nyakoさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

ウィリアム・ブレイクの詩の序文から始まる。
鳥には巣、蜘蛛には網、人間には友情。
序盤のシーンは重要だったんだなあ。

ミークス・カットオフに比べるとミニマムになった印象。
暖かくて悲しくて…こころが
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.8

✧*。Happy New Year✧*。
今年もよろしくお願いします!


^,,._.,,^ ーーー



感謝祭の食卓が血で濡れる…そんな一編を勝手に想像してたら、なんでスーパーマーケット?
序盤
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NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.5

『ビバリウム』のフェネガン監督の作品。
割とシンプルな話なのでは…。
世にも奇妙な物語の一編でもおかしくないような。
でも見せ方が良いせいなのか、最後までしっかり観せきっちゃう。
あれはなんだろう?と
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

海向こうの本土からは内戦の砲撃音が聞こえてきていたけれど、島民たちにとってそれはニュースですらない。
イニシェリン島はいつも変わらずのどかな島。

物語は、長年の友だちコルムから
パードリックが突然絶
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ジャグラー/ニューヨーク25時(1980年製作の映画)

4.3

妻と離婚後、娘と二人暮らしの仲良し父娘。
その日は娘の15歳の誕生日。
サマースクールから帰ったら誕生日をお祝いしようと約束してたのに、突然目の前で謎の男に娘が攫われてしまう。
だがしかしパパは元警官
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ホラー・シネマ・パラダイス(2010年製作の映画)

4.0

デボラは自分に自信のない女性。
父の遺産である劇場を継ぎ、ホラー限定のナイトシアターとして営業するが、
劇場を売却したい母と争い、母を殺害してしまう。
その様子を収めた監視カメラの映像がなんと誤って劇
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火葬人(1968年製作の映画)

4.3

オープニングロールは体のパーツのコラージュで散りばめられ、猟奇的なイメージ。
そして蛇のようにねちっちこい視線の目。
本編中も凝った映像表現があり、面白い。

主人公は火葬場の職員で、
妻とふたりの子
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苦い涙(2022年製作の映画)

3.8

オゾン監督によるファスビンダーの同名映画のリメイク。
ファスビンダー版よりも他の登場人物への焦点多めに感じたし、アパルトマンの外にも出ていくカメラに、より舞台の広がりを感じた。
二作続けて観たのでどう
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.3

ファスビンダー監督自らの戯曲を映画化したもの。
物語は不毛な愛にぶんぶん振り回された女性がもんどりうつ話。
成功したファッションデザイナーペトラは離婚したばかり。そんな時、出会った美しい女性カーリンに
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Hell House LLC(原題)(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

以前紹介されてたレビューから観たかった作品。
ファウンドフッテージに関係者のインタビューを挟み、事件が徐々に明かされていく。
関係者が語りたがらない中、インタビューチームはサラという女性にコンタクトを
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砂時計(1973年製作の映画)

4.3

ポーランド映画です。

幻想的な映像が流れ…
でも実はそれは走る列車の車窓から見えていた景色だとわかる。
車内は薄暗くて疲れ切った人たちでひしめきあっていて、序盤からただならない雰囲気。
父に会いにサ
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ラブ・ポーションNo.9(1992年製作の映画)

3.5

『スピード』で売れっ子になる以前のサンドラ・ブロックのラブコメ。
評価は低いようだけど…わたしは結構楽しめた作品。

科学者ポールは話しかけるだけで相手を自分に惚れさてしまうというポーションNo.8を
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クトゥルー・モンスター/キンドレッド(1987年製作の映画)

4.0

これは思いがけずとっても良かった!
世紀の研究によって生み出されたモンスター映画。
最後までスリリングでいいぞ、いいぞ。

ドラマチックなスコアと派手な火災シーンの序盤から何か起こりそうな予感。
ホー
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DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

4.0

D.A.U プロジェクトの1本目。
このプロジェクトのためにウクライナのとある町に広大なセット(政府の研究施設)が作られた。
俳優ではなくオーディションで集めた人たちに、研究施設で働いているひとたちと
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ゴーストハウス(1988年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ウンベルト・レンツィ監督によるオカルトホラー。
呪われた少女に不気味な人形、古びた一軒家、超常現象、悪夢的なチャイルドソング。
そして80年代の残酷特殊メイクとわくわくしかない揃いぶみ。
あとにゃんこ
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ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

3.8

タイムトラベルに青春コメディ、そこへスラッシャーホラーと欲張り気味に盛り込みながらもうまい具合に面白く出来てる映画。
ライトなホラー観たいってときにはぴったり。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』オマ
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ラリー スマホの中に棲むモノ/カムプレイ(2020年製作の映画)

4.0

オリヴァーは自閉症で言葉が話せず、意思疎通はスマホの音声入力を使い、学校では浮いた存在だった。
オリヴァーの父は仕事で忙しく留守がち、孤軍奮闘する母親は精神的な余裕がない。
そんなとき、ラリーという何
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.3

愛情がすっかり冷め切った熟年夫婦。
肉屋を切り盛りしているけど、廃業寸前。
そんなある日、過激なヴィーガン活動家たちに店を襲われたことがキッカケになり、ヴィーガン肉の肉屋となってしまう夫婦の物語。
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Studio 666 スタジオ666(2022年製作の映画)

3.5

新作アルバム制作のために古い大邸宅を借しきりに来たフーファイターズ(ほんもの)。
ところがここはいわくつきの物件。
バンド仲間のメンバーを血祭りにあげた後、メンバー自ら死を遂げたという凄惨な事件が過去
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クリスマス・ブラッディ・クリスマス(2022年製作の映画)

4.3

タイトルに偽りなし。
クリスマスにロボサンタが大暴れ!
ジョー・ベゴスの新作は『ハロウィン』を彷彿とさせるバイオレンスホラー!

