藤田武彦さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

藤田武彦

藤田武彦

映画(523)
ドラマ(0)
アニメ(0)

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.2

シリアスなトーンの割に、シュールで現実感がうすく、たまにコミカル。
嫌らしいシーンはマイルドに描かれており、その分内面的な怖ろしさに想像が向く。

侵略者達。
概念をうばう、というのが怖ろしい。
まる
>>続きを読む

紙の月(2014年製作の映画)

3.2

人を助けるために横領する。
やがてそれがエスカレートしていき。。。

「受け取る者より、与える者の方が幸い」
とすれば、与えることは良いことになるが、それが他者からの搾取によるものだとしたら、それは正
>>続きを読む

贖罪(2012年製作の映画)

3.1

ラスト5話。犯人の妻と対話するシーンが面白い。
緊張を伴う対話で、いったん席を外し、水を飲んで、また移動して水を吐き出す。

これ、実はスポーツアスリートの行うメンタル調整法と通じる作法です。

水を
>>続きを読む

フライ,ダディ,フライ(2005年製作の映画)

4.0

「燦然たるダイヤモンド」

主人公(鈴木一)が、嫌な・憎い・怖ろしい存在と対峙する際に、唱える言葉。

野球のイチロー(鈴木一郎)が、打席の前にバットを回すルーティンのような効果がある。

硬く強いイ
>>続きを読む

無伴奏(2016年製作の映画)

2.5

無伴奏、ボーカル無しのBGMって良いですね。

映画としては、少々説明不足のところがある。

ラブシーンを覗き見る不気味な祐之介。
その後、「おめでとう」と言われて、何ごとかをささやいて立ち去る。
>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.0

テルコ演じる岸井ゆきのが可愛らしい。
小動物のようで、時おり見せる表情が豊か。
女性目線ならば、より感情移入して観れるのでは。

そんなテルコも、マモちゃんとの一方的な関係に満足してしまっている。
>>続きを読む

少女(2016年製作の映画)

3.5

Filmarksの評価より面白い。

はじめは、どこまでが現実なのか、どこからが空想なのか、分かりにくい。
やがて、それが映画の重要な構造を担っていることが分かってくる。

「どこからがシナリオなのか
>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

2.9

登場人物の言動が不可解で、入り込みにくい。

傷つけられ、頭に障害を負ったところに、耳に着けるピアスをもらって、喜ばしいのだろうか。

自分のほほを叩く意味も、分かりにくい。
怒りの対象に直接怒ること
>>続きを読む

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.8

「この家イヤ!知らない人が一緒にいる!」

再婚相手の連れ子が言う。

浅野忠信も、結構イヤな奴ですね~。
娘の心が緩んだスキに、もっともらしい言葉を滑り込ませる(^^;

とりたてて大きな事件が起き
>>続きを読む

二重生活(2016年製作の映画)

3.7

長谷川勝巳の気持ちがよく分かる。
尾行って、イヤですよね~(^^;

尾行する側の心理って、どんなもんでしょう?
後ろ暗くはないのか。
他の人もやっているから。
上から言われたから。

尾行を指示する
>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.1

1=「バーフバリ 伝説誕生」の序盤のような、伸びやかな活躍を観たかった。
スケールも1の方が大きい。

マンガのような展開を、照れもなく繰り出してくるところは、好感。

敵役もいいですね。
嘘の情報で
>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.0

登場人物の言動に説得力があり、物語の筋が通っている。

それにしても竹野内豊、いい声してますね~。
声だけでも、日本代表クラス。

でも、良い声の言うことでも、ウソはあるんですね。
「約束する」
十和
>>続きを読む

鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

2.5

コミカルなドラマを期待したが、山場にとぼしく淡々と進む。

コウモリが象徴する両義性。鳥でも獣でもないもの。
兄はその犠牲となったか。
「切れろ切れろ」の声が、「消えろ消えろ」の叫びに聞こえる。

>>続きを読む

教誨師(2018年製作の映画)

2.5

死刑囚という極限状況での対話劇。

しかし、シチュエーションを活かして、もっと踏み込んだ内容にできるはず。

人を殺すことはタブー。
そのタブーをシステムに組み込んだ死刑。

古代から人類が備えている
>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

4.0

面白い!

オープニングのテンションから、中盤はやや展開が鈍くなるが、ラストに向けてまさかの展開。

朝井リョウ原作。
「桐島、部活やめるってよ」では、キリシマは姿を見せなかった。
本作では、匿名の評
>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.2

「あんたはそうやって全部他人にやらせるのか」
恐怖と注射で支配し、他人を思うままに操作する西野。

西野の死を喜ぶ娘。
高倉の銃口は、その娘にも向けられているようにも見える。
西野の支配下にあるとはい
>>続きを読む

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.0

菅田将暉のゲスっぷりがスゴイ。

まげを結った髪型は、昔の時代の象徴。
女性をはたいて恐怖を与え、口をふさぐ。
後部ドアの下に押し込め、わいせつ行為を行う。
抵抗する気がなくなったところで、赤の他人を
>>続きを読む

