えぬ

哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?~のえぬのレビュー・感想・評価

5.0
どうしてもキレイな映像で楽しみたくて、衛星劇場に加入。録りためて第1話から一気に全20話見ました。1話が長くて、合計で24時間ぐらいあったっぽい。最後の最後まで壮絶に面白かったし、時空を超える系の非現実設定部分も、とてもすっきりと話が収まったと思います。おかげで現在ロス状態・・・。スペシャルエピソードの「竹の森」も良かったので、こっちもおすすめ。ビハインドも面白かった。

韓国時代劇は好きで以前からよく見てきたけど、王朝絡みな物はどうしても政敵との熾烈な戦いだとか、時代に翻弄される悲劇やら救いのないほどの理不尽さなどなど、物々しい重苦しさが避けられないのがちょっとしんどい・疲れてしまう部分であったのだが、こうやってコメディと半々な話にしてしまうと、最後まで楽しく見られてこれまでになく堪能&満足できるというのが新たな発見でありとても新鮮だった。そうでなくても権力争いの政争絡みな話はワンパターンになりがちだし散々使いまわされてきた題材だし、更にシリアス一辺倒だと私はますます飽きてしまうみたいなので、このドラマぐらいがシリアスとコミカルの配分がちょうどいいのだと思います(コミカル多めなので)。何より、コミカル部分のテンポがとにかくよく、ノリのいい状態でスピーディーに進んでいくのが良かった(こういうのって、かったるさを感じさせてしまったら、もう終わりな気もするので)。

もちろん演じた役者さんたちが恐るべき凄腕揃いだったから実現した部分も大きい。けれど、これはやっぱり脚本家の力量も半端なかったのだと思う。キム・ジョンヒョン、演技うまいんだろうなと思ってたけど、ここまでとは・・・。シン・ヘソン、またこういう役をどんどん演じてほしい。こんな役柄を演じられる人、他に思いつかない。この人はシリアスな演技だとちょっと無駄に冷たく感じ悪くすら見えてしまう気がするので(ここがどうも苦手)、楽しくてコミカルなキャラの方が魅力的で好きです。何より異次元なくらいぶっ飛んでます。これまであまり準主役級で見なかったナ・イヌも今回はすごく良かった。このドラマでの好演のおかげで「月に浮かぶ川」の代役が獲れたと思うけど、それぐらいアクションも頑張っててかっこよかったと思う。ちなみにキム・ビョンインと永平君の見分け付きにくい問題は「月に浮かぶ川」を先に見て、しっかりとナ・イヌの顔を覚えてしまってからだと、難なくクリアできました。

このドラマは結構パロディを多く盛り込んでいるので、韓国語がわかる・韓国の事情に詳しい人ほど笑えるポイントが多いと思います。詳しくない私は「黄金色の私の人生」と「スキンフード」「犬と狼の時間(?)」ぐらいしかわかりませんでした。二回目以降見る時はそのあたりも注視しながら見ていくとまた楽しめそう。

ここ数年見た韓ドラで一番(というか、ダントツというか、唯一?)心の底から、最初から最後まで「面白さ」というものを大いに堪能しながらとことん楽しめたドラマでした。tvN(に限らずケーブル・総編も?)は莫大な製作費をかけて正統時代劇っぽい作品を作っても映像はキレイで豪華だけど、肝心のストーリー面が満足できないものが多く、かつてのMBCやSBSなどの名作にはどうにも敵わない気がするので、こういう一種変わった路線で行った方がいい作品が頻発しそうな気も。ただし、若いアイドルっぽい出演者ばかりの、演技力疑問だらけ&ストーリースッカスカな、軽いラブコメ・フュージョン時代劇は、個人的にはもうお腹いっぱいです・・・。

以下、途中経過のメモ。

(14話まで見た。ちょっと長いかなとは思いつつ、まだまだ面白い。)

(10話ぐらいまで見た。期待以上に、かなり面白い。演技上手なのは知ってたが、こういうキャラのシン・ヘソン、恐ろしく上手くてぶったまげた。表情とか動きとかがあまりに面白すぎて、ただその一瞬を見たいがためだけに何度も巻き戻したりしてしまうほど。「30だけど17です」のコミカルな演技も良かったけど、あの時よりも次元を超えるほどパワーアップしてて、もうすごいわー!の一言。キム・ジョンヒョンもどこかとぼけた演技が上手いし、風貌と合っていてキャスティングの巧さに脱帽。シリアスな演技との切り替えも一瞬もかからずこなす。こちらも恐ろしい。主演二人はホント凄い人たちです。このまま面白く最後まで見れると良いのだけど・・・?)
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