平田一さんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

サスペリア(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

好き…てか、大好きです。

ホラーとしては致命的に恐怖が欠けてて気になりますが、一個体としての魅力は旧作に負けず劣らず。てか完全に独立していて、比較の必要無しですね。

一番心が湧いたのが、"開放"と
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

4.9

とてつもない作品でした。

初見はとにかく想像していたドキュメンタリーからかけ離れ、ほぼ静止画とナレーションでの構成にただ困惑。マイケル・ムーアの大傑作『ボウリング・フォー・コロンバイン』、キアヌがイ
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劇場版 のんのんびより ばけーしょん(2018年製作の映画)

4.8

ゆったりに、酔えました。

劇場版でも「のんのんびより」はとてもゆったりしてました。のんびりで、平和的で、スゴく素朴な日常を。

初めての旅行回も、ちょいビターを滲ませながら、先ほど述べたのんのんらし
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斬、(2018年製作の映画)

4.9

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初・塚本晋也映画。

『悪夢探偵』シリーズや『鉄男』シリーズ、『野火』といった作品名は知っていた。けど鑑賞は初めてだった。

…観れて良かった。

刀が発する金属音で既に傑作認定だった(別に刀に詳しく
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.8

試写会にて。
気が早いが、今年のベストの一本です。

冤罪やメディアリンチの問題を突きながら、何故起こってしまうのか、簡潔にグレーを保つ。勇敢な行動も騒ぎ立てず、自然に綴る。イーストウッド、90越えて
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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

4.8

楽しいにも程がある!

『ジュマンジ』も『ザスーラ』も、まるで一切観ていない!なんだけど面白い!まったく想定外だった!

特に一番お薦めなのは、弱腰だったスペンサーがマーサに恋してどんどんどんどん強く
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劇場版総集編 後編 メイドインアビス 放浪する黄昏(2018年製作の映画)

4.9

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良かった。スゴく良かった。

対と言っても過言ではない『後編』はとにかく過酷。ラピュタ気分で観ようものなら、カウンターを喰らいかねない。本当に容赦無しで、強烈なショックもある。しかも一度で終わるような
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.8

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報われない結末だけど、ボクはイチオシしたいね。

ケン・ローチは初めてだったし、単館の映画というのは本当に久しぶり。でもテーマが他人行儀に見れないお陰で素晴らしかった。

ボクも仕事でスキャナーを扱う
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6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

4.3

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冒頭のカーチェイスは120点以上だった。けどそこから尻窄みな印象はあったかな。

要は出だしが派手すぎて、以降が手加減みたいに見える。そういう、勿体無い構成が気になった。

ただクライマックスでのマグ
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劇場版総集編 前編 メイドインアビス 旅立ちの夜明け(2018年製作の映画)

4.8

圧倒的完成度!

『前編』は総集編映画のベストの一つだよ。

素晴らしいスタッフ陣とキャストが揃ったTVシリーズは、ジブリがかつて生み出し続けた"冒険"を想起させる。でもジブリ以上に残酷さが内包し、特
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

5.0

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傑作を超えていた。
オールタイムベストレベル。

膨大な上映時間(約3時間28分)、ギャング映画で年代記…『タイタニック』(1997)が砂糖菓子とか、アイスクリームに感じるぐらいに、血と暴力のクロニク
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.9

-1はオンエアの為の大幅カットに対してです。まあそれでも不動の名作、錆びぬ不変の傑作ですが(ただやっぱり3時間のオンエアは欲しかった)。

人へ機械が反旗を示し、戦争を招いた原因。他ならぬ人類こそが発
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

4.3

見事にやってくれたと思う。

『2』という別次元の大傑作の後日譚は、熱いドラマと"罪"に対する贖罪が宿ってた(これは流石にネタバレ不能)。

サラ・コナーが戻った経緯も単なる懐古趣味じゃない。いなけれ
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ハロウィン(2018年製作の映画)

4.9

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スラッシャー映画自体はあまり見てない人間だけど、これは良かった!マイケルがとにかく怖くて、ホントビビった。

何に怖がったかというと、意思精通の余地が見えない相手が迫ってくることだった。人間だから余地
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

4.3

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『デジモンアドベンチャー』や『ミッション:8ミニッツ』等を押さえていると、この展開はさして驚きはないと思う。

ただラストは、流石にあれにはビックリしたし、スゴく良かった。

こうだと思った大前提を見
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.9

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"そして存在していなかった彼は、自分の足跡を"…見方によってはスゴく危険な、"めでたしめでたし"エンドでした。

何をやっても好転しない。出生はクソの極み。仕事もクビ、惚れた人とは何もなかった。何一つ
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イレイザー(1996年製作の映画)

4.2

楽しかった。

いつものシュワちゃん映画だけど、レールガンとか登場したりと、ちょいちょいSFギミック出て来て、証人保護プログラムの世界を多少は垣間見れた。

特にジョニー・Cが良かった。良いシュワちゃ
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」(2019年製作の映画)

4.7

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狡噛慎也というキャラクターは、ボクはとって"遠い人"だ。

1期の頃から何て言うか…トータルで人として超越している印象だった。あまりにもカッコよすぎて、こんな人になりたいけれど、絶対俺にはなれないな、
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」(2019年製作の映画)

4.8

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スクリーンで初めて見たとき、複雑な政治劇や、水面下の構成等がややこしくて大変でした。

