こたつむり

ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.5
2021年夏の覇権ドラマ。
そう呼ぶに相応しい、軽妙で面白いドラマでした。

まず、配役が素晴らしいです。
主演となる戸田恵梨香さんと永野芽郁さんを活かすためにムロツヨシさん。そこに絡んでくる刑事役に三浦翔平さんと山田裕貴さん。全体的に優しい雰囲気なんです。

だから、安心して鑑賞できるんですよ。
撮影していた時期はコロナ禍ど真ん中だったんで大変な筈ですが、それを感じさせない“空気感”が素敵なんです。

また、羽よりも軽やかな筆致で描かれた構成。
正直なところ、軽すぎる感じはしましたが、コメディで大切なのはリアリティラインではないですからね。スパッと笑わせてくれれば良いのです。

この辺りを絶妙に具現化したのがテーマ曲。
昭和のファミリードラマを彷彿させる軽妙さと優しいメロディラインは、思わず頬が緩む案配。思うに令和の人情ドラマを目指したのかも。

ただ、そう考えると。
固めるべき周囲が甘かったのは残念な限り。
特に西野七瀬さんの“無駄遣い”感…というか、色々と忖度を感じさせる配役は…うーん。彼女が活きる場所は“そこ”じゃあない、と思うんですが…。スタッフもそれを理解したのか、後半になるにつれて出番が減少していましたね…。

この辺りが映画とは違うライブ感。
本作は最近の連続ドラマにしては珍しい“全9話”なんですが、話によると永野芽郁さんがコロナで倒れたことで色々と変更が生じたとか。いやぁ。大変な話ですな。

だから、最後まで完走できたことが僥倖。
2020年から2021年にかけてのエンタメ業界は大変でしたね…というか、未だにコロナ禍の爪痕はガッツリと残っていますからね…ここから立て直すのは大変だと思います…。

まあ、そんなわけで。
なかなかスポットライトが当たらない交番勤務を題材にしたドラマ。後追いで原作も少しだけ読みましたが、ぶっちゃけた話、ドラマの方が優しくて軽妙な感じがしました。原作を見事に調理した脚本家さんに拍手です。
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