NMさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院(2005年製作の映画)

3.8

数年前のヒット作を今更ながら観てみて感じたのは、ここ最近よくある動画と共通するものがあるなということ。例えば大自然のなかでセリフ無しで素朴な調理をして淡々と撮影したものとか。山のなかのパン屋とかソロキ>>続きを読む

エスケープ ナチスからの逃亡(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも危険な環境で生き抜くことをめざした、勇敢で賢い少女の物語。
舞台はほぼ農場一箇所なのに色んなハプニングがある。奇跡的に難を逃れ続けるのもスリリング。
そしてクライマックスは緊張感が走り、映画
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ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪(2015年製作の映画)

3.0

自分に自信のない一人の人間が、何を糧にして何を目指したか、参考になる。
それにこれ一本観るだけで現代美術への興味がぐぐっと湧く。
手を膝に置いてじっくり観たくなる作品。

ロンドン。働く女性自体貴重な
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博士と狂人(2018年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

事実をベースに脚色を加えたドラマ。
辞書を作るという作業には研究や事務作業のみではなく、その他にも超えなくてはならない問題がたくさんがあった。
情熱的な編纂者たち、多くの協力者、それにやっかみで足を引
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疑いの中で(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

後味が悪いとだけは聞いてあったので助かった。知らずに観ていたらラストにもっとびっくりしていただろう。
サムネイルの、老人と若者が和やかに会話している様子はミスリードのためのチョイスにさえ思える。冴えな
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ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜(2010年製作の映画)

3.3

ゲーテと『若きウェルテルの悩み』の誕生までがモデルとなっている。
設定は原作と異なる箇所あり。
ゆったり始まり、後半からスピードアップしていったイメージ。
一応恋愛カテゴリーだが、ラブラブキラキラロマ
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

3.7

なんだこの映画は。素晴らしい。
てっきり老人が日常を通して孤独を噛み締めたり家族とコメディチックに生活していくだけの話かと思っていた。全く違った。
実は家族みんなでほのぼの観るような作品ではないと思う
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.5

観始めると主人公の強烈キャラになんだかアニメっぽくてつまらなそうと個人的には感じていた(もちろん設定説明だから必要だし仕方ない)が、途中からどんでん返しもあり非常に面白かった。
真剣味が増し、戦争や社
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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018年製作の映画)

3.0

『マンマ・ミーア! 』続編。1作目を観てからじゃないと時間軸とかごちゃつくかも。

俳優陣の歌唱とダンスが良かった。俳優は全体に若め。
物語ははちゃめちゃで楽しい。ハプニングの連続。たくさんの人物が出
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星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.5

あまり星が高くなかったので期待しなかったが予想外に良かった。一度観て良いと思う。
途中の冒険は様々なジブリ作品に似ていた。ラピュタ、トトロ、もののけ姫。だからこそつまらなくなる心配はあまりないといえる
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

成功の裏で辛い人生を送った人。見ていてつらい。
その分ラストは感動。
主演のゼルウィガーが全て吹き替えなしで歌唱しているのも見どころ。

ジュディ・ガーランドは子役時代、厳しいプロデューサーやステージ
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欲望のバージニア(2012年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

アクションとかギャングとか旧いアメリカとかハードボイルドとかが好きな人におすすめ。


禁酒法時代、バージニアの田舎町。

三兄弟と助手一人とが密造酒を製造販売していた。町の人たちからも信用がありよく
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ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

3.3

女性が苦労する話なんだろうというところまでは想像できたが、それだけの話ではない。
女性が差別されてはいるが、裏を返すと男性だって差別されていることに気付かされ、平等というのがいかに複雑か思い知らされる
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ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ピーターたちが、家を守ろうとするホーム・アローン状態のニンゲンと知恵対決、そしてやりすぎたウサギもニンゲンも最後に反省する物語。ウサギ側が勝って終わりかと思いきや、善悪二分の単純な話ではなく、結末は意>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

これはおすすめ。
『ダ・ヴィンチ・コード』等を手掛けたダン・ブラウンの小説より映画化。『インフェルノ』を出版する時作った環境がストーリーのもとだとか。
気軽に観ようとしたらきちんとストーリーを把握した
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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.3

アムロがドアンたちと出会い農作業などの生活をじっくり描いたあとでいよいよ戦闘が始まる。
その反動が鮮烈且つ悲しい。機械好きの少年がこの小島の人々を守るために敵軍を殺していく。何が正しいのか、正解が見当
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怪盗グルーのミニオン危機一発(2013年製作の映画)

3.3

月を盗んだのを最後に怪盗から足を洗い3人の子どもを引き取って今はいいパパをしているグルー。ミニオンたちとは地下工場でクッキーとジャムの開発をしている。

グルーは終始、子どもたちには子どものままでいて
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怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年製作の映画)

3.3

本当にこのグルーという人物が魅力的。
パート2も3も味が薄まることがなくますます好きになれる。
これまでに明かされているとおり彼が悪党になったのには理由があり、そして今回登場する生き別れの兄弟も幸せ者
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ベツレヘム 哀しみの凶弾(2013年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

