人生のある決断をするにあたって、ネイサン・フィールダーがその“リハーサル”をお手伝いするドキュメンタリー。あらゆる会話パターンから当日の現場の徹底再現までほとんど狂気の域。それでも予想しきれない人間の不可思議さ。
チャーリー・カウフマン作品にも似た不条理な笑いで「どうしてそうなる」という驚愕展開。行き当たりばったりのようで、いつの間にか人間のアイデンティティ、感情の起源などあらゆる事について考えずにはいられず、いったいどこまでが計算の内かわからない構成の巧さがある。当初は不気味にも感じたが、ネイサンの掴み所のないトボけた佇まいもクセになる。