どど丼さんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

RENT/レント(2005年製作の映画)

4.2

思いの外よかった。映画自体は13年前、元の舞台は25年前の製作だけど、このレベル感でそれほど違和感なく多様性が描けていたことに驚いた。セットもキャストのパフォーマンスも楽曲も最高。ストーリーは端折って>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.2

テニス界の女王ヴィーナス&セレーナ姉妹を育てた実父、通称「キング・リチャード」をウィル・スミスが演じたヒューマンドラマ。めちゃくちゃ良かった……!

邦題にある「ドリームプラン」はリチャードが実際に書
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EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(2021年製作の映画)

3.7

壮大な贖罪と愛の物語。長く追いかけてきたファンには堪らない最終作なのでは。前作でミーツしてしまった人類と仮想人類の共存と対立、そして全ての元凶である二人の顛末と新たなる希望。追い切れずともキャラクター>>続きを読む

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(2018年製作の映画)

3.4

チンプンカンプンだった前作、今作で何となく方向性が分かってきた。おそらくこのシリーズはTVアニメやスピンオフのコミック等でそれぞれ本筋の世界から分岐している、あるいは全く異なる世界で各々の話が展開され>>続きを読む

交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1(2017年製作の映画)

3.0

タイトルは知ってたけど初見。冒頭30分近いロボットアクションは素晴らしく見応えがあり、凝った作画と少々アバンギャルドな演出に引き込まれる。

その後のTVアニメ版の総集編が謎。少年の成長と親子の絆に焦
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.9

今年のパルムドール受賞作は完全にキマったカルト映画。摩訶不思議な設定世界観に初めこそ戸惑うものの、観ていくうちに「多分この監督クローネンバーグ狂だ」と認識できるので、怒涛の奇天烈展開もニコニコしながら>>続きを読む

アレックス(2002年製作の映画)

3.7

なかなか強烈だった。時間を巻き戻していく演出は結構好きだし、グロい印象を与える赤基調の色使いや激しいトラッキングを伴うカメラワークには強い芸術性を感じる。時間も、人も大切にしようという痛烈な教訓をもた>>続きを読む

ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

3.8

殺りすぎ!笑

オールスター復讐劇、過去作のキャラクターもまさかの登場で、町の宿敵ブギーマンに立ち向かう。地方都市コミュニティの連帯と閉塞の両方を感じられる演出が良くて、単なるスラッシャー映画に止まら
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PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)

3.5

メインの2人は両方とも黒人女性で、一方は黒人として制約の中で生き、もう一方は白人のフリをして生きているという対比構造。白人のフリをして生きる(=passing)黒人が存在したという事実を知れただけで価>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.6

ワイスピキャストトリプルコンボの豪華アクションコメディ。「セントラル・インテリジェンス」の監督と聞けば納得の緩いコメディタッチにアクション俳優3人の安定感抜群のアクション。話のノリが「コンフィデンスマ>>続きを読む

ハロウィン(1978年製作の映画)

4.0

伝説の始まり。王道だけど、マイケルさんのルックと不気味さはなかなかの発明。突然マイケル視点に変わる不穏なカメラワークや、ジョン・カーペンター監督自身によるシンプルでキャッチーなのに周波数多めの不快BG>>続きを読む

アルベルトの手紙(2021年製作の映画)

4.0

「あの夏のルカ」スピンオフ短編、アルベルト君のその後。人間として生きることを決めたアルベルトの奮闘が詰まっていて、ちゃんと頑張ってる😭と嬉しくなった。本編同様、違う環境でも頑張ろう、と勇気をくれる作品>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.5

2時間にわたるMVのようなノスタルジックでエモい作品。「花束みたいな恋をした」と比較してしまうと、個々の描写が弱くぶつ切りで感情移入し切れず、サブカル記号もそれっぽいだけに見えてくる。ただ、森山未來と>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.7

オシャレ。別段話が面白いわけでも無いのに惹きつけられてしまうこの求心力。永瀬正敏若いしブシェミの顔が良い。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

オマージュ先の「ちょっと思い出しただけ」を観たので改めて。低予算かつ全て似通った舞台装置のオムニバス短編集でここまで面白くできるのは凄い。1本目のウィノナが強調されがちだけど、コントでしかない2話とか>>続きを読む

(2021年製作の映画)

3.4

今年の東京国際映画祭の個人的クロージング作品は、「牛」。1時間半、ひたすら牛。一般公開されたら邦題は「牛の瞳に映る世界」で良いと思う。

とにかく家畜牛をカメラで追い続け、説明もなく淡々と撮り続けた作
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.8

良かった……! 「ナイト・オン・ザ・プラネット」にオマージュを捧げたジャームッシュ風のコメディ要素を加えながら、青年同士の甘酸っぱく切ない恋愛模様を丁寧に描いた秀作。演出面がとにかく巧く、どのカットも>>続きを読む

ヴェラは海の夢を見る(2021年製作の映画)

3.9

人生初、コソボ映画。夫の死を機に家族関係が拗れ、人間の虚心と欲が詳らかになっていく苦しい展開に、滲み出る社会&ジェンダー格差。

もしこれがアメリカ映画なら非常にベタでつまらないと思うが、治安の良くな
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.3

美しく壮大な人類愛の物語。自然と人間を対比的に描くクロエ・ジャオが監督と聞いた時には驚いたけど、これまでのMCU映画史上一番VFXが効いていたし見せ所はしっかりジャオ監督で最高だった。賛否両論な理由も>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.9

