moobyooさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

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街の上で(2019年製作の映画)

4.8

下北沢という特異な街の上に、若葉竜也が不可欠に存在する、満を持して練り上げられた紛れもない今泉力哉監督印の映画です。

他愛ない恋バナの諸々に、古着屋、古本屋、小さなカウンターバー、ライブハウスが介在
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.7

誰しも人間の中に潜む何某かの秘密を、ユルいエピソードを積み重ねて可笑しみを交えて描く愉快作です。

竹中直人、山田孝之、斎藤工と云う映画の制作側でも実績のある俳優陣が監督を務めるオムニバス風でいて其々
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.8

凶悪殺人鬼と女子高生の入れ替わりにタイムリミットサスペンスを加味したお約束の面白さで楽しめました。

入れ替わったヴィンス・ヴォーンの女子高生ぶりも後半違和感がなくなるから不思議ですが、ヒロインのキャ
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.7

トンデモナイ映画がゾワっと出て来てしまった。堀貴秀監督がほぼ一人で作り上げたコマ撮りのストップモーションアニメ。

ヘンテコ奇抜エグイ下世話キモイ面白トンマだけど優しい。型に囚われない独創的イマジネー
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ホムンクルス(2021年製作の映画)

3.5

前半のアナーキー&トリッキーな諸々の模写を目の当たりにして、山本英夫氏が描く独特の世界観に、清水崇監督色が意外にも共鳴し、やっと清水崇作品で突き抜けるかも知れないと、見ていてドキドキしました。

ガサ
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サンドラの小さな家(2020年製作の映画)

4.3

阻害と協調の両極を練り込み、人間の尊厳を描き出すヒューマン映画にして、さり気なくエンターテイメント要素も兼ね備える珠玉作です。

夫のDVから逃れ、二人の娘と平穏に暮らしたいサンドラの正当な希望を、こ
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劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班(2021年製作の映画)

3.9

過去と無線が繋がるファンタジックな構成が、アクション刑事ドラマに違和感なく融合し、なかなか見応えがあり、ドラマ繋がりの映画化としてもクオリティが高い作品です。

もともと韓国ドラマの作り直しとしても、
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水を抱く女(2020年製作の映画)

3.7

逃れられない運命を体現する女性の道行は、悲劇でもあり必然でもある物悲しい装いが、何とも後を引く感じです。

水の精“ウンディーネ”の神話をモチーフに、ドイツ分断の歴史を間接的に織り交ぜながら、常にアン
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

ストレートに面白かったです。映画館に足繁く通う身には、コロナ禍公開延期ゆえの多分史上最も数多く映画館で予告編を見た作品でしたが...やっと本編を観られた安堵感も一入でした。

吉田大八監督らしい折りた
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

3.5

良くも悪くもポール・W・S・アンダーソン映画。ゲームをせず知識がなくてもスルッと楽しめるのが何より良いです。基本vs怪獣バトルに重きを置いて娯楽に徹した構成も悪くありません。

ミラ・ジョヴォヴィッチ
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.3

「ホームレスではなくてハウスレスなんだ」主人公のファーンが序盤に語る台詞から、演じる名優フランシス・マクドーマンドの独壇場の演技が永遠とロードムービーに寄り添って行きます。

今は亡き愛する夫と暮らし
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劇場版 奥様は、取扱い注意(2020年製作の映画)

1.9

綾瀬はるかさんのアクション・コメディを見に来たのに、冒頭とクライマックス以外は、料理が上手くなりたい良い奥さんの話って...詐欺ですか?

その少ないアクションシーンも俳優陣は頑張っているけれど、殺陣
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トムとジェリー(2021年製作の映画)

3.5

文字通りドタバタ喜劇として問答無用に楽しい映画です。

我らがクロエちゃんがヒロインなだけで良い部分は別にして、トムとジェリーが持つスラップスティックさを損なわず、ハンナ=バーベラ特有の世界観もきちん
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ミナリ(2020年製作の映画)

4.5

夢と現実の相違は映画にとって恰好のテーマのひとつであり、本作も重厚な作風で一方ならぬ人間ドラマになっています。

アメリカで生活する韓国系移民の一家の姿を通して、厳しくも尊い家族の絆の真意を抑えた作風
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ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)

4.0

豊かで多彩なキャラクター造形に王道のファンタジー・アドベンチャー物語り。もう非の打ち所がないディズニー・アニメーション・スタジオ印の冒険活劇です。

世界が滅びてしまいそうな危機的状況を背景に、優しく
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.3

既にその演技力は周知ですが、佇まいだけでもずっと見ていられる清原果耶さんのズバ抜けた女優力を改めて知らしめる作品で、謂わば変人同士の役柄な成田凌さんとのカップリングも面白いです。

数学馬鹿で人付き合
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.8

近年の吉田恵輔監督作品は毒気での勝負でしたが、本作はあるボクシングジムに在籍する3人のボクサーが歩む三者三様の生き方から奏でる意表を突くまさかの人間賛歌です。

プロだけど万年ブルー“青コーナー”で全
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.3

無限ループの住宅街ヨンダーに隔離されたカップルの顛末を描く不条理スリラー。冒頭の気味が悪い雛鳥の模写から終焉まで、絶えることがない不穏な空気感が漂い続けます。

全く同じ家が無数に整然と建ち並び他に人
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ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

