Alllyさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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鳥類学者(2016年製作の映画)

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あらゆる国の神話をベースに無神論者が変化、というより転身(Metamorphose)していくその様を眺めるというより感じるという体験はとても斬新で驚く。
いつの間にか恐れは無く、視界が開けて精神も眺め
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

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死に近づき、死を目撃する。人間はあまりにも簡単に死ぬ。
周りから抱かれるイメージ(嘘)の自分と、本当の自分、憧れ。
力を持ち周りを傷つけ破壊すればするほど、反対に自分の心も傷つき救われなくて。
自ら傷
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オルエットの方へ(1970年製作の映画)

5.0

バカンスの始まり。前半の女子3人でキャイキャイとはしゃいで、何でもない地名や物(オルゥゥエウェットって発音とか、おばあちゃんのおまる、とか)が笑いのツボ入ってゲラゲラ笑う。
そんなシーンがたくさんあっ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

5.0

赤、青、紫と光による閃光と黒。
ジェレミーブレイクのアートによって色は交わり、色を変え、揺れて時には強い閃光となる。

このストーリーは作品全体を模っているようなもの。
そこに着色されたコメディやおか
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そして僕は恋をする(1996年製作の映画)

4.5

どのようにして言い争ったのか。

口論をはじめ繰り広げられる中、最終的には愛していると終わり、しかし喉のつっかえは取れないまま、そうなったらもう混乱状態と同じ。

自分が見えてないと、相手のことも自分
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サウダーヂ(2011年製作の映画)

5.0

あの頃はよかった
こことは違うどこかへ
ラブ&ピース
サウダーヂ

建設予定はまたショッピングモール
仕事は減る、嫁は子供をせがむ、外国人は真っ先に派遣切り、シャッター街は隙間を抜ける風の音と自分の足
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国道20号線(2007年製作の映画)

4.5

国道沿いの風景はどこも似ていて、パチンコ屋、消費者金融、チェーンの飲食店、カラオケ、コンビニが並び駐車場が不必要なほど広くて、上下ジャージでキティちゃんの健康スリッパ履いたDQNの溜まり場はドンキかコ>>続きを読む

THE COCKPIT(2014年製作の映画)

4.5

腰を下ろしまるで操縦してるようにMPCを叩くオムスのビートメイクの地道さとリズムがはまった瞬間の気持ちよさ、bimくんの憧れの眼差し。ああやってビート作ってんだな。ゆるい会話を背景に(砂漠いきてぇー。>>続きを読む

影の列車(1997年製作の映画)

5.0

過去を見ることは、映像や写真を通さずには出来ないことで
その瞬間に(気持ちだけでも)戻るということは、その場所に訪れるもしくはその頃の何かを見る(聴く)ことで可能にはなるけれど、復元するということはで
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定職/就職(1961年製作の映画)

5.0

労働者階級の彼ドメニコの就活から実際社会の一員になってからを描いたヌーベルバーグ、最高だった。
実際の就活生をスカウトし、オルミ自身が長年働いていた会社を舞台にしたという以外にもこの映画がとてもリアル
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アブラハム渓谷(1993年製作の映画)

-

シリアスで重くなりすぎず、
えー?とツッコミを入れたくもなるがコメディになるわけではない
ユーモアとシリアスのバランスがとても独特で、
この感じがオリヴェイラだなと思える映画。

14歳まで家を出たこ
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

5.0

アデルの人生の大きな1部を共に乗り越える3時間
素直で好奇心が旺盛で太陽のような彼女だけど大きな一歩が踏み出せない
自分の価値観を大きく変えてしまう出来事は、人によって違うかもしれない
彼女にとってそ
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アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

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@下北沢トリウッド

デトロイト郊外に住むティーンエイジャーたちそれぞれの最後の夏休み。

それぞれの場所で、わくわくを求める女の子や、双子を探す失恋した男の子、もう大人という年齢になってしまった彼や
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

5.0

ヒッピー探偵が元カノきっかけで巻き込まれていく群像劇、登場人物が終盤になってもまた増える、どんどんつながる、どんどん見えてくる。
見ている側が混乱する、この感覚は観客が完全に主人公のヒッピー探偵・ドッ
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Daydreaming(2016年製作の映画)

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何度も扉を開け階段を上がり海を越え山にたどり着く。
ミュージックビデオといえど映画だよ。35mmの質感、たまんないですね。

JUNUN(2015年製作の映画)

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まさか劇場で観れるなんて思ってなかった今作もちろんPlay it Lound上映で!
城塞のボールルームをスタジオに改造し(これはナイジェルゴドリッチによるもの)、3週間に渡って行われたレコーディング
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クスクス粒の秘密(2007年製作の映画)

5.0

アテネフランセにて。
先月DVD借りて見たとき、絶対スクリーンで見たい!と思った矢先の上映。本当に行ってよかった、まるで違う映画だった。

クスクス粒は私の数少ない鑑賞数と短い映画人生の中でも群を抜い
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身をかわして(2003年製作の映画)

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下流階級の学生たち。
内気なクリモという少年は演劇の練習に夢中で活発なリディアに恋をし「愛と偶然との戯れ」でアルルカン役を演じ気をひこうとする。
クリモの告白に戸惑ったリディアは返事を保留にし、クリモ
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

