連続ドラマでデスゲーム。
これが目新しかったのか、世界的にヒットしたんですよね。でも、ベースになっているのは『カイジ』や『神様の言うとおり』や『バトルロワイヤル』。既視感が満載でした。
その中で目新しかったのは裏方に着目したこと。
確かにデスゲームを運営しようと思ったら、かなりの労働力が必要になります。そう考えると“リアリティ”を感じる設定ですね。
特にスタッフたちの生活感が面白いです。
というか、デスゲームに興じるプレイヤーよりも、スタッフの方が色々とハード（奴隷的な意味合いで）のような気がするんですが…。下っ端（マスクの模様が丸）は多重債務者なのかな…なんて想像しちゃいました。
でも、それ以外の運営はわりと雑で。
特に「途中でゲームを中止する」項目は微妙。ゲームの根底にある“公平さ”を表現したかったんでしょうが、極秘裏に物事を進めるならば途中で止めるとか、あり得ません。
でも、そういうのを含めてエンタメなんでしょう。「もしも現実にあったら？」と考えさせるのは、題材が面白いから。デスゲームって設定に面白い要素が詰まっているんですよね。このシステムを発明した人は天才だと思います（実際に存在したらイヤですが）。
また、本作に限って言えば。
感情を刺激する韓国特有の演出がバチリとハマっていました。同じアジアの一国なのに、アメリカっぽい“大仰さ”があるんですよね。これがエンタメには丁度良いのです。
伏線をキッチリと回収したのも見事な限り。
物語と同じように“公平さ”を重要視しているからか、何となく想像できるのも良いですよね。こういう匙加減に製作者のセンスって出ると思います。
そんな中であえて難を言うならば。
主人公が成長しないのは…どうなんでしょう。物語の“ダイナミクス”って、困難を乗り越えて成長することだと思うんですが…最後の最後まで××なのは…。
まあ、そんなわけで。
雑なところも多いし、その展開はないだろう、と思わず言っちゃう場面もあるんですが、何だかんだ言って面白いドラマ。少なくとも印象的なのは間違いなし。機会があればオススメです。
