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土砂降りのmingoのレビュー・感想・評価

土砂降り(1957年製作の映画)
4.2
雨ザーザー降り止まぬメロドラマの傑作。まりこ様に関する言及が多いが本作は南千住の連れ込み旅館の女主人たね、こと沢村貞子の映画でしょう。彼女に対する三人の子供たちが松竹梅、なのも良い。梅が希望役、若い桑野みゆきはいつだってみんなの光だ。
土砂降りの夜に登場人物たちが各々の感情を爆発させるクライマックスは待ってました観たい!よりも絶対にしんどいことが待ってるんだろうな、みたいな年々足が重くなる自分を見ているようでめちゃくちゃ落ち込むし暗くなる。そこでただ温泉マークのネオンだけが虚しく点滅し、汽笛と立ち込める黒煙の記号だけが記憶される。ちなみに日本の温泉マーク発祥の地は群馬県磯部温泉。また古い思い出を思い出してしまった…
「春3部作」本当に素晴らしいし今更中村登がクソマークスで再評価されるのかと思うと悔しい思いが込み上げてくる。にしても噂に違わぬ傑作であったが後年の中村登の熟練度からするとまだまだだがここまでの暗さはやはりゴショヘイに匹敵する。労作「中村登年表」作成したので興味ある方はTwitterへ。
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