Shall we ダンス?(1996年製作の映画)

3.0

期待が高過ぎた。
ステップを繰り返すシーンなど、単調で冗長に感じられる。
最後の踊りに向き合うシーンは良いですね。

超高速!参勤交代(2014年製作の映画)

3.6

【読唇術ならぬ腹話術】
やまびこの術がすごい。

読唇術ならぬ腹話術で、姿を隠した異国のお偉いさんにメッセージを伝える。

映画史に残る1シーンでは(^^

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.8

美しい山あいの村の診療所。
村人に溶け込んだ医師が、実は。。。

村人の命の手綱を握っている気分になっているのではないか。
その気分を味わってしまっているとしたら、おそろしい。
たとえ医師個人にはその
>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

3.0

子役が自然体。

しかし、児童相談所や警察などに話していれば。
誰も知らないところでは、何が進行していても通ってしまう。

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

3.8

似たような経験をしたことがあります。

街で、突然3人組に突き飛ばされました。
あまりに唐突で、まるで誰かに言われてやったかのような。
そして3人組は、私が先に手を出したと口裏を合わせる。
止めに入っ
>>続きを読む

チア男子!!(2019年製作の映画)

3.1

シンプルで真っすぐな青春スポーツ物語。
テンポ良く物語が進む。

男子チアを始める7人。
キャプテンが高齢者介護問題でリタイアしそうになるも、
大開脚に向けて、組体操にはげむ。

「全部ぶっ壊そうぜ」
>>続きを読む

スウィングガールズ(2004年製作の映画)

3.0

熱血根性モノを予想していたが、コミカル・コメディ路線だった。

上野樹里が活き活き。

東北弁も、慣れてくると心地よい。

風が強く吹いている(2009年製作の映画)

3.0

林遣都の走る姿が、べらぼうに恰好良い。

大学陸上部からスカウトされたという話も納得。
身体づくりも含めて、相当トレーニングを積んだのだろう。
その走りが、映画に説得力を与えている。

「マンガが好き
>>続きを読む

パッチギ!(2004年製作の映画)

3.3

【お互いをよく知ること】

全体主義社会の北朝鮮。
直接表立って描かれることはないが、表現の自由も許されない。
そんな祖国をもつ朝鮮学校生と、日本人高校生との対立。

一方が他方を消そうとするから、対
>>続きを読む

GO(2001年製作の映画)

3.8

【君も、世の中にドロップキックしてみないか】

熱い青春ラブストーリー。
説得力のある脚本に、役者の存在感とが融合した良作。

オープニングから圧倒的な疾走感。
地下鉄のレールの上を全速力で駆け抜ける
>>続きを読む

大鹿村騒動記(2011年製作の映画)

3.0

【目をつむるのと耳をふさぐのと、どちらがよいか】

村人たちで芝居をする歌舞伎。
山場となる、目をつぶすシーン。
紙切れに囲まれて、血の涙を流しているかのよう。。。

佐藤浩市が言う。「耳をふさげ!」
>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.6

【裁判システムを運営する側を、どう裁くか】

主題歌は、
With or Without You

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.0

【名前を付けて呼ぶことの力】

物語の中心に居る「キリシマ」。
実は、一度も姿を現しません。
それでも、存在感をもって浮かび上がる。
名前を付けて呼ぶことの力が感じられてきます。

例えば、ストーカー
>>続きを読む

ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.9

柏木君の問いが記憶に残る。
「口先だけの偽善者」と、イジメを止めない優等生に対し。

これ、「口先だけの偽悪者」、になってもよくないんですよね。
ワルの振りして本当は、、、と思っていても、直接矢面に立
>>続きを読む

告白(2010年製作の映画)

4.0

イジメ、カッコわるいですね~。
複数人で1人に向けて書いた手紙。
縦読みすると、罵倒の言葉。
これ、反対に、本文が罵倒の言葉で、縦読みすると称賛の言葉でも、イヤなものですよね。

自分で作り出した爆弾
>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

3.2

広瀬すずの活き活きとした姿を観ることができる。

扇風機の前に立つシーンが印象的。
扇風機というと、声音を変えることを思い出す。
ワ~レ~ワ~レ~ワ~ウ~チュ~ウ~ジ~ン~ダ~
それを、裸体のために使
>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.1

1本で3度おいしい!

ワンカット超長回しのゾンビ映画。
続いてそのメイキングドラマ。
最後にメイキングドラマのメイキング。

しまいには、観ているこちらも何かのメイキングドラマに参加しているかのよう
>>続きを読む

かぞくのくに(2012年製作の映画)

4.1

「自分で言ってよ!」
「兄に言わせないで!」

メッセージを、自分の口から伝えずに、他人の口から発させる作法。

家族の間にヒビを入れる、その非人間的なやり方を描く。

「考えずにただ従うだけ」
それ
>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.0

最初にゴジラを下から見上げるカットは、迫力がある。

その後はアクションシーンは少なく、政治の世界が続く。
下々の意見を等しく汲み上げるだけの姿に、観ている側のフラストレーションがたまる。

これが庵
>>続きを読む