ここまで情感たっぷりの映画は久しぶり、あながちアンゲロプロスも嘘ではない。水中撮影してるのに画面にターコイズブルーのタイポクレジット、青×青のオープニングからすでに気合の入り方が違う。全編に渡って成島らしくショットが決まりまくってたので全然観れたけどあと30分短かったらもっと観やすかった、流石に長い。お琴をビィンッから室外カットへ木々のさざなみサワサワ左から右へパンしたり、ラストの海でのシーケンスでの一連の流れが凄まじい。母ちゃんが腰掛ける岩場を左手前に置いて右後方に坊やと母ちゃん2人を配置、これから起こるであろう最悪のことを予期させるショットなど、そもそもロケ地が口永良部島なだけで大変なのに押し寄せる波や潮の満ち引きまでを計算し撮影に臨む姿勢が成島たる所以か。