みきてーさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

みきてー

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他人の顔(1966年製作の映画)

3.7

安部公房×勅使河原宏ってこんなに洒脱なのかぁ。2017年にラピュタ阿佐ヶ谷でやってた特集上映行きたかったな。

ストーリーは、有り体に言えば夫婦の痴話喧嘩なんだけど……美術と観念的な台詞の応酬が60年
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君も出世ができる(1964年製作の映画)

4.3

2024年映画初め、景気のいいものが見たくてチョイス。昔、杉谷一隆氏(振付稼業air:man)がイマジネーションの源泉と語っていてずっと見たかった作品。ミュージカルシーンはyoutube等でも見られる>>続きを読む

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

3.7

ずっと日本上陸を心待ちにしていたので見られて本当に嬉しかった!インターネットを根底では信頼していないロブ・サヴェッジの作風、好きだ。

実際のシンガーソングライターを本人役で起用する気負わなさに好感が
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コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.8

吹き替えで見たせいか1が全然笑えなかったので、続編の方が楽しかった。肩の力を抜いてちゃんと製作者の意図通りのところで気持ちよくハラハラドキドキできる娯楽作。従って北と南の奇妙な愛憎とかポリティカルサス>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

ツッコミ不在の殺し屋コントみたい。無口なのに独白がめちゃくちゃ多くて、マイワールドへ浸ってる感が強いファスビンダー。自分ルールが物凄い数ある割に、言ってるそばからルールを自分で破ってしまう。本人はあく>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.5

視界にも入っていなかったのに、ホラー界隈がいち早くざわついており見に行ったら超超超面白かった。私これから先、鬼太郎見るたびに切ない胸の痛みを携えて生きなアカンの?入場特典開けて号泣するなんてはじめて。>>続きを読む

法廷遊戯(2023年製作の映画)

3.5

予告の丁々発止な騙し合いムードは虚偽広告で、ふたを開ければ硬派な法廷ものだった。令和二大目が死んでる俳優によるアンサンブルが贅沢である。間に挟まれる杉咲花は添え物ヒロインに留まらず、狂気に満ちた演技を>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

4.0

スカイフォールのどでかいネタバレがあるから気を付けろ!

連帯と信念は歴史をも動かす。こういう実話の翻案は再現ドラマにならないよう作るのが難しいと思うのだが、主人公が幻視するリチャード3世の存在がファ
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.8

石井裕也すっっっっごい苦手だけど今作は好き。

違う主題の2編をつなぎ合わせたように前半/後半のテイストが全く異なる映画である。そこに違和があるというよりは、主人公の決意表明によってキャラの行動原理が
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.9

軽いノリの中にも「自然と動物は大切にしような!」という真摯なメッセージが見え隠れする。順当にいい人と動物に優しいヤツが生き残るのがその証左であった。

結構な人数が登場するのに、1人も余計なキャラが出
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ココ・アヴァン・シャネル(2009年製作の映画)

3.1

美術展との連動企画上映にて。

ファッション界を成り上っていくカタルシスにはまったく目を向けず、「女」として規定されることへの抑圧にフォーカスしている味わいが意外な作品だった。

シャネルは青年期をベ
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.9

関東大震災の著書上梓を控えている森まゆみ先生とお話する機会があり、色々と懐疑的な意見をお聞きしたので「過去の森監督作のように、撮影主体に感情移入しすぎると裏切られるタイプの映画かな」と思って臨んだが…>>続きを読む

百日紅 Miss HOKUSAI(2014年製作の映画)

3.3

絵を描くことは「私は世界をこのように見ています」という観念の表明だと思う。彼女の栄枯盛衰ではなく観念の話だったので、分かりやすい起承転結に乏しいのは惜しいところであるが、誠実に絵描きに向き合った映画で>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.5

AIの設定など整合性が破綻している点も多々あるが、ギャレスが自分の手で作りたいものを撮り切った達成感が漂っている。そこに尊さを見出したい。ラストカットの爽やかさがいい。

ずいぶんと安価なカメラで取っ
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リゾートバイト(2023年製作の映画)

3.8

2ちゃんねるホラーシリーズ、どんどんやってほしい!元となる匿名の書き込みに著作権がないからこそできる突飛な改変だ、と感心していたら原作者に「日向麦」なる人物がクレジットされていてビックリ。どうやって見>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.7

ケイト・ブランシェットは佇んでいるだけで重心になってしまうようなカリスマがある。今作ではかなりオーラを消して主婦然(この言葉使いたくないけど)とした演技をしているものの、どうしても「普通」の枠におさま>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

3.8

周りの人が全く見ていなくて寂しい。これは結構な掘り出し物でしたよ。無垢×悪意のストッパーの効かなさは、不気味なのに直視したくなる。それは私が映画を見たくなる行動原理と同じなのです。

『童夢』は20年
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.1

フリーメーソン部屋でお尻をぶたれるシーンis何。

ジェシー・プレモンスが出てきてから、物語のトーンは明らかに変化する。テンポよくスピーディーに進むいつものスコセッシ節から、ズーンと重厚に。長回しも多
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.5

話の筋は別段魅力的ではなく、とにかくキャラ立ちと配役の良さで押し切る作品。

座長として頼もしい格好良さの安藤サクラはもちろん。山田涼介は演技がかった台詞回しのうさんくささが、逆に人物の厚みに偶然繋が
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.0

リン=マニュエル・ミランダのスコアは噂通り全部素晴らしく、コロンビアの民族的美学を反映させた衣装、背景は見目好い。けれどストーリーラインに乗れなかった。家族はずっと運命共同体!な美徳が全然好きじゃない>>続きを読む

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.6

劇場で見たら多分年間ベストどころか人生の1本になってたかも。ラストカットが美しくて今際の夢みたいな映画大好き!日本盤DVD出たら買おうっと。

バビーは一緒にいる人の言葉をすぐに復唱する。それは彼の未
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ザ・パクト 白蜘蛛の呪縛(2018年製作の映画)

2.0

いくらなんでも画面が暗すぎて液晶明度最大にしても何が起こっているのか全く分からなかった。凝った画作りをしているのにもったいない。家庭鑑賞には向かない作品だと思う。ルールも曖昧で難解。

FUNAN フナン(2018年製作の映画)

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いい映画なのにも関わらず、起こることが辛すぎて途中から倍速視聴するという初めての体験……。起こって欲しくないことが全部起こる。しかも製作者による作為ではなく、監督の御母堂の記憶がベースというから一段と>>続きを読む

コリアタウン殺人事件(2020年製作の映画)

3.6

突然の配信終了、セルDVDもまっっったく市場に出回らず、もう二度と見られないかと思った。面白いとか怖いとか感じる以前に、拝むことができるありがたさに包まれる。インターネットで見るご神体。

実際に起こ
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JO1 THE MOVIE『未完成』-Go to the TOP-(2022年製作の映画)

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日プ女子に大ハマりしてしまい、新ep更新まで待ちきれず過去日プ見てたらJO1まで沼ってしまった。

愉快な11人が好きな人にはいまいち評判が悪かったらしい「Process JO1」。私はその真面目でシ
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ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの(2012年製作の映画)

3.6

前作『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』と比べてアートコレクションが作品名・作者名共にしっかり映るので見やすい。ハーブ&ドロシーと言いつつもハーブ主体の話に甘んじていたところが、今回はもっとド>>続きを読む