のりさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.8

ギャング映画というジャンルは、暴力によって資本主義社会を昇りつめる1人の男の野心と挫折、栄光と転落の人生を記述するがこの手の主人公は手段はともかく、経済的、社会的上昇のためなら努力を厭わないという点で>>続きを読む

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

再見。別格的な面白さ。

フランシス・F・コッポラ監督の凄みをとてつもなく感じる。マフィアマニアからしたら納得いかない展開があったかもしれないがマフィアの世界に見事にドップリ浸からされた。リアルに感じ
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按摩と女(1938年製作の映画)

3.6

カメラワークが丁寧で遠くからカメラを動かさず、人の動きをありのままに映している。舞台が温泉宿なだけあって山や川が美しい。

冒頭から盲目の主人公の世界観に惹きこまれる。飛び交うセリフも味がある。
「目
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.8

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードを一躍有名にしたアメリカンニューシネマの代表作の1つ。

〝知らない〟ことに対する期待や可笑しさ、恐怖が全編に渡って感じられた。
アメリカではなく異郷の地に
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.6

アメリカンニューシネマの代表作の1つ。

アメリカの若者が社会に抱く反骨精神が一瞬輝きを増し、結局は大きな権力の前に崩れ落ちる刹那をストレートに描いている。

自由を謳うアメリカに自由なんてものはない
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.4

禁酒法時代、実在した暗黒街の帝王アル・カポネと、彼を逮捕しようとする財務官チーム「アンタッチャブル」との戦いを描く。

オープニングクレジットのクールさといきなりの爆発で掴みは抜群。ガンアクションが随
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拳銃王(1950年製作の映画)

3.6

早撃ちの頂点を極めたガンマン、ジミー・リンゴの哀愁。上に立つ者がどれだけ苦しいのかが彼の静かな台詞から滲み出ている。街には彼をひと目見ようとするやじうまや討ち取って名を上げようとするチンピラばかり。>>続きを読む

周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

4.6

ジョン・フォード監督の個人的なイメージ(硬派な西部劇や開拓物)にそぐわない喜劇。約80分でも大満足。表現が拙いけどつなぎが上手い。シーンのつながりに一貫性を持ったまま突っ走ってるから退屈な場面がなかっ>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.0

王道だがそれがいい。彼らのキラキラした青春だけが映し出されている。ロック映画は曲が良くなければいくらストーリーがよくても良さが半減してしまうが好みの曲が多かった。少し昔のロックには疎いが劇中の彼らの曲>>続きを読む

北の橋(1981年製作の映画)

3.2

序盤はパリの街中で知的かつオシャレな雰囲気を醸し出している。があれ…?だんだん見ていくとこれは知的オシャレ映画ではなく、自由奔放なバカ映画なのだと気付いてくる。

笑いはしない。彼らが織りなす感覚のズ
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冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

3.4

異国の話ながらノスタルジーを喚起させられる。それは日本と似たような田舎の景色や世界共通である子供の純粋な視点、感情故だからだと思う。

兄弟がおじいさんの田舎に来た当初は自然の中で友達と遊び、時間がゆ
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天国に行けないパパ(1990年製作の映画)

4.4

すんげーおもしろかった。不満なのは邦題だけ。

定年間近の老刑事が保険金のために自ら殉職しようとするコメディ。

無駄のない展開にコメディらしからぬキレとリアリティのあるアクション、親子愛と娯楽映画と
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サムライ(1967年製作の映画)

4.2

「サムライの孤独ほど深いものはない。」という文句から始まるこの作品はフランス人の〝サムライ〟に対するイメージを1人の孤独な殺し屋に投影させたといえるだろう。ハッキリとはそのイメージを掴めなかったがアラ>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

3.4

戦争ドラマの傑作。人間の内面を蝕んでいくことで戦争の悲惨さが伝わってくる。

日常パートから戦時パートへの移り変わりが急すぎて度肝抜かれた。対比を明確にして戦争の恐ろしさを表現しようとしてるんだろうけ
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

2.8

映画史において革命的な作品。
奇想天外な発想とそれをCGなしで人力のみで実現させた。
想像力の無限性を見事に体現。全編において流れるオペラも新鮮。

しかしこの監督は鑑賞2作目だがどうも肌に合わない。
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ヨーロッパ一九五一年(1952年製作の映画)

3.6

息子を失った裕福な女性が貧困の人々を助けることに生きがいを見出していくが…

やることなすこと上手くいかない。個人的に彼女のやっていることが間違いだとは思わない。しかし彼女の想いや行動の真意を知らない
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ラムの大通り(1971年製作の映画)

3.6

禁酒法時代、密輸船船長のコルニーが上映中の映画の主演女優リンダに一目惚れすることから始まる〝映画愛〟が詰まったラブコメディ。

ブリジット・バルドーが終始魅惑的。映画女優が現実に現れたら?という夢のよ
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ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)

4.0

伝説の老ガンマンとそれに付きまとう腕利きの若造ガンマンが繰り広げる異色ウエスタン。

西部劇の特徴の一つでもある静寂さはほぼ見られず、終始軽快な音楽とともに話が進む。若造ガンマンの戦い方もコメディ映画
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.0