とにかくこのロボサンタがむちゃむちゃつよい!
エレクトリカルなサウンド
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

4.0

大地にぽつんと燃え盛るかかし。
野原をずんずん歩を進める黒猫。
閉ざされた空間から扉が放たれるとそれは疾走する列車。

叙情あふれる詩的映像で綴られた童話。

かかしは自由に空を飛びたくて黒猫にお願い
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雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

4.3

『ロバート・アルトマン傑作選より』

女性がホームレスのような青年を家に連れて帰る…くらいの前情報のみ。
女性の人間ドラマのつもりで観てたら、終わりにはぞぞーっとさせられてしまった。
ラストはかなり近
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

5.0

田舎の別荘(これがまた素晴らしい景色!)に夫と共に静養に来たキャサリン。
しかし、幻覚・幻聴にさいなまされるようになり…。

わたしと対峙するわたし。
幾十もの過去の幻想。

悪夢的な映像体験ってまさ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

子供達が畑の中を笑いながら走り回る。
そんなのどかな村で男たちが逮捕された。
この村では牛の睡眠薬を女性たちに飲ませた男たちによる昏睡レイプが横行していて、被害女性たちが感じた異常は妄想とされていた。
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奇談 キダン(2005年製作の映画)

4.3

70年代宗教奇譚。
諸星大二郎の漫画短編「生命の木」が原作。
妖怪ハンターシリーズの一編で、阿部ちゃん演じる稗田礼二郎でシリーズ化してくれたらなあ。

こういうのが観たかったんだよ〜。最近は肝心な村を
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ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)

3.5

高橋洋監督作品。
物語は劇作家のナオミ先生が女優のミズキさんに新しい作品の依頼をするところから始まる。
その作品は失踪した母親とその後殺害されてしまった女の実話をモチーフにしたもの。
二人はモニター越
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ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

4.0

道の途中で二度すれ違ったリザとギオルギ。
惹かれ合った二人は、翌る日の夜8時に白い橋のそばのカフェでの再会を約束した。
ところが邪悪な目の持ち主が二人に呪いをかけたせいで、目覚めると二人の外見は別人と
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サムシング・イン・ザ・ダート(2022年製作の映画)

3.5

ジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッド監督コンビの作品。
『キャビン・イン・ザ・ウッズ』、『アルカディア』大好き。
また謎の深い作品ってことで楽しみにしてた。
『アルカディア』と同様に監督・主
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BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(2022年製作の映画)

3.5

友人に招かれ、森の奥の豪奢な邸宅に遊びに行った女性ふたり。
すでに集まっていた友人たちと、外は嵐で吹き荒れた夜更けに始まる殺人ゲーム。
それはくじ引きで決まった殺人鬼が誰かを当てるゲームだった(死体は
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スポンティニアス(2020年製作の映画)

3.5

それは高校の授業中だった。
クラスメイトのケイトリンの体が突然爆発し、
彼女の血液、肉の破片はクラス中に降り注いだ。
警察が調査するも殺人の疑いは無く、原因が特定できない。
次に誰が爆発するかわからな
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En las afueras de la ciudad(原題)(2012年製作の映画)

3.8

鬼畜系ホラー。
チリの監督なんだけど、のちにアメリカでセルフリメイクしてる。

一家を性虐待やら暴力で支配していた鬼畜父。
そこから娘ふたりと息子(父との間の子)は身一つで逃げ出すが…というバイオレン
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

監督のマチュー・アマルリックは俳優としても代表作多い方。
ミステリー小説のような映画だった。
娘が奏でるピアノ曲と共に流れる映像は母の目線なので、家族の記録映像のように暖かくて優しい。
内容説明にある
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.8

ワンクリックで結婚、別れさせ屋、擬似家族など闇っぽい前半。
これは『リリィ・シュシュのすべて』みたいな毒っ気ある物語なの?って期待させてくれる。
でも後半、急にベタなお涙展開になってしまった〜と思って
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パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)

3.8

アイザック・エスバン監督作品。
マルチバースをうまく取り入れたSFスリラー。

仲の良い男女4人組。
お互い成功を夢みながらもうまくいかない。
そんな中、住居に隠し部屋を発見。
そこに置かれていた不思
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忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

2.5

VRと島の因習っていう昔からのものをうまく融合させたかったのかな?
これからこの島は地獄になるど…なんてシゲおじ(笹野高史)が言うから、地獄…地獄って待ってたら、いつの間にかすーっと潮が引くように終わ
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夜間飛行(2014年製作の映画)

4.0

中学では仲良しだった3人組。
やがて高校に進学するがそれぞれの関係性は変わってしまった。
3人とも時期は違えどいじめをそれぞれ経験し、どんな過程をたどって何を選択するかはそれぞれ違っていて。
でもどれ
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