ジェイコブ

ピースメイカーのジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

ピースメイカー(2022年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

コルトマルテーゼの作戦でタスクフォースXを裏切り、アマンダ・ウォラーの命令に従った事でその忠誠が認められたピースメーカー(クリス)。アメリカの病院で治療を受けた彼は、ウォラーの命令により召集された極秘チームと共に、「バタフライ計画」の実行を命じられる。作戦の概要を知らされないクリスは、自身の武器を手に入れるため、疎遠であった父親のもとを訪れる…。
ジェームズ・ガン監督脚本のDCドラマ。ザ・スーサイドスクワッドのその後を描くドラマで、スーサイドスクワッドでは「平和の使者」としての使命を全うするため動いたピースメーカーの人間味溢れる部分にフォーカスする。クリスのデリカシーのない行動や言動だけでなく、白人至上主義の父との因縁や、兄を事故で殺してしまった自負からピースメーカーとしての自我を形成したバックボーンなどクリスという人間を面白く描いており、引き込まれた。周りのキャラクターも魅力的で、クリスの数少ない親友で、指名手配中のビジランテ、敵ながら強烈なインパクトを残すジュードーマスター、冷酷なウォラーの娘だが正反対の性格のアデバヨなど、8話ながらダレることなく一切飽きずに見ることができた。敵は人の脳内に寄生し、身体を乗っ取る地球外生命体(虫)であり、ゼイリブを筆頭に数多くのSF映画からのオマージュが見られる。
もう少しピースメーカーの見せ場を作ってほしかったのが残念なところ。……それにしても、会話から行動まですべてがズレてるビジランテは、緊迫感あるシーンでもコメディリリーフとしての働きを忘れないのは脱帽もの(なぜかスポンジ・ボブのパトリックが頭をよぎる笑)
本作の見所は内容もさることながら、オープニングダンスの絶妙なダサさだろう。初見は「うわ、ダサ。何これw」だけど、敵も味方も一緒になって踊る謎のダンスが何故か楽しみの一つになる不思議な魅力がある(掃除のおっさんと庭師の爺さんのステップが良い笑)
DCは今ゴタゴタに揺れているが、本作やドゥームパトロールのような面白い作品が続いて、早いとこマーベルに匹敵するような勢力になってほしい。