しゅうへい

呪術廻戦 第1期のしゅうへいのレビュー・感想・評価

呪術廻戦 第1期(2020年製作のアニメ)
3.5
「呪いを宿し、呪いを祓え」

並みはずれた身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁は、祖父が死んだ夜に呪術高専一年の伏黒恵と出会う。彼は、虎杖の持つ“呪物”を回収しに来たというが、ちょうどその“呪物”は虎杖の先輩らによって封印が解かれていた。“呪物”が引き寄せた、呪いの化け物に襲われる先輩たち…そこに虎杖と伏黒が駆けつける。

芥見下々による同名の漫画を原作とするテレビアニメ。『鬼滅の刃』に続く「週刊少年ジャンプ」のヒット作として知られ、累計発行部数8000万部(デジタル版含む)を突破する人気作品。

『BLEACH』であり『NARUTO』であり『幽☆遊☆白書』であり『青の祓魔師』であり。パクリと言われようが名作のエキスを存分に抽出して、その他作品のオマージュ盛り沢山。少年漫画でやり尽くされた題材を現代風に新解釈したような。数あるベースとなった本家を超えられない惜しい作品。とはいえ人気なのが頷けるシンプルで分かりやすい王道の面白さ。MAPPAの神がかった作画も相まってジャンプの看板作品に相応しい。

序盤から定期的に”特級“のボス戦が用意されていて、ありがた胃もたれ。また虎杖の心理的な葛藤からの成長はあっても、戦闘技術に関しての成長描写が少なく、出番がある度に大幅に強化してきて撃破の流れに違和感。「戦闘がスタイリッシュで格好良ければ、強くなる過程をすっ飛ばしていいんだあ」と思うほどの浅さ。全て描ききらない洒落も感じるからまあ良し。

生まれ持っての人間離れしたタフさや身体能力、それに加えて呪術に関しての潜在能力、成長速度は異常。ウチに秘めた特級呪物・両面宿儺をもコントロールするチート主人公。両面宿儺=九喇嘛(九尾)、伏黒恵=サスケ、釘崎野薔薇=サクラ、五条悟=カカシ、東堂葵=ロック・リー、設定やキャラがどれも既視感だらけで現代版『NARUTO』と言える。

戦闘力のインフレが凄まじいが、序盤で判明し終始一貫「最強=五条悟」なのが敵味方問わず周知の事実というのが面白い。範馬勇次郎ポジション、完全無欠の存在として王座に居続けてほしい。強敵が現れても冷や汗程度で。

原作未読。劇場版・二期の為に再視聴。MAPPAの作画は何度観ても度肝を抜かれる。近年の最有力アニメはここまで力が入ってるのか、と今作で認識できた。ただ24話もあってこの程度の満足感、拍子抜けは否めない。もう少し若ければ評価は違ったかもしれない。生意気言ってすいません。今後に期待。
しゅうへい

しゅうへい