このレビューはネタバレを含みます
よくあるファンタジー設定をベースに、長命種の視点から見た世界を描いた作品。
目の付け所が素晴らしいよね。魔王を倒した後の勇者たちのその後とか、その中の長命種の気持ちとか、今までもそこにあったはずなのに、ちゃんと気づいて拾い上げたことは原作者の勝利と言えよう。
かつて魔王を倒した勇者の仲間であるフリーレン。勇者ヒンメルの死後、ハイターからフェルンを託され、戦士シュタルクを仲間に。師匠フランメの言葉をヒントに死者と会えるという場所を目指し、北上の旅へ。
北側諸国に入り、断頭台のアウラを倒したり、僧侶ザインを仲間にしたりしながらさらに北上。進むためには一級魔法使いの称号が必要なため、一級の試験を受けることに。第一試験は鳥の捕獲。第二試験はダンジョン攻略。第三試験はゼーリエによる面接。それらをクリアし、見事フェルンが一級に合格。フリーレンはゼーリエに嫌われてるので落ちる。
フリーレンの特徴上、各話の冒頭で年数がジャンプすることがあるのが新しい。前半は基本1話完結で見易い。最近続き物の作品ばかり見てたからこういう1話完結型はやっぱ安心するなぁ。1話のなかで起承転結が綺麗にはまってるのって美しいよね。
目的は違うが道程は被っているため、ヒンメルと旅した足跡をなぞることとなり、たまに回想シーンでしっとりしたりする。現在のパーティの掛け合いでほっこりさせたり、たまにスーパーな作画のバトルも見られたりするのが楽しい。
ただし一級魔法使い試験のあたりから話のテンポが遅くなり、シュタルクは出てこなくなり、他キャラがどしどし登場するようになって、前半よりもおもしろさは減じたのが残念だった。あと個人的にザインが最も好きなキャラだったのだがすぐいなくなるのと、メインのフリーレンとフェルンがそこまで好きになれなかったのは残念だった。
フリーレンは正直1000年生きてるとは思えないほど人格が成熟していないし、フェルンはちょっとしたことでイラついてるし、この2人の魅力が薄かったなと。というか男キャラはデンケンとかもかっこいいし、いいやつ多かったけど、女キャラがあんまりいいの無かったな。キャラデザは全体的にかわいいんだけど。
あとやり口としてはワンパンマンと近いものがあるね。普段飄々としていて、戦うとめっちゃ強いってやつ。
1クール目EDの映像とmiletの歌がバチバチにはまってとても美しかった。このまま朝ドラのOPに使えるレベルのかっこよさだ。