ソラアユム

最愛のソラアユムのレビュー・感想・評価

最愛(2021年製作のドラマ)
4.0
題名:最愛
鑑賞日時:2023年1月13日
鑑賞方法:NETFLIX
評価:4.0(MAX5.0)

『私が思うことは一つしかありません。あの2人には一点の曇りもない人生を歩んでほしい。』
 

鑑賞期間:2023/1/4~2023/1/13
2023年3本目


≪良≫
 真相は愛で消える、とはよく言ったものだ。誰かが誰かを守るために行った行為の連鎖が真実を隠してしまう。様々な登場人物の交錯する思惑が幾重にも重なり、見る者にミスリードと衝撃を与え、最終話で見事にまとめ上げる奥寺氏の脚本が素晴らしい。無惨にも人生を狂わされた人達が“普通”を取り戻すためには、何かしらの“犠牲”が必要なのだ、という淡いラブストーリーの中に組み込まれた薄汚れた作劇が大変生々しい。

 サスペンスとしての側面も大変優秀だった。製薬会社の社長、刑事、弁護士、学芸員など、登場人物たちはあの事件の後に様々な立場の社会人となるが、彼らは自分の愛=エゴのためにそれぞれ規律や倫理を犯す。その中で法を犯した人間は誰なのか…最終話まで予想できなかった。

≪悪≫
 勿体ないと感じた点は、ヒール役の描き込み不足だ。真田ウェルネスの専務、社長(主人公の兄)は、ドラマの序盤、経営や真田家の体裁という側面で主人公と敵対していく。しかし、特に折り合いや和解もないまま、この2人が心機一転してしまうのがドラマとして勿体なかった。専務役には及川光博、社長役には奥野瑛太という完璧な座組を最大限活かしているとは思えなかった。

≪まとめ≫
 2021年No.1日本ドラマというのも納得の一作


以上