早見沙織信者さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

早見沙織信者

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漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~(2024年製作の映画)

2.1

 画質も音質も脈絡もめちゃくちゃで、かなりたじろぎながら見たのだが、「漫才協会」なる団体に対する監督の愛情は伝わってくる。しかし、最後のナレーションで「劇場からTVに"ステップアップ"」とか言ってて、>>続きを読む

かくしごと(2024年製作の映画)

3.0

 個人的によくやる「勝手に2本立て」で、同日公開の『あんのこと』と題名がよく似ているから、という理由で2本つづけて見たのだが、何なら題材も似ているうえに、『あんのこと』の主役は杏という名前だし、河合青>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

3.1

 河合優実が覚せい剤を打ちながら買春に及ぼうとして、相手がラリって倒れて、逃げようとしたけれどいつの間にか逮捕されていて、取り調べでいきなり佐藤二朗がヨガを始める。この序盤の一連の流れで、本作の良い点>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.2

 パラグライダー的なものをバイクで浮かせて襲撃する描写とか、感心してしまった。ジョージ・ミラーって毎日こんなことばかり考えてるのだろうか。
 しかし序盤でアニャ・テイラー=ジョイの母親が乗馬する動きが
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

2.2

 前篇に輪をかけてサムい。アニメとしてちっとも魅力的でない。

 この2作の美点というか個性があるとすれば、ミスマッチ感――つまり、奇矯なデザインのキャラクターが繰り広げるのっぺりした日常と、「世界の
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ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

2.8

 オラオラ系・マッド系・ふわふわ系と、いろんな系統の美少女の細やかな表情を描きわけており、見応えがある。特にアグネスタキオンは上坂すみれの抜群の巧さもあいまって興味深いキャラクターになっていると思った>>続きを読む

正義の行方(2024年製作の映画)

3.3

 ところどころスタッフの声が聞こえる。その場その場で態度を変えているのかもしれないが、基本的には、「シロ派」つまり弁護側に寄っているように私には思えた。中立が理想の姿勢だとすれば、ちょっと寄りすぎ、と>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.3

 いや、力作だ。國村隼が素晴らしい。私が知る「柳田格之進」では描かれない、ふたりのなれそめが、良い味を出していると思う。
 ただ作劇の都合上――清原果耶と関係するキャラが必要なので――原作における番頭
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.2

 序盤めちゃくちゃなことについて、終盤で言い訳してくる。でもその言い訳がさして面白くないので、これなら別にそのままドガチャーンって終わらせれば良かったんじゃね、と思った。中盤までには、それが許されるく>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.3

 カフェで出会うシーンがツカミとしてバッチリすぎる。その後も良いシーンは多い(飛行機内でのあれこれ、コアラが出てくるシーンなど)が、だんだんそれなりのロマコメに落ち着いてしまうのはいささか淋しい。
 
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またヴィンセントは襲われる(2023年製作の映画)

2.8

 「目があうと襲ってくる」という設定から、ははーん、切り返しがキモになる映画ですね……と一人合点して見にいったら、別にそんなことはないのであった。
 場合によって襲われたり襲われなかったりするのがスリ
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トラペジウム(2024年製作の映画)

3.1

 序盤から台詞で要約しまくりだし、一部キャラなんかほとんど背景が描かれないので、駄目だなあと思いながら見ていたのだが、だんだん、これはどうも……良くも悪くも、危なっかしいなと。めちゃくちゃ好意的に解釈>>続きを読む

リバウンド(2023年製作の映画)

3.1

 俳優たちが実演する試合シーンは迫力がある。ただ、試合の経過が「司会による実況解説」という言語的な描写に終始する点は、違和感をおぼえずにはいられなかった。『THE FIRST SLAM DUNK』以後>>続きを読む

マイ・スイート・ハニー(2022年製作の映画)

2.9

 グイグイくるキム・ヒソンがキュートでたまらないのだが、放屁や「ハザード」など、ユ・ヘジンの特異なユーモアが終盤でほぼ活かされないのが痛い。というか、後半は個人的に好ましくない演出が多く、前半の貯金が>>続きを読む

アンタレス・デ・ラ・ルス:光のカルトに宿る闇(2024年製作の映画)

1.8

 前半がカルト教団の内側の物語(「救済」とか「闇との闘い」とか、そんなの)をひたすら垂れ流す作りで、わかりにくいうえにことさら面白くもない。やたらナレーションの主が変わるのも混乱する。
 あとNetf
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

2.8

 『秒速5センチメートル』みたいな、どうかしているオブセッションの話なのに、撮影の美しさと音楽でなんか「大人の切ない恋愛」的なものに収束させようとしていて、めっちゃ違和感。絶対キモいって。そんなこんな>>続きを読む

世界の終わりから(2023年製作の映画)

1.8

 これが本当の個人映画。冒頭に「KIRIYA PICTURES」って出てきて笑ってしまった。いや、でも、全部ひとりでやらないと、こういう変な映画は作れないなと思った。よくも悪くも変。
 だって夏木マリ
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ROOKIES -卒業-(2009年製作の映画)

1.1

 まあ何も期待していなかったのだが、新キャラ(らしい)2人を全く描けていないのでドラマもへったくれもない。というか、効果音と音楽とスローモーションに頼って「感動シーンっぽい場面」をやってるだけ。虚無に>>続きを読む