世界各地の状況をわかりやすく学ぶのに映画は最適な手段の一つだと思っている。
この作品もここで生きる人々の複雑な状況が垣間見える。
主人公の少年は、テロリストの兄と、イスラエル諜報部の情報屋との間でやむ
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キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜(2020年製作の映画)

3.5

これ一本でキースがどんな人物か大体わかる作り。
別にキースのファンでなくても関係なくおすすめ。ある時代こんなふうに生きた人間がいたという貴重な記録。

キースは多作で膨大な作品を残した。生き急ぐように
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ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を/ブラ物語(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルやポスターの想像を良い意味で大きく裏切ってくる作品。
最初渋い作品なのかと思ったら意外とコメディ、最後はなぜだかかなり満足感。
壮大なストーリーでもよくある日常でもない。
色彩も美しくずっと良
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夏をゆく人々(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

イタリアの映画らしい作品。シュールなシーンも多い。現実的でもありファンタジックでもある。


イタリアの田舎で養蜂を営む一家。
父はとにかく頑固者で頭が固い。仕事人間で、長女のジェルソミーナは12歳だ
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ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.0

なんの期待もなく観始めたけどとても良くてびっくり
ストーリーがとてもわかりやすく小さい子どもにもおすすめ、バトルアクションに難しい科学式や時間空間概念などが使われていない。
しかしもちろんこういうのは
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尚衣院 サンイウォン(2014年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

身分の低い男がその知識と才能を発揮して成り上がったことで、新たな愛憎劇を呼ぶ物語。
既に君臨する王室仕立て師と、若い天才仕立て師との対決。そして王や王妃との関係性の変化。
前半のコメディチックなシーン
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あゝひめゆりの塔(1968年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

戦争映画を観るならこれはおすすめです。
吉永はじめ若く美しい少女たちが戦争に直面し翻弄され散っていく物語。
歌の場面が多く、特に吉永が一人で歌う場面は圧巻。暗い洞窟でもんぺ姿でもこの美しさ。
もちろん
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「そうさ 友達ってのは自分で選べる家族だ」

ダウン症を持つザックは身寄りがおらず22歳の今までずっと施設で暮らしてきた。
職員のエレノアだけは優しかったが、他の職員は彼をウスノロと呼び侮辱した。
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

3.9

後篇。
前篇で膨らんだいくつかのストーリーが更に展開し近づいていく。

新次は職場でついに母キミヅカと口を聞く。
新次に責められて強がるような態度を取り、同期の健二は父を自死に追いやった男の息子だから
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ボクシングは登場するがそれ以外にもたくさんの要素がある作品。全部盛り。暴力描写が苦手な人も試してみる価値あり。
いくつかの話が並行していく。

はじめの舞台は新宿。
新次は以前オレオレ詐欺をしていたが
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ロンドン・ロード ある殺人に関する証言(2015年製作の映画)

3.5

ミュージカル好きなら一見の価値あり。
特にBBCナショナルシアター好きの人、オペラなどの現代版新演出が好きな人。

伝統的な普通の、恋愛や欲望など感情が高まった時に高らかに歌うのとは違う。
普通の人々
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バケモノの子(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

レン少年の母が交通事故死。
父とは離婚していて迎えに来ない。レンは家を飛び出した。

夜の路地裏にしゃがみ込んでいると、ケモノのような人間のような男が通りがかり、弟子になるか?と声をかけた。
警察に見
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おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

学生の花が初めて付き合った人は狼男の最後の末裔だった。
愛し合うようになり程なく結婚、子ども二人を自宅出産した。
しかしその頃彼は事故死してしまった。

妊娠も出産も夫の死も誰にも相談できなかった。
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喜望峰の風に乗せて(2018年製作の映画)

3.5

伝記映画。素人が冒険に出て全編苦悩する。そして驚きの結末。
冒頭はいかにも幸せそうな家庭と明るい性格が描かれるがどうも不穏な雰囲気が漂い、これがどう崩れていくのかというスリルを持って見守ることになる。
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シッコ(2007年製作の映画)

4.0

医療保険制度はじめ社会補償とはなにか。アメリカではどんな悲劇が続いているのか。
他の先進国ではどうなのか。
では日本ではどうか。

国民保険のないアメリカ。
怪我や病気をしたときでも、高額費用が払えな
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華氏911(2004年製作の映画)

4.0

素敵なストーリーのわけはないので個人的には見たくもないテーマではあったが、やはり観て良かった。
この監督はやっぱり作り方が上手いんだなと感じた。事態は恐ろしいが、映画としては素直に面白く観られるよう作
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死の谷間(2015年製作の映画)

3.5

人気小説の映画化。
実際の登場人物は三人だけ。
追い詰められた状況で、それぞれ激しい葛藤が起こる。


奇跡的に核汚染を免れている谷で一人で生き残っていたアン。
豊かな自然に囲まれ、牛や鶏を飼い、野菜
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BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)

3.8

オランダの恐らく初夏あたりの美しい自然が爽やかな印象を残す作品。
大ヒットした『君の名前で僕を呼んで』を思い起こさせる作品だが、本作のほうがその3年前に制作されている。


緑豊かな町で、陸上部の活動
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