扇さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.9

エヴァンゲリオンはこれまで碇シンジが「嫌だけど乗ることを選択する話」で構成されてきた。
ここで初めて「乗ることを否定されたら?」という問になる。

これまでのキャラや世界観を刷新、前作の予告も裏切る形
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.4

アニメを追いかけてた人は初見の時に大胆にアレンジされた展開を見て胸のドキドキが止まらなかったと思うんです。どうなるのか本当に分からなかった。

とはいえ、何回も見てるうちに色んなことに気がつくもので映
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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

4.5

フォークソングのミュージカルといったらこの作品ぐらいではないでしょうか。何度も見返してはその度に魅力的だと思う。歳を重ねて味わいが増すウィスキーみたいな作品。流石のコーエン兄弟印。

実はものすごいコ
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

4.3

いま見てもどうかしてると思う。
弐号機の重量感あるアクションは白眉だが、アニメ版で日常過ごしていた空間が血で染められることの恐怖。
明らかなホラー描写がメランコリックな歌詞を帯びた生温い喜びの賛歌とと
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テイク・シェルター(2011年製作の映画)

4.2

かなり渋い設定のパラノイア系の映画に属するけどレベルはかなり高いと思う。
自分ですら自分がおかしくなったんじゃないかと疑いながらも、それを遥かに上回る確信に突き動かされる男の孤独。
最愛の家族からさえ
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.4

評判だけを聞いて視聴、最初に抱いた感想が乾いたバイオレンス。で、この監督の名前を知ったら『トマホーク』の人じゃん。そこでの自分のレビューに「乾いたバイオレンス」って真っ先に書いてあった。苦笑

なにが
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.5

アーロン・ソーキン、いま一番ハリウッドで上手い脚本書ける人でしょ。
『ソーシャル・ネットワーク』も今となってはフィンチャー作品というよりかはソーキン脚本の魅力があってこそという気がする。

とにかくリ
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新聞記者(2019年製作の映画)

2.0

すごいガッカリしたの。
日本の政治は問題だらけだとは思っていて、この映画はそんな社会にメスを入れたんだと聞いていたから。

この映画に引用された現実問題はどれも深刻なものですよ。それはそう思う。
だけ
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.3

おいおい、マジかよ。西川美和、豪胆過ぎるだろ。

演出の怯みが全く見えない。
役者は活き活きとその実力を表し、物語は予想だにしないうねりを見せている。
静かでいて、一時も油断が出来ない緊張に満ちている
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.7

今若手で最も魅力的で演技力のある二人が見れるのが最高のプレゼント。二人ともいい表情をする。この子たちをずっと見ていたくなる。そこからしてもう勝ち。

リアルの出来事として考えるなら麦の職場環境に問題が
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透明人間(2019年製作の映画)

4.4

すげえ!『透明人間』って聞くと「あぁ、アレね」と分かった気になるこちらの予想をキレイに裏切る。創作って自由なんだなあということを思い知らされた。

こういうと怒る人いるかもしれないけど『パラノーマル・
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.4

徹底したリアリズム。
西川美和作品は登場人物を絶対に典型枠に落とさないとする決意が見える。どんな人物にも良い面、悪い面があり、それぞれの立場を理解できるように場面を抜いている。それが人物に厚みを与え、
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伝説巨神イデオン 発動篇(1982年製作の映画)

3.9

スクリーンから明らかな悪意と暴力を振るわれたアニメ映画はこれと『Air/まごころを、君に』ぐらい。どうやったらこんな仕打ちが出来るんだ。

私が、生きる肌(2011年製作の映画)

2.1

物語は哲学的な問いを内包していて欲しいけど、やり過ぎるとギャグになるっていうことが分かりました、はい。

キック・アス(2010年製作の映画)

5.0

道徳的にどうなんだという葛藤はあるものの、抜群に面白いのはもう否定しようがない。上手いんだよ、とにかく。
原作を明るく脚色してるあたりとかいちいち。

この作品からアクション映画のBGMが変わりEDM
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復讐捜査線(2010年製作の映画)

4.2

マーティン・キャンベルの最高傑作じゃないだろうか。本当に『グリーン・ランタン』撮った人?と思うぐらい。

意表を突き、尚且つ容赦がない演出。どこかは言えない。本当にびっくりするから。
やれば出来るんだ
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

1.2

割とオーソドックスな人魚姫の話にダウナーロックを合わせた印象。
王子様役のヤクブ・ギェルシャウがクソイケメンでそれだけはしっかり頭に残ってる。
これ「男は美しさや純朴さを女に求めてるんじゃなくて、穴が
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ミスト(2007年製作の映画)

3.7

なんだかもう一種有名になってしまったけど公開当時はミステリー調の予告を打ってたんですよね。
映画館に来てた女の子が隣の彼氏の肩に顔を預けて一切スクリーンを見ていなかったのが印象的です。

