眼鏡の錬金術師

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズの眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

無法地帯の火星で虫けらのように労働力として扱われたり、非人道的な手術を施された少年たちが兵士として扱われるような世界設定。
まるでアメリカの黒人奴隷や、イギリス産業革命時の児童労働を彷彿とさせる内容だ。

主人公三日月少年は頭のネジがぶっとんでいて、殺人マシーンかのように迷わず敵を殺していく。抜き身の刀のような存在だ。
バディを組むのはオルガ。オルガは隊長として後に少年たちをまとめ、鉄華団として召し抱えていくことに。

火星で革命の鍵となる少女クーデリアを政治利用しようとしたギャラルホルンと小競り合いになり、そのゴタゴタの最中に飼われていた企業に反旗を翻し、乗っ取って鉄華団を結成。クーデリアを護衛し、地球へ向かうことに。
テイワズと手を組み、海賊を倒しつつ航行。地球圏ではデモ隊とギャラルホルンの小競り合いに巻き込まれるが、クーデリアが政治家として覚醒し、乗り切る。
地球へ降下した後はよくわからんが蒔苗というジジイをエドモントンの議会に連れていかなければならなくなる。そこからは敵味方ともに多くの犠牲を出すも、鉄華団が大仕事をやってのける。裏ではマクギリスが筋書きを書いていたということらしい。マクギリスがなぜここまでのことをするのか、彼の怒りとはなんなのだろう。
これで火星の状況は良くなるのだろうか。

全体的に機体のデザインはそれほど好きではないかな。バルバトスとかガエリオの機体はかっこいいけど、他の機体はなんか細いし、顔の印象とか全体の配色とかにセンスを感じなかったな。
戦闘が肉弾戦メインなのが特徴的だ。ビーム兵器は無く、剣、斧、鈍器系の武器で殴り破壊するという戦法が基本。遠距離武器もミサイルか実弾ばかりだ。

かつて無いほど男くさいガンダム。熱さや仁義を前面に出した作りになっている。戦死者も多く、終盤の悲壮感も強く演出されていた。奴隷や少年兵の描写もあり、設定もえぐみがある。阿頼耶識なんてほぼ強化人間みたいなもんだし、尚更だ。
主にオルガとクーデリアの成長をメインに描いていた。逆に三日月の成長は見られないのでそれは2期なのかな。

オルガと三日月のバディものとしてもいいし、ガエリオとアインとか、敵味方ともにナイスなキャラは多い。メリビットさんも一貫してまともな発言してて好きだったな。クーデリアはそんなでもないかな。

ハラハラしたし、切なくなったし、全体を振り替えるとかなり楽しめた。