きみどりさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

災厄の家(2018年製作の映画)

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兄のように自由に振る舞える大人でもなく、無邪気に甘えられる妹でもない悩める思春期の次男坊の存在が良い。エドワード・ファーロングに似た寂しげなルックも好感。

幽霊がその家庭でいちばん幼い子どもに接近す
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幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

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子どもを産んだ後で「しまった、わたし親に向いてない」と気付いたクチであるため、この映画は針のむしろのようでした。

田中麗奈とクドカンが燦然と輝いている。心ここにあらずという風情の浅野忠信も良かった。
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ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

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なんと言ってもケビン・ベーコンとマリサ・トメイの素晴らしさよ!

ベケット(2021年製作の映画)

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導入部のイチャコラが長過ぎ(年寄りは短気なのよ)君らそれいつまでやるん…からの居眠り運転事故で、フラストレーションは頂点へ。
土地勘のないところで深夜に運転すな! 眠くなったら5分でいいから車を停めて
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

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ジャームッシュもゾンビものとなると、学生映画のノリになっちゃうのかしら? 
酷評をちらほら聞いていたので、かなり期待値低めで鑑賞したせいか、それなりに楽しんだ。

ところでティルダ・スウィントンが非人
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つぐない(2007年製作の映画)

4.0

イアン・マキューアンの原作『贖罪』は、オールタイムマイベストの一冊だけれど二度と読みたくない作品でもある。
マキューアンの小説に繰り返し登場するのは、取り返しのつかない一瞬だったり、ささやかな選択で人
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おと・な・り(2009年製作の映画)

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日本経済が復活(バブル的に)するかもという幻想の名残が漂っていた時代のお話。
フラワーアレンジメントでフランス留学というお金持ち設定が、2010年代以前にはありえたのですねぇ。

岡田准一の部屋に転が
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愛しい人から最後の手紙(2021年製作の映画)

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家に帰るまでが遠足と言うならば、恋愛ものは破局してこそ物語が完成すると思っているので、この結末にはとっても不満です。
道ならぬ恋の行き違いは、行き違ったままの方が美しく思い出が残る。事情をあれこれ説明
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

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シャイア・ラブーフの自伝的作品。

『トランスフォーマー』で大スターになってほどなくして、映画の話題よりもゴシップでばかり名前を見かけることが多い時期があった。結婚してあっという間に離婚して。
ただそ
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群がり(2020年製作の映画)

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可愛いヤギと犬がかわいそう。
あとあの素敵なご近所さんも。

親が度を越した自然派になってしまうと被害を被るのは子どもだよなあ。

クラシック・ホラー・ストーリー(2021年製作の映画)

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あらー。意外と面白かった!

タイトル通りにクラシックなホラーかと思いきや…これはメタ的な映画と言っていいのか?(「メタ」という言葉の使い方がいまいちわからん)。

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)

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オードリー・ヘプバーンの美しさと衣装が5億点。

ただ2020年代の今この映画のテーマは、いくらクラシックと言われてももう無理だなと思った。
イギリス人の階級意識、ホモソーシャル、ミソジニーがてんこ盛
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

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トリクルダウン理論:富は富裕層から低所得層に自然に滴り落ちる。

このロジックを視覚的に分かりやすく運用したらこうなりました。な、スパニッシュ意地悪映画。

ポジションの異なる人間を説得することはでき
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ローズの秘密の頁(ページ)(2016年製作の映画)

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『ライアンの娘』+『マグダレンの祈り』

アイルランドにおけるカトリック教会やコミュニティの、とくに女性に対する抑圧は繰り返し描かれてきたテーマだけれど、やはり改めて観ると辛いとしか言いようがない。
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フランクおじさん(2020年製作の映画)

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ポール・ベタニーとソフィア・リリスの叔父姪の関係がとても良かった。年ごろの姪に「もし望まない妊娠をしたら自分に助けを求めなさい」と言ってあげるところからの、『ボヴァリー夫人』を貸すシーンが最高に良い。>>続きを読む

フィアー・ストリート Part 3: 1666(2021年製作の映画)

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数シーズンに分かれたドラマじゃなくて、三部作の映画で一気に見せる構成が良かった。
こういう企画って、無名の若手俳優が大勢出てくるのが良いなあ。この中から数年後の大スターが生まれるかもしれない。

個人
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ブラッド・レッド・スカイ(2021年製作の映画)

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ハイジャックされた飛行機にいた病気のシングルマザーが実は…。

可愛い息子がお母さんのために頑張るんだけどちょいちょい余計なことをしでかす。犯人グループにやたら好奇心旺盛なサイコパスがいる。強欲な投資
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女は冷たい嘘をつく(2016年製作の映画)

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もともと幸薄役の多いコン・ヒョジンがこれでもかというくらい気の毒な役回り。あんまりだわ。

愛を読むひと(2008年製作の映画)

