otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 46ページ目

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情事(1960年製作の映画)

4.5

とりあえずクズが多いのは置いておく。恋人であり友人である女の失踪の後に相思相愛になったのなら放置でいーんでないかいとも言えなくはない。が情事を行った者が理解できる寝とった私の因果応報的不安感とやたらと>>続きを読む

最後の晩餐(1973年製作の映画)

5.0

2023年1月1日
2023年の1発目は大好きなやつ。それぞれに壮絶な死に様なんだけども、やっぱりミシェル・ピコリのが強烈。人生の空虚さ欲望のごった煮の中で、時折見せるミドルエイジ達の無力感に苛まれる
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O嬢の物語(1975年製作の映画)

3.5

ウド•キアが観たくて。しかしなんだな、この監督は実に退屈な映画を作るのが上手いね。とは云うものの、ひたすら繰り返す謎のプログレサントラとほわーっとした処理で見せるお耽美とモダンの組み合わせは嫌いではな>>続きを読む

砂丘(1970年製作の映画)

4.7

久々の鑑賞。うーん、ラヴ&ピース。そんな時代の若人の衝撃と炸裂。ブルジョワジーと資本主義も吹き飛ばしてしまえとなかなか熱い。何度観ても砂漠のラヴメイキンと爆発シーンは冴え渡る。ピンク•フロイド他のサン>>続きを読む

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

4.8

軽やかで巧妙で絶妙。各所の細かい演出のセンスの良さ。上映中の映画は『突撃』なのがまたニクい。本編も勿論だけれども、エンドクレジットは素晴らしいの一言に尽きる。傑作。

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.5

PTAが描く怪しげな宗教観、師弟の組合せは前の作品よりかなり掘り下げられているかと思われる。他の信者とは異なるマスターとトラウマ男との関係、現世においての付かず離れず、しかしながら互いに強烈に惹かれあ>>続きを読む

流されて2(1987年製作の映画)

3.4

前作とは異なり物理的には流されない上にソド○ーも無し。良く喋るマリアンジェラ•メラートと妙にお洒落なサントラだけは楽しめる。

キングダム(1994年製作の映画)

5.0

2023年10月2日
エクソダスを観るべく最初から。この情報密度でありつつ、展開が流れる様で全く無駄がないラース・フォン・トリアーの全盛期っぷり。登場人物の後ろの見えない所にも話があるって云う後の『ド
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マラソン マン(1976年製作の映画)

3.7

真夜中のカーボーイ的な満足感を求めるといささか物足りない気もしなくはない。凄く上手い所があるかと思えばショボくもなる。マラソンの要素がある様なない様な中途半端な感じではあるものの、ラストに歩くダスティ>>続きを読む

トレヴィの泉で二度目の恋を(2014年製作の映画)

5.0

2023年9月26日
『甘い生活』を久々に観たので、こっちもついでに。シャーリー・マクレーンの細かい仕草なんかも含めて全てが上手くてキュート。陽に当てられて行くクリストファー・プラマーもとても良い。泉
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

5.0

2022年12月23日
ハンチョウ大槻のおかげで再鑑賞。喪失を埋めるべく阿片窟へ足繁く通い、雲散霧消でまた哀しき人生の渦中って事で心が痛い。オッサンの最大限に美化された記憶みたいなジェニファー・コネリ
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赤い砂漠(1964年製作の映画)

4.5

凄まじい壊れっぷり。どこまでも満たされないモニカ•ヴィッティ。冬の工場地帯に映える色彩の見事な事。素晴らしい。

ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

5.0

ツイン•ピークス再鑑賞のついでに久々。同時期な為に役者が被りまくっている他、連なるのは豪華な面々なリンチ的オズの魔法使い。呪い(悪)への対抗、脱却と云う筋はツイン•ピークスとあまり変わらんけれども、ど>>続きを読む

深く静かに潜航せよ(1958年製作の映画)

3.8

JAPを連呼するのはいただけないけれども、後のUボートなんかにも踏襲される密室での静と動を使い分けたスリリングな展開は流石。イケてるダンディズムを追求するクラーク•ゲーブル劇場と思いきや、世代交代のな>>続きを読む

或る夜の出来事(1934年製作の映画)

5.0

2019年1月1日
2019年一発目は好きなやつで。最高だな、キレのあるクラーク・ゲーブルの親指。そして秀逸極まる舞台装置の薄くて厚いジェリコの壁。映画に大事なものが全て詰まっている感じ。大傑作。
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おろしや国酔夢譚(1992年製作の映画)

3.9

実話との事で。ロシアに漂着した大黒光太夫こと緒形拳以下、船員たちのロシア横断から帰国までの結構なスペクタクル巨編。大航海時代の野望がちらほらと見え隠れするものの、自然以外はさほど恐ロシアではない。エリ>>続きを読む

マルティナは海(2001年製作の映画)

3.9

ビガス•ルナ監督のおっぱい星人ぶりに加えて、謎の朗読プレイ。何やらよく分からないけれどもエロティック。どいつもこいつもツメが甘いけれども、たまにはこんな脳天気さもなかなか。期待していたピアノマジックの>>続きを読む

ウッドストックがやってくる!(2009年製作の映画)

4.0

あー、人がゴミの様だ。しかしながら、どこまでもピースフルなヴァイブス。裏方及び当時のそんな雰囲気を拾い上げた映画と思われるので、一切アーティストが出てこないのはさほど重要ではない。むしろバックでほんの>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