ただお陰で再鑑賞時は、色々分かって良かったです。

上層部の独断により、石ころみたいに消された命。そしてそれをお
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ゴースト・ハウス(2007年製作の映画)

2.5

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冒頭は『悪魔の棲む家』みたいな話と思っていたら、霊や心霊現象は原題通りに"メッセンジャー"たち。つまり誰かに警告している、何かを伝えているってことで、本当の恐怖というのは、まさに灯台もと暗し。ゆえかホ>>続きを読む

イコライザー(2014年製作の映画)

4.3

市井(しせい)に集う苦しむ人には、こんなヒーローがいて欲しいです。カッコ良いし、聞き上手で、おまけに偽善でないのが良い。

彼もかつては過ちをし、償いを求めている。でも死者は人を許すことが出来ない。故
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

4.8

セロンの一挙一動眺める、体感時間"90分"!実際は112分ぐらいだったと思うけど。

とにかく殺しのテクがすごい。完膚なきまでぶっ殺すには、敵もセロンもとにかく必死。3回バトってしぶとく生きてた『ダイ
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アイランド(2005年製作の映画)

4.8

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やっぱり面白いと思う。

クローニング技術をテーマに、娯楽映画とミックスさせる。それ自体はさして新味のアイデアって訳じゃあないけど、マイケル・ベイが監督だから、独自性が結構出てる。

豪快な破壊描写や
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ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年製作の映画)

3.8

これはこれで悪くないけど、流石にトーンは軽いかな。『1』『2』は重厚でいて、滲むユーモアが絶妙だった。『新起動』はセルフパロディ×オマージュ要素が目立ちすぎて、要のテーマを押し殺して、軽くしちゃってる>>続きを読む

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

2.3

至って"平常運転"でした。

頭髪減退記録映画(ボクはそういう見方もしてる)、『ダイ・ハード』のマクレーンと、製作のみの『サクラメント』や『グリーン・インフェルノ』のイーライ・ロス。それが名作自警映画
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.8

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ナチ殺しのバスターズも、奴隷商人殺しのジャンゴもスゴく良いけど、こっちが好き!というか一番かも。

レオとブラピが"陰日向"で、シャロン・テートはいわば"太陽"。その太陽に毒牙を向けるマンソン・ファミ
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly(2019年製作の映画)

4.9

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一章よりも、大好きだった。

"天秤の試練"を前に、士郎が選んだ裏切り行為。

抑えきれない"黒いもの"が遂に噴火し、呑まれた桜。

PG12へ上がっただけに、過激描写が増幅してるし、官能的・耽美要素
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劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel I. presage flower(2017年製作の映画)

4.8

一言では、要約できない。
上手い言葉も浮かんでこない。

ただ…素直に言ってしまえば、"すさまじい一編"だった。

慎二が屈折している背景(ライバルだと思いたいから、拒まぬ士郎へ憤るとこ、努力しても到
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エベレスト3D(2015年製作の映画)

4.3

観客が本当の意味で"下山"できるのはエンドロール、それが到来してくれないと、エベレストにまだいる気分に…。

とにかく苛酷さ、臨場感が、こっちの予想を超えすぎてたし、遠近法を巧みに使ったカメラワークも
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3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

4.8

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"本物の相手"に対するウェイドの敬意に熱くなった。

人心掌握、カリスマ性…すべてを備えたウェイドにとって、ダンと出会い、彼と旅して、一体何を得られたのか?

ボクはこう感じ取った。

"本物の相手"
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天気の子(2019年製作の映画)

5.0

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"せめぎあい"の映画だった。

少年の"決断"に、立ちはだかる"運命""正しさ"。といっても後者の方は、自己ではなく伝達であり、外部からの"正しさ"であり、自分の意志を黙認させてる。大小はあろうけれど
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青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(2019年製作の映画)

5.0

暫定今年のトップ映画。

感傷を許さぬ演出、待った無しの決断連続。TVシリーズ以上に過酷で、優しい故に非情な選択。規模も作りもまるで違うけど『(アベンジャーズ/)エンドゲーム』にまるで負けないレベルだ
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親愛なるきみへ(2010年製作の映画)

3.8

感傷的な場面のくどさ、9・11が二人の間に陰をともすというのも安直(そもそも特定の大きな事件を絡ませるのは、頂けない)。思った以上に不満は感じた。けれど結構好きではあるし、巷のニコラス・スパークスの映>>続きを読む

エミリー・ローズ(2005年製作の映画)

4.8

女性弁護士が訴える"可能性"が素晴らしかった。

オカルトホラーの域を超えて、法廷要素も一段上がって、一体何を"裁くか否か?"を浮かび上がらせ、思わず感動。とんでもない拾い物だと、この場でハッキリ伝え
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ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)

5.0

"傑作"を越える賛辞を、知ってる人は教えてほしい!

(迫力ではない、もはやもう)迫真のレースシーン、二人の内面を捉えるカメラと、強烈な再起の後半。

火傷を負ったニキの姿は、かなり堪えるものがある。
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ライオン・キング(1994年製作の映画)

4.8

ライオンは食物連鎖の頂点に立ってはいる。でも彼らも土に帰れば、草の肥やしになる運命。ムファサはそれを分かっているから、王様なんだと感じられたし、故にスカーの命の軽視や独り善がりな姿が滑稽(ただ同時に哀>>続きを読む