長内那由多

ピースメイカーの長内那由多のレビュー・感想・評価

ピースメイカー(2022年製作のドラマ)
5.0
E1
近年“映画でやっている事はTVでもやる”がTVシリーズの在り方だが、映画版に続いて脚本、監督を務めるジェームズ・ガンはあえてTV用にダウングレードしてBのセンを狙っている。近年のガンは低予算映画ノリで大作をやっている所に魅力があったと思うのだが。
セリフやピースメイカーの人物造形で笑わせるが、期待したほどノレなかった。とりあえず来週も見るけど。

E2〜6
毎週コツコツ見ている。トキシックな白人マッチョ男が少しずつ改心していく話はもうそろそろ十分かなと思いつつ、ジェームズ・ガンのユーモアと俳優陣のアンサンブルで楽しく見れてしまう。相棒ビジランテのド級のバカっぷりが最高。ジョン・シナも鷲のワッシーも芸達者(後述、ワッシーはCG)。

E7
気付けば週末のお気に入り。白人至上主義ヴィラン“ホワイトドラゴン”がほとんどアイアンマンと同じパワードスーツを着ている所にジェームズ・ガンらしい悪戯心を見る。扮するロバート・パトリックも63歳、すっかりイイ面構えの老優となり、憎まれ役を楽しんでいる。

デコボコチームが反発しながら一致団結、BGMは懐メロという『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と全く同じ方程式なんだけど、DC(HBOmax)なので下ネタもバイオレンスもノーリミット。生粋のジェームズ・ガンのファンはこちらの方が馴染みが良いハズ。それにしても俳優陣のアンサンブルが楽しい。

ハーコート役のジェニファー・ホランド、ジェームズ・ガンと婚約してるのか! サラ・ガドンがアクションに転じたような美人!

完走。
あー楽しかった!最終回とは思えないグダグダギャグからブルータルなアクションシーン、しっかりジャスティス・リーグまでdisってたったの44分(ちなみに『ザック・スナイダーカット』は242分)。ジェームズ・ガンの野郎、しっかりDCに爪痕残してMCUに帰っていきやがった!

ドラマが終わる頃には推しだらけになってしまう愛すべき作品。アデバヨちゃんもいいが(必殺人間魚雷!)、ピースメイカーの“ずっ友”ヴィジランテが個人的にはツボ。
普段はファミレス勤務のボンクラ白人なのに物凄い殺人マシーンで、このドラマで一番ヤバい奴!

後述。
ろくにヒゲも整えず会社に向かう道すがら、昨夜見た最終回でのエコノモスの染ヒゲについてのモノローグが頭をよぎる。中年独身男性の自尊心をあんな風に解体したセリフが近年あっただろうか。一晩経ってジワジワ来ている。泣ける。ジェームズ・ガン、スゲェ。
長内那由多

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