストームシャドーが激アツすぎる!イ・ビョンホンかっこよすぎ、ズルい、めっちゃ好き。

Pure Japanese(2022年製作の映画)

2.4

ディーン、ブチギレーー
おディーン様が追究する「真の日本人とは?」国外活動も多い彼ならではのテーマも面白いけど、何よりテレビでは見られないおディーン様のぶっ飛びスプラッター殺陣&諸々アクションが最高o
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

3.6

「ベニスに死す」超絶美少年の過去と今。その美貌ゆえに世界から注目され、知らぬ間に性的搾取を受ける恐怖。どんな人も人であるし、その権利を無碍に扱うことは許されない。苦労しながらも過去と向き合い、今を生き>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.3

今年のアカデミー作品賞筆頭候補。北アイルランド紛争下のベルファストに先祖代々住んできた一家の少年目線で綴られるドラマ映画。ケネス・ブラナー監督の半自伝作品だそう、めっちゃ良かった。

予告編観る感じハ
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ベニスに死す(1971年製作の映画)

-

作品自体が曰く付きなのであまり評価はできないのだが……。時代も時代のイタリア映画なのでちょっとテンポ感は受け入れ難くも、美しい風景をバックに人間の心理を映す古き良き技法が巧みに使われているし、ダーク・>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ブロードウェイ原作だけあって音楽やキャストの演技は勿論良い。本心を歌う時はバラード調、嘘を誇張する時には明るいポップ調で歌う所とか、青春ミュージカル映画として巧いと思う。脚本が大分微妙、胸糞7割で、残>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

4.0

最高! 昨今のアメコミ映画では珍しく王道ストーリーだけど、可愛いが過ぎるエディとヴェノムの掛け合いや、とにかく実写で観たかったカーネイジの暴走を存分に味わえた時点で大満足! ソニーだからか意外に日本推>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.8

カンピオン監督の作品を初めて観たが、感情の魔術師と言って良いのでは。西部開拓時代全盛期から少し経った1920年代を舞台にマッチョイズムの衰退と個の在り方を描いているので、西部劇といっても現代的なテイス>>続きを読む

ネガティブ・スペース(2017年製作の映画)

3.8

荷造り系ストップモーションアニメ。アニメーションがとにかく美しく、荷造りの様子なんか可愛くて見入ってしまう。ラストの解釈が難しいのも短編ならでは、埋まらない空虚感のメタファーとも、完璧ではなかった父親>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

4.1

信仰→迫害→恐怖→狂気!! セイレムでお馴染みニューイングランドを舞台に描かれる家族の崩壊劇、お見事すぎる。ファンタジー色の強い伝承要素とリアルな集団パニックの配合が抜群。監督の頭の中にあったのであろ>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.5

オシャレで郷愁に満ちた60年代ロンドンの街並みと音楽への拘りはエドガー・ライト炸裂。それ以上に驚かせてくれるのは予想もつかないミステリーと想像を絶する怪奇ホラー! 油断して行ったら凄いもの観てしまった>>続きを読む

DAU. 退行(2020年製作の映画)

2.0

フルシチョフのスターリン批判を経て全体主義の色も薄くなったソ連の研究所を舞台にした(という設定の)6時間にわたるモキュメンタリー。

「ナターシャ」同様、当時のソ連を現代に甦らせるアプローチは面白く、
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デスティーノ(2003年製作の映画)

4.0

なんかディズニープラスに来てた。ダリとディズニーのコラボアニメーション企画を2003年にリブート発表した作品。「??」状態だったけどダリっぽいテイストの絵が動いていたし、意味不明なところがまたシュール>>続きを読む

シンプソンズのプラス・アニバーサリー(2021年製作の映画)

3.7

シンプソンズとディズニーキャラクターたちがディズニープラスのアニバーサリーをお祝いする特別アニメ。お馴染みのディズニーキャラクターは勿論、買収されたマーベルやスターウォーズのキャラクターも夢の共演! >>続きを読む

トーキング・ヘッズ2021(2021年製作の映画)

3.6

1980年の「トーキング・ヘッズ」をモチーフに、オリジナルの監督亡き今、ほぼ同じ質問を過去の関係者に尋ねていく模様を納めたドキュメンタリー。2021年だけあってZoom実施!

1980年のオリジナ
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トーキング・ヘッズ(1980年製作の映画)

4.5

ポーランド全土が民主主義への熱を高め、「連帯」と呼ばれる国民的反共労働組合が結成された1980年に撮られ、同時点での幼児〜100歳の老人に至るまでの大量の人々がありたい姿や望みを話すという作品。ディヴ>>続きを読む

異なる年齢の7人の女性(1979年製作の映画)

4.4

バレリーナの人生を7人の別人を使って年齢順に映し出したドキュメンタリー作品。まずありそうで観たことがなかったこの表現技法に驚くし、十数分でこれだけ心を揺り動かされるほど切り取り方が巧い。花は咲くまで時>>続きを読む

ある夜警の視点から(1977年製作の映画)

4.1

"ある夜警の視点から"ソ連支配下におけるポーランド全体主義を批判的に描いた作品。リアルに全体主義思想に染まりそれを正義と捉える人間を十数分映し出されるだけで圧倒的な違和感と苛立ちを覚える。当時の彼にと>>続きを読む

映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(2021年製作の映画)

3.4

待望の新作。個の意志を否定する思想、即ち社会主義・全体主義に繋がる悪しき思想を否定する文脈で民主主義国家内部における生の在り方が問われる。本作は生々しい現実社会を愛らしい小怪獣達の世界に置換する事で我>>続きを読む

ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.4

シャンチーと同じ監督って誰が思うよ笑。誰もが傷を抱えていているし、誰かが寄り添うことで初めて人は救われる。何気ないワンシーンの美しさやブリー渾身の演技に見入ってしまう。何より舞台になっている若者向けの>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

2.9

ソ連全体主義体制下の社会を再現したセットで役者を生活させてみる「DAU」プロジェクト第一弾作品。

確かにセットや当時のソ連の再現度は凄い気がするし壮大なプロジェクトの片鱗も垣間見える。モキュメンタリ
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.3

古き良き雪山ミステリに現代的な要素が絡み合いながら、華麗な伏線回収をキメていく怒涛の展開に驚愕!あまりに美しく無駄のない構成に感動。超絶オススメ!

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.5

途轍もなくよかった。「RENT」のジョナサン・ラーソンの出世作になった自伝ロック・モノローグ作品を彼の半生を深掘りしながら描く映画ならではの映像表現で、一人の劇作家のドラマがとてもよく垣間見れる。彼の>>続きを読む