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愛から始まり、愛に終わる。

サンプリングして繋いで作った新しさを感じるビートみたいに、
文学やら絵画などからの引用が多いのに、とても新しくってオリジナルな本作を理解するということは可能なのかどうなの
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SHARING(2014年製作の映画)

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映画が始まって早々、学校の長い廊下、階段、角という建物構造がたまらなくヒヤヒヤと怖くて、校舎ってまるで迷宮のようだ。
予知夢やドッペルゲンガー現実と脳内、さまざまなテーマが心理的恐怖につながり
見てい
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

わたしも公開時、何度も映画館に足を運んだ大勢の中の1人である。
もう存分に語り尽くされていると思うのでストーリーは省略して、好き勝手書きます。

久しぶりに再鑑賞してやはり素晴らしくってここまで細密に
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アメリカの影(1959年製作の映画)

5.0

ニューヨーク、タイムズスクエアの夜。
渋すぎるチャールズ・ミンガスのジャズを背景に、売れないジャズシンガーの兄とトランペット奏者になりたい弟、大人でもなく少女でもない20歳の妹レリアの3人兄弟はまるで
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

5.0

看板のネオンから、ふわふわとカメラは下降し到着した車からディスコに入り、この映画の愛すべき登場人物たちをエモーションズのノリノリなミュージックをバックに紹介していき、ローラーガールのお尻を追って主人公>>続きを読む

サッドティー(2013年製作の映画)

3.0

”ちゃんと好きってどういうことですか?”
このたったひとつのシンプルなテーマだけで2時間もの群像劇を描けてしまう、そして全く退屈もせず映画を見ているというかその場に同居していたような感覚になるんだから
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フリーダ(2002年製作の映画)

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フリーダの絵を初めて見た時、彼女はどのように考え感じ、生きていたのだろうかと興味を持った。

彼女は天真爛漫に振る舞い、とても可愛く魅力的な女性であると共に
母との関係や学生時代の事故、その後幾度とも
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ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン(2014年製作の映画)

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ブレイクビーツのサンプリングネタはだいたいJB!
程度にしか彼のことを知らないで観たんだけど、
音楽系のドキュメンタリーとしてはすごく良く(マニアックさもあり)出来ている、というか
変に盛らない、感動
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

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葉隠れをバイブルに、日本刀のように銃を扱う暗殺者ゴースト・ドッグとギャングとアイスクリームパーラーの友人とヒップホップと伝書鳩。

ジャームッシュ独特の話のテンポは
BPMゆったりめのリズムに乗ったり
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恋の秋(1998年製作の映画)

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夏じゃないロメール、四季シリーズの秋物語。

ブドウ栽培をしてる40代の独身女性マガリは、
仕事が忙しいのを理由に恋に臆病になっていて
親友だとか息子の彼女が彼女の恋のキューピッドになってやろう!とい
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この映画の感想はネタバレ無しに書けないです。笑

ゆっくりカメラが引く。風が吹いてカーテンや木々が揺れる。サーキュレーターかなんかのブゥゥンっていう鈍い音とか建物の位置、配置、俯瞰のカメラ...
黒沢
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フェイシズ(1968年製作の映画)

4.8

表情から心が透けて見える。
”虚しさ””どうしようもなさ”の魅せ方。
踊って歌って笑い酔っ払いワーっと温度をあげても、底の方にある問題や拗らせた部分が消える訳ではない。
おばさんだって女でいたい。年を
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ミニー&モスコウィッツ(1971年製作の映画)

5.0

レビューでもなんでもない、気持ちを綴ります。笑

駐車場係のシーモアは、イキイキと仕事をし、思ったことを率直に伝え、喜びを体現する。
話すことは現実的なことで車のこと、食べ物のこと。笑
教養はないが、
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ハックル(2002年製作の映画)

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どこかの田舎、シャックリが止まんないお爺さん。
目の前を通り過ぎていく動物、車。
人間の営みと、スロウに流れる日々。

かと思いきや、じりじりと不穏な空気。
そう、ジリジリとくるのです。
気がつけば、
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タクシデルミア ある剥製師の遺言(2006年製作の映画)

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とんでもない映画を観てしまった!
しかし、ただの悪趣味カルト映画だよ、なんて言ってしまったら、No!と言いたい。

親子3代、3章にわかれた物語。
中尉にこき使われてる”祖父”の、変態的な自慰行為はと
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

5.0

PTSDを抱えて除隊となったアル中フレディクエルは、仕事に就く度そこに馴染めず問題を起こす。
キャベツ畑を疾走し(最高のシーン)、たまたま乗った客船は新興宗教団体ザ・コーズ御一行の船で、そこで”マスタ
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緑の光線(1986年製作の映画)

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あれも嫌よこれも嫌よ、でも孤独で泣いちゃう。
馴染めないし、楽しくないし、チャラついた奴しかいない夏の海。
こじらせ女子にとって居場所がない夏のバカンス。

同じ男ばっかりだとやーよ!と北欧の彼女は言
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

5.0

少女と大人たちが交わす愛についての論議、
人間のずるさや素直さなども全部いい。
愛について、それぞれの解釈やスタイルがあるし正解も間違いもないよね。

ポーリーヌの満点のスマイルも、
アンリのずる賢さ
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