3.9

高校の校舎丸ごと戦国時代にタイムスリップというフィクションとしての映画の面白さは及第点です。

冒頭の何故かゾンビ落武者風な大群に襲われるシーンのグロ模写による予想外な掴みから、主要系キャラが呆気なく
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レイダース 失われたアーク《聖櫃》4DX(1981年製作の映画)

5.0

まさか4DX仕様の4Kリマスター版の復活上映で観る日が来るとは‼︎日本初公開から40年とは感慨深きのナニモノでもありません。

1981年12月5日の公開初日に現TOHOシネマズ新宿の場所にあった新
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.9

2時間35分の長尺、そこに途切れることのない庵野秀明カタルシスが詰め込まれています。エヴァ信者ではないけれど、もう感服するしかありません。

あのキャラに畑仕事をさせる前半の静寂から、後半の大激闘展開
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太陽は動かない(2020年製作の映画)

3.0

日本のアクション映画の位置付けを確実に知らしめてしまった作品です。

アクションもそれなり、特撮もそこそこ頑張っているし、面白くないわけではありません。

だけどアナザーストーリーはWOWOWでみたい
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ノンストップ(2019年製作の映画)

3.9

日本版予告編のハイテンションのまま進行する、今時ハイジャックかよとツッコミながら観るのが正解な、明るく楽しい韓国製アクションコメディです。

かつて一世を風靡した航空パニック映画テイストにスパイアクシ
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ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実(2019年製作の映画)

4.0

まだ存命の方も多いベトナム戦争の帰還者の憂鬱を晴らす要素と、米国が抱える闇を絡ませて、史実とフィクションを混じえてエンターテイメントとして描いています。

セバスチャン“ウインターソルジャー”スタン演
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NO CALL NO LIFE(2021年製作の映画)

2.9

アウトサイダーな男子に恋をする高校生女子を巡るサスペンス絡みのラブストーリーとして残念ながら枠からハミ出していません。

最近、映画制作を積極的に行い出したホリプロ資本の作品にしては、チャレンジした内
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半径1メートルの君(2021年製作の映画)

2.6

オムニバスものは、どうしても一本の作品として纏まりづらい傾向がありますが、本作も然りでした。

全8話に共通であるメインの登場人物2人が喧嘩などの対立状態から始まり、オチはハッピーエンドになる構図であ
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野球少女(2019年製作の映画)

4.0

いわゆるスポ根ものとは一線を画す構成を敢えて装い、その視点の違いによる徹底的に抑えた作風で紡ぐ新たなる野球映画の秀作誕生です。

女子だからプロ野球選手になれないと云う世間体を意に返さず、ひたすら信念
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リーサル・ストーム(2020年製作の映画)

3.6

まぁ難は多いケド、そんなにキライではないスルッと観られるB級アクションです。

プエルトリコにハリケーンが迫り来るなか、避難しない住人達+男女の警官コンビvs隠されたある物を盗みに来た凶悪強盗団との攻
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.8

上流階級でお嬢様育ちな娘役の門脇麦ちゃんと、富山出身で自力勉学で慶應義塾大学に入学したものの経済的事情で中退した庶民枠娘役の水原希子さん。本来のイメージなら逆の方が妥当かもしれない所を敢えて当てた配役>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

4.4

大金の入ったバッグを巡り、それぞれジリ貧の生活に喘ぐ見知らぬ3人の登場人物たちが、予期せぬ連鎖に翻弄されながら、やがて見えない線で繋がり予想外の結論に着地します。

なかなか交わらないで進行する三者三
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世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)

3.7

美味しい料理は人を幸福にするという与件をストレートに表現している食と愛を描いたハートフル作品です。

フィンランド料理は?と問われても答えられません。本作の舞台となる食堂の主力メニューもソーセージとマ
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あの頃。(2021年製作の映画)

4.5

本当に好きなものを見つけて、とことんのめり込む事が出来たのなら、生活環境の格差は二の次として、人生の幸福は得られるのかも知れないと思わせてくれる映画です。

大学院に進めず人生に疲れを感じ始めていた2
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ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

5.0

4K HDRレストア版+DOLBY CINEMA上映にて観了。

平成ガメラ三部作はどれも傑作ですが、個人的には本作『ガメラ2 レギオン襲来』が一番好きです。

脂が乗った金子修介監督の演出と、更に遊
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ファーストラヴ(2021年製作の映画)

2.9

予告編から察するものと激しく違う映画でした。それが良い方に転ばなかったのが残念です。堤幸彦監督の一連のヒューマン枠作品も棘のある感じが嫌いではないのですが今回はダメでした。

父親を刺殺した娘役の芳根
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

5.0

脚本に隙がなく鉄壁な演出も神がかり的であり、これぞ西川美和監督による人間ドラマの真髄と言える秀作です。世の中からズレてしまう人間を注視して、その生き様から社会の歪みを辛辣に引き摺り出しながらも、決して>>続きを読む

砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

4.3

メジャーな日本映画の定番であるキラキラ制服恋愛劇の隙を突く予測不能な展開に翻弄させられる敢えて括るならダークファンタジーな異色作にして実はヒーロー誕生物語だという変則技が効いています。

高校で虐めら
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