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機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2クールのbluebeanのレビュー・感想・評価

4.0
ガンダムとして新しいことをやるという意志の現れか、設定や展開がやや複雑で、自分の中で整理が追いつかない部分がありました。でも最後はスレッタとミオリネを中心にストレートな成長物語として完結していて、気持ちよく観終わることができました。

母親という他人の与えてくれる正しさに従っていたスレッタが、自分の信じる正しさに従って行動できるようになるわけですが、いずれにせよその正しさは絶対ではなく、必ずどこかで間違いを冒す。それでも前に進まなければならない。だからこそ自分の意志が大事、というストレートで強いメッセージが良かったです。人生って本当にそういうものだよな、と腑に落ちるものがありました。

作り物っぽさから人間味を得ていくスレッタ、意志は強いが失敗で心が折れ、そこから立ち上がるミオリネ、人間味がある反面に持っていた弱さを克服するグエル、などなどバリエーション豊かなキャラクターがそれぞれ成長する群像劇になっていて見事でした。その成長がお互いのつながりの中で起こるというのも良いです。もし4クールかけてじっくり描いていたら、さらに感動できるものになったかもしれないのに、と多少残念な気がします。

SF設定もガンダム的な要素をキープしながらも新しいことをやっていて面白かったです。ニュータイプ的な能力を、超常現象ではなくあくまで技術的なものとして描いていところは個人的に好きです。ガンドロワかエンジェルハイロウっぽいものとか、ソーラレイっぽいものが出てきたのはちょっと笑いました。
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