ずっと意地悪
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スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ(2008年製作の映画)

2.7

『マンダロリアン』を観たら当然『アソーカ』も気にならないワケがないので必修科目化。

初見時は「はぁ?アソーカって誰だよオビワン出せや」とか最初思ってるのが大半だろうが(私はそうだった)CGアニメ版『
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空母いぶき(2019年製作の映画)

1.0

5分に1回はバカじゃねぇの?と思って観てた。どれもこれも指摘するのも嫌になるぐらい。
事件が起こるのがクリスマスイブっていう設定のクソダサさ。恥ずかしさで死にたくならないのかな。
極め付けは空母に乗り
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.0

黒人司法ものっていうところで、大方の人のイメージ通りの話の内容だと思うんですけど、この映画をきっかけに一つ気づきがありまして。

それは死刑制度の是非に関してです。私は死刑制度に反対の立場で理由は冤罪
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ザ・コール(2020年製作の映画)

2.7

『イルマーレ』とかその辺りの時代の韓国映画っぽい設定だなと思った。
パク・シネ七変化は人類皆デレデレになるような魅力がある。

母との和解というテーマは骨格として成り立ってるから悪い映画じゃないんだけ
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.3

ジジイまだ映画撮れんのかってびっくりしちゃうんですよね。『グラン・トリノ』と『運び屋』の余韻は一体何だったんだって感じですよ。
で、これさキャスティングずるいよね!笑
『アイ、トーニャ』観た人総ズッコ
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HiGH&LOW THE MOVIE(2016年製作の映画)

1.7

EXILEしか出てないのかと思ってた。違うんだね。
世界観が面白くて、話からしてどう考えても町内会規模のヤクザの羽振りがやたら良かったり、町で爆発事件が起こってるのに「警察はそんなに暇じゃねえ」と相手
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8 1/2(1963年製作の映画)

2.9

作家の内省が作品の全面に押し出ているという意味ではやってることは劇場版エヴァンゲリオンに近いなと感じた。
自分の気持ちの落ち着けどころを見つけられて良かったねとは思うけど、、それ面白い?感動する?
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ヴァイラス(1998年製作の映画)

2.3

子どもの頃にチラ見した時は「すごい怖い」と思ったものだけど、今見るとドナルド・サザーランドのヤケクソっぷりが中々いい塩梅でニコニコ見れる。

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密(2015年製作の映画)

1.2

『プレミアム・ラッシュ』で頭角を現したデヴィッド・コープが早速スタジオに潰されるのを見て鬱。

キャッツ(2019年製作の映画)

3.7

日本公開前から北米での評価は散々だったのは知っていた。

ただ実際観てみるとそこまで悪いとも思えず。歌良し、ダンス良し、キャスティング良し。悪いのはコンセプト?アニメにしたら良かった??と勘ぐってもダ
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鬼火(1963年製作の映画)

3.4

20代キラキラ港区女子が30後半に差し掛かった辺りでキラキラできなくなって苦しむみたいな感じ。
人はアイデンティティを更新できないと死ぬ。

悪の教典(2012年製作の映画)

4.0

アタリの方の三池作品。三池監督は大人数の有名役者が入り乱れるアクションをやらせると力を発揮する傾向にある気がする。

ちょっとしたところが好きなんだよね。山田孝之がパンツの臭いを嗅ぐところのバカバカし
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

4.1

色んなものが上手く機能したなという印象。
ガイ・リッチーって『ロック〜』や『スナッチ』で名を挙げて、その独特なスタイルから脱するのにあがいていた人だと思うんです。『シャーロック〜』等でアクション演出と
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マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

1.9

クラークが空を飛ぶタイミングでもうダメだと思った。
絵面の爽快感そのものはとてもいいのにクラークの心的成長と関係ないところで挿入されてしまったから感動ゼロ。この辺は『キャプテン・マーベル』や『スパイダ
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.3

映画表現は常に進化しているので今見ると物足りなく感じる面もあるんだろうが、それでも終盤に映る「歪んだ己の顔」の衝撃は今でもフレッシュに感じるインパクトがあった。
主人公のルイスって名前、ひょっとして『
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.4

届かないはずだった思い。
冒頭の存在しない住所に送ったはずの手紙の返事、山に向かって叫ぶお元気ですかの声、図書カードの裏に描かれた肖像。
それが全て「届かないつもり」で発されたものだけど、異なる形で実
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足ながおじさん(1955年製作の映画)

1.1

原作未読なんだけどさ、これこんなヤバい話だっけって途中から汗かいてきたよ。

資産家が孤児を目にかけるのって今の感覚だとちょっと分からないんだけど、(言い方は悪いけど)お金がきっかけとして年齢差の大き
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