長内那由多

マーダー・イン・ザ・ワールドエンドの長内那由多のレビュー・感想・評価

-
E1
大富豪の暮らす辺境の邸宅に人々が集められ…というアガサ・クリスティ調のイントロダクションだが、ここからマルチバースとか言われても絶対に驚かない(既に『The OA』みはちょっとある)。

トレードマークとも言える独特なプロダクションデザインはもちろん健在(あぁ、『The OA』のオーガニックな監禁部屋が懐かしい!)。主演エマ・コリンが想像以上にこの世界と親和性が高いのも嬉しい。

E4
困ったことに回想パートの方が魅力的。『The OA』のどこかの宇宙に存在していそうなハリス・ディキンソンと、ブリット・マーリングをZ世代に憑依させたかのようなエマ・コリンの相性が抜群。僕は本作が幻の『The OA』S3であることをまだ疑っている。

E5
打ち切りに終わった『The OA』の後ではちゃんと作れる事を証明しなければならなかったのだろうけど、あまりにも無難すぎ。ナラティブに合わせ30〜60分超で変動した放映時間も今回は軒並み1時間超え。何かを語っているようで、何も語っていないプロット。

別に奇想を求めてるワケではないけど、現在パートの連続殺人に面白みがない。一方で車、アメリカの荒野、惹かれ合う男女が揃った回想パートは格別。困ったもんだ。

E6
うぬーん…。

完走
AIには到底理解できない『The OA』S1のリリースから7年。アルゴリズムに乗せるためにはこのレベルまで落とし、ましてや『ザ・イースト』のようなエッジも効かせられなかったのかも知れない。PeakTVの終わりを改めて実感させられた2023年末。
長内那由多

長内那由多