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ベルンハルト・シュリンクの原作小説を先に読んでいるので、イメージが壊れるのを恐れて長らく手が出なかった本作。ドイツの物語を英語圏の俳優が演じる無茶ながら、ケイト・ウィンスレットがとにかく良かった…!>>続きを読む

フィアー・ストリート Part 2: 1978(2021年製作の映画)

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セイディー・シンクが『ストレンジャー・シングス』で世に出たとき、主演のミリー・ボビー・ブラウンより絶対に出世すると思いましたが、その後の出演作が聞こえてこないので勝手に心配してました…。杞憂でしたね、>>続きを読む

フィアー・ストリート Part 1: 1994(2021年製作の映画)

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気軽なホラーを求めてポチったら思いがけない佳作だった。こちらが無心というか無欲な時に、こういう幸運に巡り会えます(^^)

しかし途中からいきなり容赦ない描写が出てきて腰を抜かしましたよ…。

ラブレス(2017年製作の映画)

5.0

バスルームの隅で嗚咽する子どものショットを見たところで、もう止めようかと思った。
傑作だけど二度と観たくない映画オールタイム入り。

できることなら観たことを早く忘れてしまいたいが、無理だろう。

ノクターン(2020年製作の映画)

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同じ芸術の道を志した双子の姉妹でも、能力には歴然とした差がついてしまう。姉を乗り越えたい妹が取った手段とは。
という構成は、わりとよくある物語。とはいえ、若い俳優たちがチャーミングだったのと、寄宿学校
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マシニスト(2004年製作の映画)

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今年の2月からダイエットを始めた夫が、すいぶん痩せた。3キロくらい落とせたらいいな、というところからじわじわ体重が落ち続けてついにマイナス10キロ。まだ減量は続いている。
半年前はほんのちょっと太めく
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チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

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前シリーズもオリジナルも観ておらず、ただクリステン・スチュワートだけを目当てに何の期待もせずに観たのがかえってアタリでした。楽しかった!

エリザベス・バンクスが監督してるんですね。共和党顔(ゴメン)
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ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)

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脚本がテイラー・シェリダンで、マイケル・B・ジョーダンで、ジェイミー・ベルという、どう料理したって美味しくなりそうな素材を使っておきながら、お出汁ひくのを忘れた料理のような、なんか残念な作品。いやこれ>>続きを読む

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ(2015年製作の映画)

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80年代のカルトB級ホラー映画の中に入り込んでしまった、今どきの若者たちがいろいろ頑張るコメディホラー。
ホラー映画の文法を使って難所をくぐろうとするあたり『キャビン』ぽくて良い。

死んだママに映画
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

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うーん、吉高由里子なら人殺しでもいっかぁ。…いや、ダメです!

何をやっても「ちょっと様子がおかしい」吉高由里子の変さ具合が最高に生きた作品。今はまだ若くて可愛い役ばかりだけど、この先彼女がどんな中高
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第8日の夜(2021年製作の映画)

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若い修行僧がとにかく愛くるしい。
『サバハ』のときにも感じたが、同じアジアでも、日本と韓国では仏教の扱いがずいぶん違うなあ。
そもそも日本で仏教系ホラーってあったっけ?

あのおっかない女子高生がそり
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トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

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なにもかもが驚くほど大味。

未来の兵士に『ハンドメイズ・テイル』のセリーナ・ジョイがいたのが唯一の俺得でした。

まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人(2018年製作の映画)

3.5

生後まもなく別々の家庭に養子に出された三つ子の兄弟が、奇跡のような偶然の再会を果たす。
19歳という年齢と、そっくりで愛嬌ある三つ子ということで彼らはいっときお茶の間のアイドルに祭り上げられるが…。
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マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと(2008年製作の映画)

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ハリウッド的に盛ったであろう主犬公の暴れん坊ぶりには、いかに犬好きでもいささか引く。あれはさすがに飼えないと思う。

でもこれ、ただの犬物語じゃないのですね。

計画の通りに人生すごろくの駒を進めるこ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

*リコーのコピー機が大活躍*

文芸翻訳を志して真剣に勉強していた時期があったので(でもって、挫折した)この設定は本当にメシウマでした。

複数言語でわちゃわちゃやりとりする場面はまさに多言語の妙味。
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ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

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音楽はまったく詳しくないので、若い頃になんとなく買ったCD類はほとんど処分してしまった。思い入れのあるものはほんの十数枚。その中に『ペットサウンズ』は捨てがたく残っている。

いやーこんな背景があった
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教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

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可もなく不可もないウディ・アレン作品。可もなくとは言ったものの、この水準で何十年も撮り続けるのは神技だと思う。

実体なのに漫画のようにデフォルメの効いた顔してるエマ・ストーンはコメディエンヌ向き。た
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ゾンビの中心で、愛をさけぶ(2018年製作の映画)

4.0

*2021年クソ邦題コンテスト暫定1位です*

関係の冷え切った若い夫婦が、ゾンビの蔓延る世界で二人きりサバイバル生活を送るお話。
集合住宅の一室でお外はゾンビでという設定そのものは、もはや珍しくもな
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