同じ街の話だけど各話独立したオムニバス形式。ウェス・アンダーソンはウェス・アンダーソン、良くも悪くも変わらない美的センス。小難しい御託をシャラメ君が捲し立てる3話が好き。

毎度疲労感の強い監督なのに
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犬王(2021年製作の映画)

5.0

湯浅正明劇場が過ぎる中世日本の世界観と、洗練された古風でパンクな作画・演出の数々。そして何と言ってもアヴちゃん!あっけらかんとしているようで熱情を秘めた犬王のキャラクター性とハイトーンが奮いまくる力強>>続きを読む

タミー・フェイの瞳(2021年製作の映画)

4.0

敬虔な信仰心が翳り、人間の欲望と悲哀を露わにしていく怒涛の展開。衝撃的なルックは勿論、第一声から本当にジェシカ・チャスティンなのかと見紛う憑依っぷりには驚愕! パフォーマンスも素晴らしい!タミー本人の>>続きを読む

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

1.0

日本の多様性意識の低さが浮き彫りになる作品。

これは映画というより原作が問題なのかもだけど、アウティングに乗じて周りもアウティングしたり、同性愛者が自殺未遂をしたから同性愛について教室で議論するとか
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偶然と想像(2021年製作の映画)

3.7

濱口監督がコメディ撮ったらこうなるんだ! 淡々としているようで難しい感情の起伏を込めたキャストの名演に、くっきりとした起承転結。監督特有の演出が光る、監督ファンには堪らない一本(三本?)。

リスペクト(2021年製作の映画)

3.7

60年代当時のアメリカでは弱い立場にありながら、ゴスペルの女王にまで登り詰めた一人の人間の夢と葛藤、そして差別との闘い。ジェニファーの熱演と歌声に込められたアレサの見事な生き様には強い「リスペクト」を>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

4.2

「ハロウィン」新作予習のため鑑賞(違う)。面白い……!アクの強い一家の様相と裏の裏をかくミステリーに、70年代邦画ノリが最高にマッチ。今見ると不思議なカット割や演出が面白く、普通のミステリーの筈がカル>>続きを読む

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

3.9

今泉節全開で独立映画感が強く、ゆったり心地よい時間を過ごせた。主人公の高校生と彼女を取り巻く周囲の変化、なかなかベタだけど今泉テンポに上手くハマってちゃんと独自性がある。鈴鹿君の醸し出す空気感が本当に>>続きを読む

これは君の闘争だ(2019年製作の映画)

4.1

日本人には馴染みが薄いかもしれないブラジルの政治・社会の状況。若者たちの軽妙でポップな語り口のお陰でとても観やすくなっていたし、程度は違えど政治に対する不満や貧困やマイノリティの問題には日本人目線でも>>続きを読む

キャンディマン(2021年製作の映画)

4.0

上映直後は下記のような感想を書いたが、鑑賞後数日経って前作の要素を用いてふんだんにアート性を発揮した演出力と、現代に繋がる黒人差別に対するメッセージ性を強く残す静のインパクトに、他には無いこの作品の凄>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.4

同名デンマーク映画のリメイク、あんまり覚えていなかったけど話ほぼ同じ、山火事だったり若干のアメリカナイズな追加要素はほぼ蛇足だが、元が良いので面白いことに変わりはない。あの話をジェイク・ギレンホールで>>続きを読む

マクロス7/銀河がオレを呼んでいる!(1995年製作の映画)

3.7

ほぼオマケながら「マクロス7」の世界観が分かるし、ミンメイへの言及なんかもエモい。ギャグアニメ。このシリーズ、作画の迫力と安定性はシリーズ随一では。

あれ、鳥……?

マクロスFB7 オレノウタヲキケ!(2012年製作の映画)

3.2

「マクロス7」の総集編ビデオを「マクロスF」のキャラクターたちと一緒に観る映画。斬新笑、この総集編のために、7ではなくなぜかFの新規カットが結構ガッツリ入ってる。評価散々だからヤバいかと思ったけど、短>>続きを読む

マクロスプラス MOVIE EDITION(1995年製作の映画)

4.4

デッカルチャー……。傑作すぎて言葉がない。後に「カウボーイ・ビバップ」がクリティカルヒットし、「ブレードランナー」「マトリックス」の外伝アニメの発注を受けたりしてる渡辺信一郎監督の出世作、マクロスだっ>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.3

圧倒的重厚感、圧倒的モヤモヤ。なぜ今になって出演者ほぼ白人・レイプ描写ガッツリとポリコレ配慮のカケラも無い今作をディズニーが配給できるのかと思っていたが、むしろ今だからこそ時代性と倫理観に対する違和感>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

3.7

司馬遼太郎の傑作小説、何度目の映像化。詰め込み感は確かに感じたが、そもそも原作自体が1〜2冊で収まっている話なんで、テンポ良く程よい時間(2時間半)で土方歳三の人生を追いかけられたと思う。歴史ファンか>>続きを読む

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(1984年製作の映画)

4.3

これがマクロスのオリジンなのか、、デッカルチャー、、、

アクションも楽曲も完全燃焼を目指すFやΔなどの近作と比べると、両方ともが激しすぎずバランスよく丁寧に描かれており、手描きアニメとしては非常に深
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