ヴィクラムとヴェーダ ヒンディー語版(2022年製作の映画)

3.0

 「タミル語版」と続けて見た。ほぼ完コピ。サイフ・アリー・カーンと奥さんとのなれそめという超どうでもいいエピソードから、最後の演出まで……で、見終わってから監督の名前見て「(オリジナルと)同じ人なのか>>続きを読む

ヴィクラムとヴェーダ(2017年製作の映画)

2.5

 本作における「善」「悪」の定義、いささか戯画的にすぎる気もするのだが、それより、それを説明する際の台詞・演出の面白くなさが個人的には辛かった。あとラスト、主人公ふたりでだいたい殺しているのはもう善悪>>続きを読む

あの夏のルカ(2021年製作の映画)

3.7

 『インサイド・ヘッド』とか見て勝手にピクサー・ステューディオを見限り気味だった私ですが、自らの不明を恥じました。日本で劇場公開されないだけで、良作をガンガン作ってたんだなと。
 魚人間⇔人間のトラン
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

 人類史上未曽有のスペクタクルを成立させた人物「オッペンハイマー」を、CGに頼らないスペクタクルに固執するクリストファー・ノーランが描く……という必然性はよくわかったし、トリニティ実験の爆炎を無音でと>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.0

 冒頭の白黒パート、ザック・エフロンとリリー・ジェームズがダイナーで抱擁するまでの流れなど、節度の効いた良い映画だなあと思いながら見ていたのだが、だんだん困惑の度合いが大きく……このお話で、何を伝えた>>続きを読む

ハート・オブ・ザ・ハンター(2024年製作の映画)

-

 アメリカ映画の出来損ない。面白くなる気配がまったくないので途中で離脱した。
 そもそもタイトルのフォントがダサい。

さらばわが愛、北朝鮮(2017年製作の映画)

2.9

 いちおうの目的らしい幻のフィルム探しが途中でうやむやになるあたり構成としては拙いのだろうが、出てくる関係者たちがさすがに肝の据わった人物ばかりで見応えがある。特にハン・ジンという作家の奥さんの、亡き>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

2.6

 原作未読で観賞。見終わってみて、全篇がいわゆる「フリ」であることに驚いた。謎が山ほど残されており、それらは後篇で解き明かされるのだろうが、後篇公開までの2か月間、私のなかに芽吹いた興味を生き永らえさ>>続きを読む

遠いところ(2022年製作の映画)

3.9

 映画研究塾塾長が「世界レベル」と評していて「またまた~」と思いながら見たらちゃんと傑作だった。ビガッ!!!!

 子どもが遊んでいるさまをとらえたカメラが、ゆっくり後退して窓をまたぐと、室内でまどろ
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猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

3.8

 キレそう、可愛すぎて。黒目の大きさで感情を表現する手法が素晴らしい。
 しかも犬派・猫派に同時にアピールするこの周到さ。ちなみに犬のほうはピットブル。この映画だとやさしそうで可愛いけど、平常運転で年
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

1.7

 雰囲気映画のニュー・スタンダードというべき作品で、死ぬほど眠い。「ウユニ湖きれいだなー」とかで楽しんでいられたのは最初の数分で、あとは愛がどうの永遠がどうのと、上滑りする台詞の応酬にうんざりしてくる>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.8

 めっちゃ好き。主人公4人組のキメポーズがいちいち可愛くて最高。表情の豊かさもたまらない。何より、アビーのキャラが面白すぎる。

 2002年のトロントが舞台、とあるが、監督のドミー・シーが1989年
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俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー(2024年製作の映画)

3.0

 ジョン・シナが職業倫理をあらわにする中盤部が良い。こういう不器用な役が本当に合っている。ザック・エフロンも、いつのまにか冴えないオッサン役が板についており感心した。

社長行状記(1966年製作の映画)

2.4

 森繁久彌・小林桂樹・三木のり平がBeatlesをパロ(ったつもりになっ)ていて感心。ついにそういう時代が到来したかと。
 新珠三千代の自室がすさまじいデザインで良かった。AIに「派手好きな娼婦の住ん
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マニカルニカ ジャーンシーの女王(2019年製作の映画)

2.5

 カンガナ・ラナウトが美しい。前半はほぼ着せ替えショーみたいなものである。
 しかし後半でいよいよ戦争がはじまると、いつのまにか追放された城に戻っていたりして、なにか見逃したかしらという気持ちになる。
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

-

 動かない!

 「でもさすがにどこかで動くだろ」という期待もしっかり裏切られた。私はゴダール全然見てないんですが、最後までこれというのは、さすがゴダール……という感じだ。
 唯一ハッとさせられる瞬間
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ニューヨーク・オールド・アパートメント(2020年製作の映画)

1.7

 今年のワースト候補。すべてが古い。画調の安定しなさが辛い。

 童貞捨てるシーンが酷い。

カントナックの財宝(1950年製作の映画)

2.5

 『とらんぷ譚』で気づいていたはずなのだが、今回あらためて思った。サッシャ・ギトリの「間接話法」、苦手すぎる。もちろんそれが個性なのだから、本当に相性の問題なのだが。
 しかしラストで馬鹿みたいなコス
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