こたつむり

ONE PIECEのこたつむりのレビュー・感想・評価

ONE PIECE(2023年製作のドラマ)
4.0
マンガを実写映画に変換する。
それは難易度が高い話…特に日本の作品を外国で作るのは更に難しい…なんてよく言われますが、その壁を乗り越えるために必要なのは原作に対する愛。それを再認識したドラマでした。

何しろ、表現方法が変わればアレンジするのは当然。だから、鼻の高さが違うとか、目の色が違うとか、腋毛が生えているとか、大局に関わらない部分に拘っても足元を見失うだけ。大切なのは“魂”なんです。

それに、本作はかなり外観にも拘ってますよ。
麦わらの一味が着た服は(それが扉絵だけだったとしても)原作のどこかで出てきたものですし、役者さんたちの表情も、かなり原画に寄せた感じです(特にウソップは見事)。

また、物語の展開も上手く整理されていました。
サンジが旅立つ場面が軽すぎて仲間になるありがたみが薄いとか、ウソップに手下がいないことで彼の痛々しさが廃人級だとか、物申したくなる部分はありますけど、それは枝葉の部分。気にしたら負けなんです。

しかも、アメリカ産のドラマですからね。
アメリカンな雰囲気は致し方がありません。
寧ろ、日本とアメリカの違いを楽しむように見守るが吉。一定の割合で配役に黒人を入れないといけないとか、日本では考えられない話ですから。

あ。でも。
ナミの性格については…うーん。アメリカンな影響があったとしても、ちょっと微妙なところかなあ。もっと“メス猫”っぽさが欲しいんですが…それとも、あれが向こうの“メス猫”なんでしょうかね。奥が深いなあ。

まあ、そんなわけで。
控えめに言って、実写化に成功した作品。
スタッフの原作に対する愛がハンパないんで(細かいところまで拘っています)『ワンピース』に興味がある人は積極果敢に観た方が良いと思います。

それと、本作は一粒で二つ楽しめるのも素敵。
僕は字幕派なんで字幕で鑑賞しましたが、テレビアニメと同じ布陣の吹替も気になるのも事実。きっと、違った感覚で楽しめるんでしょう。シーズン2が待ち遠しいんですが、それまでは吹替でも観てようかな。
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