スペインなどで上映禁止にもなったルイス・ブニュエル監督の問題作。

修道女ビリディアナへの受難を介して神への冒涜描写を終始描いているが、方法と演出が秀逸。

同時に人間の醜さを見せつけられる。様々な人
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イグアナの夜(1964年製作の映画)

3.8

ジャケットが気に入り鑑賞。内容も中々面白かった。

牧師のシャノンが何人もの女性に翻弄され、葛藤する。
見所はその〝女性〟たちだろう。ひとりひとりの女性の個性が際立っている。なびく金髪と白い肌が美しい
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お引越し(1993年製作の映画)

4.6

少女の一夏の成長。
レンコの両親が別居するところから始まるが親子のやり取り見てると父も母もほんとに優しくて子思いなのが辛い。良き父良き母なのに良き夫良き妻にはなれなかった家族。
終始レンコの言葉が突き
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KAMIKAZE TAXI(1995年製作の映画)

5.0

冒頭テロップ(うろ覚え)「時代は平成不況。街には大量の在日外国人やヤクザで溢れかえる。そして歴史を正しく伝えない政治家。極めて稀だが彼らが知り合うこともある。」

大まかなあらすじは日系ペルー人のタク
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月光の囁き(1999年製作の映画)

4.2

とある高校の剣道部の男女が恋をする甘酸っぱいストーリーかと思いきや…

少年の思春期の繊細さ、多感さがとんでもない方向に向いてしまうのだが、決して否定しきれるものでは無いと思う。誰しも理解しきれぬもの
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盲獣(1969年製作の映画)

3.4

原作江戸川乱歩。増村保造監督屈指のカルト映画。

内容はタイトル『盲獣』通り。目の見えない男が求める芸術。その深みにハマっていく女。

身体の様々な部分を模倣して作られた彫刻ばかりが飾られている気味が
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ALIENS エイリアンズ(2005年製作の映画)

3.8

プレデター風のエイリアンと人間たちが戦うB級(C級かも…)スプラッターSFホラーコメディ映画。

まぁバカ映画。作り物丸出しのセットやゲームグラフィックのようなCGと特撮レベルはショボすぎて逆に笑って
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エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス(1996年製作の映画)

4.0

アフリカのある村でエボラ熱に感染した男が街で感染させまくる。

エログロ苦手な方には要注意。目を伏せたくなる場面目白押し。お下劣な笑いがウケるか否かで評価が大きく分かれそう。

自分は非常に楽しめた。
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マンディンゴ(1975年製作の映画)

4.0

タランティーノ版『ジャンゴ』に影響を与えたとされる作品。全編ムナクソだけど見てよかった。黒人奴隷への虐待の異常さをこれでもかというほど見せつけられる。

白人一家の悲劇を主軸としているが彼らがどんな行
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ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

4.0

伝説のヒップホップグループ「N.W.A」の伝記映画。このグループも知らなかったし、ヒップホップはエミネムとフロー・ライダーくらいしか知らないほど疎いけど面白かった。
カッコいいし、アツい!

作中警察
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ホワイト・ドッグ(1981年製作の映画)

4.2

道で拾った犬は黒人だけを襲うように調教された犬、通称ホワイトドッグだった…

人種差別の根深さを犬を媒体として描いた隠れた傑作。重い話だけど展開早いし、引き込まれる。

人種差別は人間の悪の所業だがそ
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.2

松田優作の怪演に引き込まれるときもあれば、置いてけぼりにされ、あるいはドーンと突き放される。彼から一瞬も目が離せない2時間。鹿賀さんが若すぎてびっくり。

主人公vs社会をテーマとした犯罪映画は好きだ
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裏窓(1954年製作の映画)

3.6

車椅子で家から動けない男の部屋と窓からの景色という限られたシュチュエーションの中で繰り広げられるサスペンス。

キャラも立っててずっと同じ場所なのにもかかわらず、全く退屈しなかった。ストーリーもあっさ
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街の灯(1931年製作の映画)

4.6

チャップリンで代表作と言われたら傑作が多すぎて迷うが有名作と言われたらこの作品になるのではないだろうか。

盲目娘の勘違い、チャップリンの勘違いとかズレ演出が素晴らしい。喜劇も悲劇もお任せあれって感じ
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

3.8

おもしろい。SFコメディは中々見ないが下らないことを全力でやっている登場人物たちを見ていると微笑ましい。

コンスタントに笑えるし、SF好きは気にいる作品だろう。キャラも次第に存在感出してくるので尻上
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LIFE!(2013年製作の映画)

3.6

人生はこうでなきゃ!っていう映画。考えるより動け。自分は自分しか変えられない。

画面全体に映るグリーンランドやアイスランドの景色が壮大。

酔拳2(1994年製作の映画)

3.2

初ジャッキー映画。カンフーアクションは洋画アクションと比べ動きが段違いに早いし、いろんな技があってアクションの中で違いを何パターンも作れるのが強み。

ストーリーとか気にするもんじゃないけどテンポが良
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特別な一日(1977年製作の映画)

4.6

1日きりのラブストーリーというと『ローマの休日』が真っ先に浮かぶ。個人的に本作はローマの休日に並び得る傑作。

人妻と孤独な男の昼下がりの情事。お互いコンプレックスを持つ者同士なのだが彼らの過去や会話
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