題名:SHOGUN 将軍
鑑賞日時:2024年4月23日
鑑賞方法:Disney+
評価:4.4(MAX5.0)
『かねてから申し上げている通り、拙者は将軍の地位など求めておりませぬ。』
□鑑賞期間:2024/2/29~4/23
2024年13本目
□五大老と敵対し、命を狙われることになった武将・虎永の運命を描く時代劇
今作、要所要所の剣劇も大変迫力があるのだけれど、一番の魅力は役者の演技合戦に裏打ちされた交渉や駆け引きなどの政治劇の要素。
虎永、五大老、落ち葉の方、キリシタンと各々の勢力の思惑が交錯していく。要するに今作は時代劇版GOTなのだ。
虎永の腹の内をあえて見せない構成が大変興味を引く要因になっており、主人公という肩書ながら何を考えているか分からない人物として描いている。多勢に無勢で、窮地に陥った状況を切り抜けるために講じた策にはお見事と膝を打ったとともに、そのしたたかさに畏怖も覚える大変魅力的なキャラクターに仕上がっている。
序盤~中盤、味方陣営で腹を明かさない主人公の代わりに物語を引っ張るのが、通じ・鞠子、イギリス人の貿易商・按針、虎永の旗本・藪重だ。
鞠子と按針のロマンスも大変上品で良いのだが、個人的には浅野忠信が演じる藪重が大好きだった。まさに戦国時代の家臣の気苦労を一身に背負った様な存在で、虎永の旗本でありながらも、五大老筆頭の石堂にも忠誠を誓う二枚舌キャラで、板挟み状態に右往左往する様が実に滑稽だった。“あちらを立てれば、こちらが立たぬ”状態に終始陥っていながらも、遺言書を常に所持し、腹切りにも躊躇なく、武士の矜持は捨てていない、そのギャップが最高である。
ハリウッドが描く本格時代劇という触れ込みは過言ではなく、毎話面白かった。S2にも期待。
以上