5.0

2023年4月28日
最近、満州ドキュメンタリーものを頻繁に見ていたのと、追悼坂本龍一で再鑑賞。繰り返し描かれる"Open the Door!"で外界への渇望→紫禁城を追われる下りの溥儀の複雑な胸中の
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ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間(1992年製作の映画)

5.0

新シリーズに向けて、時系列で再鑑賞。個人的にはリンチ、バダラメンティと共にそれぞれの手腕が一番冴えてる時期な気がする。わが家にも飾っている天使の絵がいつ消えるか不安な今日この頃。少女の脆さをこんなに哀>>続きを読む

トリコロールに燃えて(2004年製作の映画)

3.1

ベタなキャラ設定から始まり、最後までどっかで見たような要素がてんこ盛り。の割に非常に長く感じる2時間。まずまず。

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

5.0

偽善的でない反戦映画。ユーモアが大事。何度観ても傑作以外の言葉が見つからん。Suicide Is Painlessもまた素晴らしい。

プロミスト・ランド(2012年製作の映画)

3.6

ものの価値ってやつは難しい。最近のガス•ヴァン•サント作品はなんかよりモヤモヤする気がしなくもない。面白いけれども。どこの側に付くかでも、大分見方が変わりそうな、それだけ多様な社会の問題と云う事なのだ>>続きを読む

アデルの恋の物語(1975年製作の映画)

3.9

南北戦争下に降り立った、あまりにあんまりな地雷源。映画が進むにつれて、いまにもポゼッション化しそうでドキドキする。トリュフォー云々よりもイザベル•アジャーニの演技に圧倒される。

愛の渇き(1967年製作の映画)

4.1

よくよく考えてみると浅丘ルリ子をとやかく言えないレベルで様々な利己主義が渦巻く一家ではある。まだ髪がチリってない石立鉄男もまぁなるべくしてそうなった感が...。ムンムンとする三島節がキッチリかつ文字通>>続きを読む

エマニエル夫人(1974年製作の映画)

2.8

有閑マダムのお戯れを延々と眺めるって事ですごく面白い訳ではない。それよりも何よりも、濡れ場で必ず流れる劣化版「太陽と戦慄パート2」にヒヤヒヤする(版権的に)。まずまず。

イン・ザ・カット(2003年製作の映画)

3.0

この監督の生々しく描かれる女性像は嫌いじゃないし映像もなかなか美しい。けれども、サスペンスとしてはかなり頂けないものがある。ピアノ•レッスンで如何にマイケル•ナイマンの曲に助けられていたか露呈しちゃっ>>続きを読む

リスボンに誘われて(2012年製作の映画)

3.8

リスボン物語くらいしか美しいポルトガル映画は知らんけれども、今作もなかなかではある。歴史背景を知らないせいか、はたまた要所要所で展開が突飛なのがいささか気にはなる。何にせよ世界中の内ゲバは女が原因って>>続きを読む

ブラック・スネーク・モーン(2006年製作の映画)

3.3

ブルースに魂を売るか売らんかは別として、なかなか味のある作品ではある。が、鶏ガラみたいになったクリスティーナ•リッチにはあんまり興味ない。

ミュリエル(1963年製作の映画)

4.2

カットバックやら何かと前衛的ではある。過去に囚われた人々がうすら寒い街にワラワラと集まってくる。脱却の方法は人それぞれ。何だか人の無力さと云うか哀しさを感じる映画である。アラン•レネ特有の重さが割と心>>続きを読む

if もしも・・・(1968年製作の映画)

4.0

二十年振りくらいのようやくの鑑賞。これはきちんとソフト化せにゃならん。後のアレックスことマルコム•マクダウェルとパブリックスクールの本当とif。どう解釈するかは作った人間のみが分かるとして、個人的には>>続きを読む

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

4.0

久々の鑑賞。東ドイツ的社会主義で統一の方向へと云う無理ゲー設定ながら、熱い思想の元に作られた一作。ヤン•ティルセンの音楽のせいか、'00年代初頭映画のノリがいささか懐かしさを感じるものの、テンポも良く>>続きを読む

モスクワは涙を信じない(1979年製作の映画)

4.1

ペレストロイカ以前のガチガチのソ連映画ながら、あんまり東側感はない。不遇な女の数十年を描いているのだけれども、何か妙な健全さがあるのは当局の為せる業か。場末のカラオケスナック感漂うテーマソングと合わせ>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

4.1

ホモォ…┌(┌ ^o^)┐。まだ保守的な時代背景だけに余計に重い。いずれは一人ぼっちで死んで行く人生における数少ない鮮やかな瞬間を実に丁寧に描いている。色彩を変えるだけのシンプルな演出でキッチリと納得>>続きを読む

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

4.6

医者の台詞「お前のすべての質問に答える事ができたら、世界は正常だ」の厳しい現実に生きる小人の饗宴よろしく、 実に実に小さな存在。悲しき迷い子の最期を演出する動物と電気細工の見事な事。そして競売のシーン>>続きを読む

ファイナル・カウントダウン(1980年製作の映画)

3.5

火サス感が溢れると思ったらこっちが先だったと云うタイムパラドックス感。ガッツリ日米同盟の時代に妙なプロパガンダを発揮するのは頂けないけれども、基本設定は面白い。細部が酷過ぎだけど。まずまず。